オレ、母になる

新しい道

「瑛太

毎日押しかけてきてごめんね。」


瑛太が一人暮らしをするワンルームアパートに、真希がスーパーの袋を抱えてやってきて、申し訳なさそうに言った。


「こちらこそ、本当にごめんね。

毎日来てもらった上に、ご飯まで作ってもらって。」



「何言ってんのよ。

瑛太のことが大好きだから。

迷惑じゃなければ続けさせて。」


「迷惑だなんて


ホントに嬉しいよ。」



瑛太は、真希にキスをし、そしてギュッと抱きしめた。

そして、抱きしめたままの状態で


「今日、祐希から電話があって…」


と、切り出した。

真希の顔を見ずに話がしたかったから、抱きしめながらにしたのだった。



「妊娠したんでしょ？」



「知ってたの？」



「私の方にも晃から電話がかかってきたしね。」



「そっか…


真希ちゃん、大丈夫？」



「えっ、何が？」



「いや、その…

妊娠したっていうことが…」




「瑛太

気を遣わせてごめんね。

ホントに全然大丈夫なの。」


「なら、いいんだけど…」


「ずっと、子供が出来ないって事実に頭がおかしくなりそうになって…
ホントにおかしくなっちゃったんだけど、ずっと悩んでたの。

でも、瑛太を愛するようになった途端、そんな感情が一気に消えてしまったのよ。

ホント、ウソみたいに。

アレは何だったのって感じ。」



「真希

絶対に幸せにするから！」


瑛太は、感極まった様子で真希を抱きしめた。