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宣告
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覚えてない。
何も覚えてない…
ここにどうやって来たか、記憶が全くない。
2015年10月7日水曜日
午後2時37分
俺は病名告知と余命宣告を受けた。
ガン…
ステージ4
半年生きられない…
まだ22歳だぞ、俺は…
なんで死ななきゃいけないんだ。
身寄りがいないからって、先生も一人で来た俺に、正直に全部話さなくてもいいじゃんかよ。
心の準備も出来てやしない。
検査結果を聞き、絶望感に包まれた俺は、精算機でお金を支払い、この大学病院を後にした。
自己紹介が遅れました。
もう別にどうでもいいんだけど…
俺の名前は高野昴
年齢はさっきも言ったけど22
今年就職したばかりの社会人一年生だ。
地方の大学を出て、就職でこの東京にやってきた。
元々両親は東京に住んでたらしいんだけど、父は俺が物心ついたときには亡くなっており、母も高校一年の時に病気で亡くなってしまった。
父の死因はよく知らないけど、俺みたいに若くして死んだことには変わりなく、母は俺と同じガンによって、その命を落とした。
こんな若くしてガンになるのは、やはりガン家系ってことなのか…、
母が亡くなった後は、母の両親
俺にとっては祖父母によって育てられた。
今も田舎で健在だ。
ってことは、ガン家系でもないか…
いやいや、そんな事はない。
母が三十代で俺が二十代
死ぬには早すぎるだろ…
「ハァ…」
俺は深いため息をつき、駅に向かってトボトボと歩き出した。
そのときである。
前方から歩いてくる中年男性と目が合った。
「…」
見たことある人だ…
でも、俺はそれどころじゃないのでその人のことを思い出すのをやめた。
俺はその人とすれ違い、通り過ぎようとしたのだが、その中年男は
「昴君」
と、俺の名前を呼んだのだ。
名前を呼ばれたのなら仕方ない
俺は顔を上げ、その男の方を見た。
「あっ」
「久しぶりだね。
私の事を覚えているかね?
山中だよ。」
「山中先生…」
声をかけてきたのは特亜大の山中教授だった。
詳しくは知らないけど、その道の権威なんだとか。
母が山中先生の研究室にいたことがあり、母が体の不調を訴えて入院した時も、この大学病院に入院できるように便宜を図ってくれたんだった。
「元気にしてたかい?
いや、この世の終わりのような顔をして歩いていたが、何かあった?」
「山中先生
今検査結果を聞いたんですが、僕…
ガンのようです。
それもステージⅣa…」
「えっ…」
山中教授は俺の言葉に驚いて絶句した。
何も覚えてない…
ここにどうやって来たか、記憶が全くない。
2015年10月7日水曜日
午後2時37分
俺は病名告知と余命宣告を受けた。
ガン…
ステージ4
半年生きられない…
まだ22歳だぞ、俺は…
なんで死ななきゃいけないんだ。
身寄りがいないからって、先生も一人で来た俺に、正直に全部話さなくてもいいじゃんかよ。
心の準備も出来てやしない。
検査結果を聞き、絶望感に包まれた俺は、精算機でお金を支払い、この大学病院を後にした。
自己紹介が遅れました。
もう別にどうでもいいんだけど…
俺の名前は高野昴
年齢はさっきも言ったけど22
今年就職したばかりの社会人一年生だ。
地方の大学を出て、就職でこの東京にやってきた。
元々両親は東京に住んでたらしいんだけど、父は俺が物心ついたときには亡くなっており、母も高校一年の時に病気で亡くなってしまった。
父の死因はよく知らないけど、俺みたいに若くして死んだことには変わりなく、母は俺と同じガンによって、その命を落とした。
こんな若くしてガンになるのは、やはりガン家系ってことなのか…、
母が亡くなった後は、母の両親
俺にとっては祖父母によって育てられた。
今も田舎で健在だ。
ってことは、ガン家系でもないか…
いやいや、そんな事はない。
母が三十代で俺が二十代
死ぬには早すぎるだろ…
「ハァ…」
俺は深いため息をつき、駅に向かってトボトボと歩き出した。
そのときである。
前方から歩いてくる中年男性と目が合った。
「…」
見たことある人だ…
でも、俺はそれどころじゃないのでその人のことを思い出すのをやめた。
俺はその人とすれ違い、通り過ぎようとしたのだが、その中年男は
「昴君」
と、俺の名前を呼んだのだ。
名前を呼ばれたのなら仕方ない
俺は顔を上げ、その男の方を見た。
「あっ」
「久しぶりだね。
私の事を覚えているかね?
山中だよ。」
「山中先生…」
声をかけてきたのは特亜大の山中教授だった。
詳しくは知らないけど、その道の権威なんだとか。
母が山中先生の研究室にいたことがあり、母が体の不調を訴えて入院した時も、この大学病院に入院できるように便宜を図ってくれたんだった。
「元気にしてたかい?
いや、この世の終わりのような顔をして歩いていたが、何かあった?」
「山中先生
今検査結果を聞いたんですが、僕…
ガンのようです。
それもステージⅣa…」
「えっ…」
山中教授は俺の言葉に驚いて絶句した。
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