夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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benefactor

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ホテルに入ってから丸一日経過して、ようやく心と宮埜はチェックアウトした。


「やりすぎたわ…」


「ワタシももうムリ…
全身がダルいし、お尻も痛い」


「それは申し訳ない事をしたな。」


「ううん。

最後にめっちゃいい思い出が出来たよ。
最高だったわ、宮埜さん。」


「そう言ってもらえると俺も嬉しい。

ありがとうな、心。」


「でも、どうしよう…」


「えっ、どうした?」


「宮埜さんのせいで、ワタシ
エッチが好きになっちゃった。」


「マジ?」


「うん。

これまでは、可愛くなれたらそれで満足してたのに…」


「おい、大丈夫か?」


「奥さんとヨリ戻したのに、不安材料が出来ちゃったよ…
どうしよう?」


「まあ、そこは割り切っていこうや。」



「はい。

じゃあ、ワタシはここで…」


「おう。」


「本当に色々ありがとうございました。

ワタシがこうしてられるのも、宮埜さんのおかげです。」


「あ、いや…

向こうに帰っても元気でな。」


「はい!

宮埜さんもお元気で。」


心はそう言うと、人目も憚らず、宮埜に抱きついてキスをした。

宮埜は、一瞬、戸惑った表情を浮かべて、呼吸が止まりそうになったが、すぐに呼応し、力強く抱きしめてキスの続きをした。


キスを終えると、お互い照れたような表情を浮かべ、心は両手を振りながらその場から去っていった。

駅の改札に消えていく心を、宮埜は感慨深げに見つめていたが、心が見えなくなると、Uターンして歩き出した。

もう、心とは会えないという予感に包まれながら…




心は、改札を抜け、エスカレーターに乗り、視線の先のホームを見つめていたが、やがて俯いてしまった。

何故か、涙が溢れてしまったからだ。

なんで泣いたのか?

それは、心にもわからなかった。

宮埜に対して恋心が芽生えてしまったから?

東京を離れる寂しさ?

単にホルモンバランスが乱れて、情緒が不安定になっているから?


おそらく、それら全てが当てはまるだろう。


どちらにしても、心は大きな喪失感に見舞われ、気持ちが完全に堕ちてしまった。


しかし、泣いていても仕方がない

まもなく、妻の愛との生活が再スタートするのだ。

今度は、愛だけに向き合っているだけでは済まないのだ。

地元だけに、自分の親や親戚、愛の母、その親戚にもカミングアウトするタイミングを見なければならず、憂鬱な気分しかしなかった。
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