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jelly
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心が愛の美貌に羨望の眼差しを送る中、愛もまた心のその美しさにあらためて驚きを持って見つめていた。
先日、心の家に押しかけたときは、冷静さを欠いており、頭に血が上った状態だったが、今はかなり冷静になり、女になってしまった心の姿を俯瞰で見る事ができる。
そのような視点で見ると、心は美人であり、男であった形跡すら残っていないということがよくわかった。
それは、化粧や服装によるものではなく、肉体からして、凄まじく変わっているのだ。
乳房は大きく膨らみ、男性器は睾丸を摘出し、機能を失っている。
将来、夫の気が変わって、男に戻ると言われても、夜の営みをする事も困難で、子供を持つことも不可能なのだ。
自分がこの夫を許し、夫婦生活を続けるということは、一生子供を持てないという事になる。
愛は、結婚してすぐに子供が欲しいと思っていたが、母の病気、夫の単身赴任などで、先送りにしようと考えていた。
当時の愛は、二十二歳と年齢も若く、妊娠しようと思えばいつでも出来るという自信があったからだ。
今も愛は、まだ二十五歳と十分に若く、本当に子供が欲しいのであれば、こんな不誠実な性倒錯者なんかとは別れ、新しい恋を探せば、問題はクリアされる…
そう思わないでもなかったが、あのとき、心の事を依然として愛している自分に気付いてしまい、再び同居する事を決めたのだ。
だが、こちらに落ち度が無いにもかかわらず、不幸になっていく自分に、持っていきようの無い怒りを感じずにはいられない愛だった。
互いに様々なことを考えながら、自宅に戻ってきた。
心にとっては実に一年振りの自宅であり、ちゃんとここに住んでいた頃から数えると、三年半振りの帰宅であった。
「引っ越し屋さんから荷物が着いてるけど、勝手に開けちゃ悪いと思って、箱のまま部屋に積み上げてるの。」
「あ、ごめん。
ありがとう
後で開梱するよ。」
心は玄関を入ってすぐ左にある部屋を覗き込みながら、愛に礼を言った。
「長旅で疲れたでしょ?
お茶入れるから、座って。」
愛は、心にそう伝えると、キッチンに入っていった。
心は、少し緊張しながら、ダイニングテーブルの方に行き、ゆっくりと腰掛けたのだった。
愛は、コーヒーを二杯用意し、先に心の前にそっと差し出した。
「ありがとう。」
愛は、自分のコーヒーをテーブルに置くと、自らも対面に座り、心を見つめた。
「ねえ、心。
この前も話をしたけど、もう一回確認しときたい事があるの。」
「えっ…
うん。」
心は、さらに緊張しながら頷いた。
先日、心の家に押しかけたときは、冷静さを欠いており、頭に血が上った状態だったが、今はかなり冷静になり、女になってしまった心の姿を俯瞰で見る事ができる。
そのような視点で見ると、心は美人であり、男であった形跡すら残っていないということがよくわかった。
それは、化粧や服装によるものではなく、肉体からして、凄まじく変わっているのだ。
乳房は大きく膨らみ、男性器は睾丸を摘出し、機能を失っている。
将来、夫の気が変わって、男に戻ると言われても、夜の営みをする事も困難で、子供を持つことも不可能なのだ。
自分がこの夫を許し、夫婦生活を続けるということは、一生子供を持てないという事になる。
愛は、結婚してすぐに子供が欲しいと思っていたが、母の病気、夫の単身赴任などで、先送りにしようと考えていた。
当時の愛は、二十二歳と年齢も若く、妊娠しようと思えばいつでも出来るという自信があったからだ。
今も愛は、まだ二十五歳と十分に若く、本当に子供が欲しいのであれば、こんな不誠実な性倒錯者なんかとは別れ、新しい恋を探せば、問題はクリアされる…
そう思わないでもなかったが、あのとき、心の事を依然として愛している自分に気付いてしまい、再び同居する事を決めたのだ。
だが、こちらに落ち度が無いにもかかわらず、不幸になっていく自分に、持っていきようの無い怒りを感じずにはいられない愛だった。
互いに様々なことを考えながら、自宅に戻ってきた。
心にとっては実に一年振りの自宅であり、ちゃんとここに住んでいた頃から数えると、三年半振りの帰宅であった。
「引っ越し屋さんから荷物が着いてるけど、勝手に開けちゃ悪いと思って、箱のまま部屋に積み上げてるの。」
「あ、ごめん。
ありがとう
後で開梱するよ。」
心は玄関を入ってすぐ左にある部屋を覗き込みながら、愛に礼を言った。
「長旅で疲れたでしょ?
お茶入れるから、座って。」
愛は、心にそう伝えると、キッチンに入っていった。
心は、少し緊張しながら、ダイニングテーブルの方に行き、ゆっくりと腰掛けたのだった。
愛は、コーヒーを二杯用意し、先に心の前にそっと差し出した。
「ありがとう。」
愛は、自分のコーヒーをテーブルに置くと、自らも対面に座り、心を見つめた。
「ねえ、心。
この前も話をしたけど、もう一回確認しときたい事があるの。」
「えっ…
うん。」
心は、さらに緊張しながら頷いた。
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