夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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朝の光

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心は腕に重みを感じて目を覚ました。

慌てて隣を見ると、愛が心の腕枕で眠っていた。

心は、愛との夫婦生活を再開した事をあらためて思い知らされ、少し気持ちが萎えてしまった。

しかし、二人で話し合い、二人で納得し、二人で決めた事である。

今日から人生の再スタートだ


心はそう決意し、愛の頭からそっと手を抜き、ゆっくりと起き上がった。


「うーん…

心、もう起きたの…?」


愛もすぐに目を覚まし、心に話しかけた。


「おはよう。
まだ寝てていいよ。」


「起きるよ。
ご飯作るわ。」


「愛ちゃん
よかったらワタシ、作るよ。」


「心が?

そっか、この前も作って食べさせてくれたんだった。
いつの間に料理ができるようになったのよ。」


「とにかく、ゆっくりしてて。
ワタシがやるから。」


心は、先にベッドから出ると、洗面所に行き、歯磨き洗顔を行った。

そして、洗濯機を回している間に化粧をし、服を着替えた。

それらを手際よく済ませると、キッチンに立ち、朝食の準備を始めた。

一人暮らしをしていたとき…
それも女性として生きるようになってからは、ほぼルーティンとしてこのような生活を送っており、一切苦にする様子もなく、あくまでも自然な形で行われた。

後から起きてきた愛は、自分も何か手伝おうとしたが、入り込む余地はなく、心に言われて座って待つ事にした。


心は手際良く、何品か作り、愛の前に並べると、自分は食べずに、先に洗濯物を干しに行った。

非の打ち所がない完璧な動きに、愛はただ感心するだけで、ベランダで洗濯物をハンガーにかける心を見つめ流だけしか出来なかった。


洗濯物干しが終わった心に、愛は申し訳なさそうに

「ごめんね、心。
先に食べちゃってて…

心も早くご飯食べて。」

と、言った。


「うん。ありがとう。」


心は、サラダとパン、ヨーグルトをテーブルに運んできて、コーヒーを淹れた。


「いただきます。」

男時代に比べると、礼儀正しくなったというか、可愛げが出来たというか、内面の変貌ぶりにも驚く愛だった。


「心、私
もう少ししたらお母さんのところへ行くんだけど」


「あ、病院ね。」


「うん。
心は家でゆっくりしといてくれたらいいよ。」


「愛ちゃんが出かけるなら、ワタシも一緒に出るわ。

ちょっとハローワークに足を運んでみようかな。」


心がそう言うと、愛は首を横に振った。


「心、昨日は言いすぎてごめんね。
私、ホントにあなたとやり直したいって思ってるの。

だから、あまり無理しなくていいから。

ちょっとずつで…」


愛の言葉に、心は優しげな笑みを浮かべながら

「でも、仕事は早く見つけるにかぎるからね。」


と、言った。
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