夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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愛のために

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心は、美都子の世話を完璧にこなし、しばらく通うと、互いに遠慮することもなくなった。

頭を洗ってあげたり、下の世話も平然とやる心に、美都子は申し訳ないと思いつつも、段々と心を許し、実の娘のように思うようになりつつあったのだ。

週六日は心が世話をし、日曜日は愛が来るというパターンを取り、既に一ヶ月が過ぎた。


その日は日曜日で、朝から愛が病院を訪れていた。


「お母さん、どう?」


「愛…

こんなに早く来なくてもいいのに。」


「いいのよ。
心に任せっぱなしで楽させてもらってるから。」


「ホント、心さんには迷惑かけっぱなしで…
申し訳ない気持ちでいっぱいよ。」


「その事なんだけど、心も気にしててね。

お母さんが遠慮して、言いたいことも言えてないんじゃないかって。」


「そんなことないわよ。
もう愛と同じように、私が無理を言うのに、嫌な顔を一つせずに全部やってくれるのよ。」


「そうなんだ。
やるなあ、心」


「いや、申し訳ないわよ。
頭まで洗ってもらって…」


「心も嬉しいみたいよ。
そうやって頼られるのが。」


「そうなの?

だったらいいんだけど…」


「あ、そうだ

お母さんに報告があって。」


「どうしたの?」


「お仕事決まったのよ、私。」


「えっ、そうなの?」


「うん。

なんとか、決めれてよかったわ。」


「それはよかったわね。」


「だから、これからもお母さんのお世話は心がするから、よろしくね。」


「本当にそれでいいの?

心さん…」


「いいの。
心も希望している事だから。

今のあのビジュアルではなかなか仕事も見つけられないし、それだったら専業主夫っていうの?

そっちの方がいいみたいよ。

料理も私よりはるかに上手だし、洗濯やお掃除もめちゃくちゃ手際がいいの。」


「へえ…

アンタ、元々男っぽいところがあったし、働きに出られて、内心は喜んでんじゃないの?」


「えっ、なんでわかるの?」


「親子だよ、私達は。

アンタの性格なんて手に取るようにわかるわ。」


「そうなんだよねえ。

専業主婦なんて自分には全然向いていないと思いながら、惰性ですごしていたのよ。

心がニューハーフになっちゃったのはショックだったけど、そのおかげで外に出られる事になったし、全て前向きに考えてるの。」


「二人が決めた事だし、私は何も言うことはないわ。

それに、心さんとこの一ヶ月ですごーく仲良しになったのよ。

向こうは私に合わせてくれてるだけかもしれないけどね。」


美都子は楽しそうに笑って言った。
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