ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

文字の大きさ
56 / 409

隠匿

しおりを挟む
家に戻ってきて、服を脱ぎ捨て、化粧を落とす亮輔だったが、携帯が鳴ったために、ビクッとして思わず声を出した。 

電話の主が綾香だった。 

「もしもし、綾香!大丈夫だったの!?」 

亮輔は電話に出るなり、上擦った声で綾香に問いかけた。 

「うん。大丈夫よ。今東京駅…もうすぐ新幹線が出るわ。」 

「心配したわ…」 

「亮ちゃんがマンションのエントランスに出て行って、男達がそっちに気を取られてる間に、うまく逃げ出せたわ。」 

亮輔はホッとして言った。 

「よかった… 綾香、どうか無事でいてね… 幸せになるのよ…」 

綾香は少し涙声で返事をした。 

「ありがとう…亮ちゃん。 パパのことだから、また亮ちゃんを疑って色々聞いてくると思うけど… 
ホント迷惑かけてごめんなさい。」 

「いや、私の事は心配しないで。 
なんとかするから。 

それよりも今は自分の事だけを考えるのよ。」 

「うん。亮ちゃん、ホントにありがとう… 
今こんなこと言うのはなんだけど… 私が心から愛したのは亮ちゃんだけだったよ。 

じゃあ、行くね。」 

こうして、綾香はこの街から消えた。 

亮輔は切れた電話を額に押し当て、綾香の無事を祈った。 

だが、そんな余韻に浸る間も無く… 亮輔の携帯が再び鳴り出した。 

多村からだった。 

亮輔は異常な緊張感に包まれたが、それを感づかれないよう、敢えてゆっくり電話に出た。 

「はい、もしもし…」 

「おい!綾香がそっちに行ってないか!?」 

「いえ…来てないですけど… どうかされたんですか?」 

「アイツ、逃げやがったんだよ!」 

多村の凄まじい怒りが電話の向こうから、亮輔の耳にガンガン伝わってきた。 

「逃げたって… いなくなったんですか!?」 

「ああ。今さっきな… 

今度という今度は絶対に許さねえ。 

とにかく今からそっちに帰る。」 

それだけ言うと、電話が切れた。 

亮輔は背筋が凍るような思いで、その場に立ち尽くしていたが‥

「そうだ…」 

亮輔は、慌てて綾香に着せられていた黒のキャミソールを丸めて袋に入れ、外に捨てに行った。 
証拠になるようなものは全て処分しておかないと、後で大変な事になるからだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

BODY SWAP

廣瀬純七
大衆娯楽
ある日突然に体が入れ替わった純と拓也の話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

バーチャル女子高生

廣瀬純七
大衆娯楽
バーチャルの世界で女子高生になるサラリーマンの話

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...