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許嫁
「亮輔、俺はお前と正式に結婚する。いいな?」
「え?」
「綾香が逃げたから言ってるんじゃない。
俺はここのところ、ずっと考えていた。お前や綾香に対する俺の感情をな。」
多村は眉間にシワを寄せながらタバコを吸った。
「…」
「前にも言ったが、俺はお前のことが好きだ。
綾香のことも… もちろん愛していた。
だがな、最近は綾香よりも、お前のことの方が気になって仕方なかったんだ。」
「…」
「いつの間にか、俺の愛情は綾香よりも、お前の方に向いてきていたんだよ。」
「え…」
「本来だったら、綾香がいなくなって、俺は怒り狂って、自分で自分が制御出来なくなっていただろう。
しかし、今の俺は… そこまでの怒りには襲われていない。
何故なら、こうやってお前がそばにいてくれるからだ。」
「あなた…」
「お前が綾香とそっくりの顔をしているから好きになったんじゃない。
お前の人間性を愛しているんだよ。
結婚してくれるな?」
「でも、私はあなたを裏切って綾香を逃がす手伝いを…」
「それはそうだが、まあ許してやる。お前も綾香に協力することに相当悩んだみたいだからな。」
「知ってたんですか!?」
「当たり前だ。俺の性格をお前も知ってるだろ? この部屋には盗聴器を仕掛けてある。」
「盗聴器!?」
「ああ。 前日におまえ等が話し合ってた会話は全て聞かせてもらったよ。
聞いたのは綾香が逃げた後だがな。
事前に知っていれば、決して逃がしたりはせんよ。」
「…」
「そんなことはどうでもいい。お前の答えを聞かせてくれ。」
「嬉しいです… 私は影武者でもいいと思ってましたが、いつの日か、あなたを独占したいという感情に包まれるようになっていました。
こんな形でも、夢が叶って… すごく嬉しいです!」
亮輔は恐怖から芽生えた感情なのか、本心なのか、自分でもわからなかったが、今の素直な気持ちを多村に伝えた。
「そうか。お前がそう言ってくれて俺も嬉しいぞ。
では、当初の予定通り式の準備を進める。
後の事は俺に従っておけばいい。」
「はい。お願いします。」
亮輔は多村に頭を下げた。
「え?」
「綾香が逃げたから言ってるんじゃない。
俺はここのところ、ずっと考えていた。お前や綾香に対する俺の感情をな。」
多村は眉間にシワを寄せながらタバコを吸った。
「…」
「前にも言ったが、俺はお前のことが好きだ。
綾香のことも… もちろん愛していた。
だがな、最近は綾香よりも、お前のことの方が気になって仕方なかったんだ。」
「…」
「いつの間にか、俺の愛情は綾香よりも、お前の方に向いてきていたんだよ。」
「え…」
「本来だったら、綾香がいなくなって、俺は怒り狂って、自分で自分が制御出来なくなっていただろう。
しかし、今の俺は… そこまでの怒りには襲われていない。
何故なら、こうやってお前がそばにいてくれるからだ。」
「あなた…」
「お前が綾香とそっくりの顔をしているから好きになったんじゃない。
お前の人間性を愛しているんだよ。
結婚してくれるな?」
「でも、私はあなたを裏切って綾香を逃がす手伝いを…」
「それはそうだが、まあ許してやる。お前も綾香に協力することに相当悩んだみたいだからな。」
「知ってたんですか!?」
「当たり前だ。俺の性格をお前も知ってるだろ? この部屋には盗聴器を仕掛けてある。」
「盗聴器!?」
「ああ。 前日におまえ等が話し合ってた会話は全て聞かせてもらったよ。
聞いたのは綾香が逃げた後だがな。
事前に知っていれば、決して逃がしたりはせんよ。」
「…」
「そんなことはどうでもいい。お前の答えを聞かせてくれ。」
「嬉しいです… 私は影武者でもいいと思ってましたが、いつの日か、あなたを独占したいという感情に包まれるようになっていました。
こんな形でも、夢が叶って… すごく嬉しいです!」
亮輔は恐怖から芽生えた感情なのか、本心なのか、自分でもわからなかったが、今の素直な気持ちを多村に伝えた。
「そうか。お前がそう言ってくれて俺も嬉しいぞ。
では、当初の予定通り式の準備を進める。
後の事は俺に従っておけばいい。」
「はい。お願いします。」
亮輔は多村に頭を下げた。
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