76 / 409
策謀
「今日はご苦労だったな
亮輔。」
「うん。勝手にすねたりしてごめん… なんだか疲れちゃったね。」
家に帰ってきた二人はお互いの労をねぎらい、熱い口づけを交わした。
「すまんなあ
新婚旅行にも行けなくて。だが、近いうちに必ず連れて行くから、期待しておいてくれよ。」
「いえ。あなたも今仕事が一番忙しいときでしょ? そんなワガママ言えないわ。」
「まあ、今海外に行くのはかなり面倒だしな。」
「面倒?」
「お前のパスポートの問題だよ。
性転換して女になってるにもかかわらず、松山亮輔の名前で男で、さらに顔の整形までしている。どこに行こうが、入国審査で必ず引っかかるよ。」
多村の言うことはもっともな事で、亮輔もわざわざ海外に出かけて、さらし者になるのはまっぴらごめんだった。
「あなた…私はいつ女性になれるの?」
亮輔は甘えた声で多村に抱きついて言った。
「心配するなと言ってあるだろ? 俺が前に言ってた綾香の戸籍の件だが 、アイツには身内がいなくてな… こっちとしても仕事がしやすいよ。」
「でも、そんなことしても… 絶対バレちゃうよ。」
「安心しろ。全てが順調だ。並行して松山亮輔の戸籍の性別変更も進めていけばいいんだ。」
「えっ? 本当なの?
私みたいに、病院で性同一性障害の診断を正式に受けてない人間は難しいって…」
「バカ、そんなもん、他人の戸籍をパクるよりはるかに簡単だ。病院や医師の買収なんてのは俺達の得意技だろうが。」
「じゃあ… 綾香の戸籍なんて必要ないんじゃ…」
亮輔が不思議そうに尋ねると、多村の目つきが鋭くなった。
「何回も言わせるな!
俺は綾香を絶対に許さねえ。戸籍の件は俺からの制裁の一つだよ。
殺しはしねえが、まともな人生は送れねえようにしてやるよ。
まあ見てろ。」
これ以上話を続けると、多村がキレてしまいそうだったので、亮輔は話題を変えた。
「あなた… 私も仕事手伝ってもいいんでしょ?」
「ああ。もちろんだ。それは約束していたことだからな。お前さえ良ければ、明日からでも構わんぞ。」
「ありがとう。」
亮輔はまた多村に抱きついた
亮輔。」
「うん。勝手にすねたりしてごめん… なんだか疲れちゃったね。」
家に帰ってきた二人はお互いの労をねぎらい、熱い口づけを交わした。
「すまんなあ
新婚旅行にも行けなくて。だが、近いうちに必ず連れて行くから、期待しておいてくれよ。」
「いえ。あなたも今仕事が一番忙しいときでしょ? そんなワガママ言えないわ。」
「まあ、今海外に行くのはかなり面倒だしな。」
「面倒?」
「お前のパスポートの問題だよ。
性転換して女になってるにもかかわらず、松山亮輔の名前で男で、さらに顔の整形までしている。どこに行こうが、入国審査で必ず引っかかるよ。」
多村の言うことはもっともな事で、亮輔もわざわざ海外に出かけて、さらし者になるのはまっぴらごめんだった。
「あなた…私はいつ女性になれるの?」
亮輔は甘えた声で多村に抱きついて言った。
「心配するなと言ってあるだろ? 俺が前に言ってた綾香の戸籍の件だが 、アイツには身内がいなくてな… こっちとしても仕事がしやすいよ。」
「でも、そんなことしても… 絶対バレちゃうよ。」
「安心しろ。全てが順調だ。並行して松山亮輔の戸籍の性別変更も進めていけばいいんだ。」
「えっ? 本当なの?
私みたいに、病院で性同一性障害の診断を正式に受けてない人間は難しいって…」
「バカ、そんなもん、他人の戸籍をパクるよりはるかに簡単だ。病院や医師の買収なんてのは俺達の得意技だろうが。」
「じゃあ… 綾香の戸籍なんて必要ないんじゃ…」
亮輔が不思議そうに尋ねると、多村の目つきが鋭くなった。
「何回も言わせるな!
俺は綾香を絶対に許さねえ。戸籍の件は俺からの制裁の一つだよ。
殺しはしねえが、まともな人生は送れねえようにしてやるよ。
まあ見てろ。」
これ以上話を続けると、多村がキレてしまいそうだったので、亮輔は話題を変えた。
「あなた… 私も仕事手伝ってもいいんでしょ?」
「ああ。もちろんだ。それは約束していたことだからな。お前さえ良ければ、明日からでも構わんぞ。」
「ありがとう。」
亮輔はまた多村に抱きついた
あなたにおすすめの小説
世界の終わりにキミと
フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。
そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。
しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…