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最終決戦篇
虚無感
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「すまんな薫。
忙しいのに来てもろて。」
「いえ、姐さん
どうされたんですか?」
小百合の家を訪れた薫は、仏壇に手を合わせた後、話があると言われ、そのまま残っていた。
小百合はコーヒーを出すと、さっそく話を始めた。
「薫、アンタ
最近派手にやってるそうやないの。」
「いえ。
ワタシは、沢木組に復帰し、シマを荒らす連中を排除してるだけです。」
「せやけどな、そんな事ばかりしてたら、いつか命を落とすかもしれへん。」
「覚悟の上です。」
「旦那さんが死んで、自暴自棄になってんのとちゃうやろな?」
「そんな事は…」
「ウチもな、あの人が殺されてしもてから、もう十何年も経ってしもて、気が付いたら五十も手前になろうとしてる。
ウチの人生は、もう何もないけど、アンタは違う。
これから長い人生を生きていかなあかんし、ちゃんと幸せにならなあかんのや。
それが亡くなった旦那さんのためやねんで。
わかってるか?」
「それは…」
「残りの人生は、もうアンタだけのもんやない。
亡くなった旦那さんのものでもあるんや。
それを、よう肝に銘じとき。」
「でも、ワタシは…」
「アンタが寂しさをまぎらわせようとするんは、ようわかる。
ウチらニューハーフは家族とも疎遠になりがちやし、子供が産めるわけでもあらへんから、いつまで経っても孤独なもんや。
ワタシもな、強がってはいるけど、ずっと一人でここにおったら、胸が苦しくなって、生きていくんがイヤになるときもあるんやで。」
「姐さん…」
「ごめんな。
こんな事アンタに言うつもりもなかったんやけど…
これもニューハーフの弱いとこっていうんかな、鬱になってしまうっていうのも…」
小百合は、涙をポロポロ流しながら、なんとか最後まで話し終えた。
「姐さん…ワタシがいます。
姐さんの…側にワタシがずっと…付いていますから、そんな事…言わないで下さい…ウゥッ…」
薫も嗚咽し、小百合の手を取って言った。
「薫
アンタと初めて会うたときな、こんな風に思たんよ。
なんて、美しい顔の子なんやろうって。
ワタシは、一目惚れしてしもたんや。
それ以来、ワタシはアンタのことを妹のように思てきた。
だから、アンタには死んでほしないんよ。
アンタにまで逝かれたら、ワタシが生きていく目的が、ホンマになくなってしまう。」
「姐さん、ワタシ…」
薫は小百合に抱きつき、子供のように泣きじゃくった。
忙しいのに来てもろて。」
「いえ、姐さん
どうされたんですか?」
小百合の家を訪れた薫は、仏壇に手を合わせた後、話があると言われ、そのまま残っていた。
小百合はコーヒーを出すと、さっそく話を始めた。
「薫、アンタ
最近派手にやってるそうやないの。」
「いえ。
ワタシは、沢木組に復帰し、シマを荒らす連中を排除してるだけです。」
「せやけどな、そんな事ばかりしてたら、いつか命を落とすかもしれへん。」
「覚悟の上です。」
「旦那さんが死んで、自暴自棄になってんのとちゃうやろな?」
「そんな事は…」
「ウチもな、あの人が殺されてしもてから、もう十何年も経ってしもて、気が付いたら五十も手前になろうとしてる。
ウチの人生は、もう何もないけど、アンタは違う。
これから長い人生を生きていかなあかんし、ちゃんと幸せにならなあかんのや。
それが亡くなった旦那さんのためやねんで。
わかってるか?」
「それは…」
「残りの人生は、もうアンタだけのもんやない。
亡くなった旦那さんのものでもあるんや。
それを、よう肝に銘じとき。」
「でも、ワタシは…」
「アンタが寂しさをまぎらわせようとするんは、ようわかる。
ウチらニューハーフは家族とも疎遠になりがちやし、子供が産めるわけでもあらへんから、いつまで経っても孤独なもんや。
ワタシもな、強がってはいるけど、ずっと一人でここにおったら、胸が苦しくなって、生きていくんがイヤになるときもあるんやで。」
「姐さん…」
「ごめんな。
こんな事アンタに言うつもりもなかったんやけど…
これもニューハーフの弱いとこっていうんかな、鬱になってしまうっていうのも…」
小百合は、涙をポロポロ流しながら、なんとか最後まで話し終えた。
「姐さん…ワタシがいます。
姐さんの…側にワタシがずっと…付いていますから、そんな事…言わないで下さい…ウゥッ…」
薫も嗚咽し、小百合の手を取って言った。
「薫
アンタと初めて会うたときな、こんな風に思たんよ。
なんて、美しい顔の子なんやろうって。
ワタシは、一目惚れしてしもたんや。
それ以来、ワタシはアンタのことを妹のように思てきた。
だから、アンタには死んでほしないんよ。
アンタにまで逝かれたら、ワタシが生きていく目的が、ホンマになくなってしまう。」
「姐さん、ワタシ…」
薫は小百合に抱きつき、子供のように泣きじゃくった。
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