ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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最終決戦篇

尾張の虎

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ホテルの玄関にハイヤーが到着し、未来達一行が降り立った。


「鷹村さん」


「どうしましたか?八代目」


「このご時世に、このような立派なホテルで還暦のお祝いが出来るなんて、スゴイわね。」


「そうですね。
よく貸してくれたもんです。」


鷹村がそう答えると、横で話を聞いていた熱田会の志方が

「こことは古い付き合いでしてねえ、中日ドラゴンズと共に会合では必ずここを使わせてもらってるんですよ。」

と、話した。

「そうなんですね。
ありがたい事です。」


「八代目、ウチのオヤジが待っておりますんで、どうぞコチラへ。」


「ええ。
吉野さんのお顔を早くみたいです。」


「いやいや、本来なら名古屋駅までお迎えに上がらないといけないところを、本人も八代目に申し訳ないと申してましてね。」


「いえ。足がお悪いんですもの。
そんな事に無理してはいけません。」


「足もそうですが、最近は腰が悪くなっておりまして、車椅子での生活を余儀なくされております。」

志方は、未来にそんな話をしながら、部屋のドアを開けた。


「オヤジ、垂水の八代目、岡田未来さんが来られました。」

と、奥に向かって声をかけ、未来を中に入れた。

部屋の奥に、妻と二人でソファーに腰掛ける吉野の姿があり、吉野は、未来を見るなり、妻に支えられながら、杖をついて何とか立ち上がった。

「おおっ、八代目…

こんなところまで、わざわざ…」


未来は駆け寄って、吉野の体を支えるようにして手を体に添え

「吉野会長

この度は、おめでとうございます。
ご無理をなさらないで下さい。」


と言い、ゆっくりと座らせた。


「還暦と言っても、まだまだ一線でやるつもりでしたが、ここまで体が悪くなるとは思ってもみませんでした。
情けないかぎりです。」


「そんな事をおっしゃらないで下さい。
吉野会長にはまだまだ元気でいてもらわないと、ワタシも困ってしまいます。

ただでさえ、この名古屋は立正会系の勢力が強く、熱田会と金山組に頑張ってもらわないと、ワタシ達の未来はありません。」


「ええ。
その辺の事は重々承知しております。

この老耄の命に代えても、この地を守ってみせます。

八代目がわざわざこんなところまで来た理由は、私にその事を確認するためでしょう?」


「さすが、尾張の虎と呼ばれた方ですね。
どうかよろしくお願いします。」


未来は深々と頭を下げた。

吉野は、凛とした未来のあまりの美しさに、言葉が続かなかった。
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