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最終決戦篇
別離
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未来は、優磨が死んでから初めて、実家に戻って来た。
未来がさぞかし落ち込んでいるであろうと、両親は、かける言葉が見つからず、ただ、優しく微笑むだけであった。
しかし、未来が気丈に振る舞ったため、ようやく会話が出来るようになってきた。
「未来、元気にやってたのか」
父は、そんな未来にありきたりな事を言った。
「さすがに元気はないけど…
いつまでも塞ぎ込んでても仕方ないからね。」
「ねえ、未来
だったら、休学してた大学に復学したら?」
まさか、未来がヤクザと結婚しようとしていたとは、式に臨むまで両親とも夢にも思っていなかった。
そんななかった、あの惨劇を体験して生き残り、そこで初めて未来の夫がヤクザである事を知ったのだった。
ただ、その事については、未来を咎める事はしなかった。
相手が誰であろうと、もうこの世にはいないのだ。
もう、責めるわけにはいかない。
「なあ、未来
別に大学は辞めてもいいんだぞ。」
「えっ、でも…お父さん
大学だけはちゃんと卒業しろって…」
「ああ。
あの時はな、そう思ってたが。
今は、考えが変わったよ。
こっちに帰って来てもいいんじゃないか?」
「でも…」
「お前さえやる気があるんだったら、いくつか仕事を紹介してやれるし
もし、アレだ…
お前がニューハーフの店とかで働きたいなら、諏訪とか西浦で探してもいいんだぞ。」
「…」
「そうよ、未来。
あんな事があって、お父さんも私も、あんたの事がすごく心配なのよ。
だから、正直な気持ちを言えば、もう大阪にはいてほしくないの。」
「お母さん…
ワタシも色々考えたんだけど、もう少し向こうで頑張ってみるよ。
やり残した事もあるしね。」
「やり残した事?」
「うん。
ワタシの心の中で消化出来てないのよ。
色んな事が…
それができないと、次に進めないと思うし…」
「未来…
だったら、くれぐれも無事にすごすのよ。
未来に何かあったら、私もお父さんも生きていけないんだから。」
「ごめんね、お母さん
お父さん
ニューハーフになんかなって二人を失望させたワタシを、そんな風に言ってくれて。
ワタシの心が納得できたら、そのときは必ずここに帰ってくるよ。
だから、少しの間、ワタシのわがままを許して。」
「わかった。
俺にとってはお前は依然として息子だ。
もちろん、女として生きる事は認めたが、小さい時から男同士ですごした日々を忘れる事はない。
そんなお前も二十歳を過ぎ、こうして一人前の大人になったんだ。
お前の生き方に俺達がとやかく言うわけにはいかない。
自分で納得出来るまで頑張ってこい。」
父は力強く、そして優しい口調で未来に言った。
未来は、涙を流し、両親に深々と頭を下げた。
未来がさぞかし落ち込んでいるであろうと、両親は、かける言葉が見つからず、ただ、優しく微笑むだけであった。
しかし、未来が気丈に振る舞ったため、ようやく会話が出来るようになってきた。
「未来、元気にやってたのか」
父は、そんな未来にありきたりな事を言った。
「さすがに元気はないけど…
いつまでも塞ぎ込んでても仕方ないからね。」
「ねえ、未来
だったら、休学してた大学に復学したら?」
まさか、未来がヤクザと結婚しようとしていたとは、式に臨むまで両親とも夢にも思っていなかった。
そんななかった、あの惨劇を体験して生き残り、そこで初めて未来の夫がヤクザである事を知ったのだった。
ただ、その事については、未来を咎める事はしなかった。
相手が誰であろうと、もうこの世にはいないのだ。
もう、責めるわけにはいかない。
「なあ、未来
別に大学は辞めてもいいんだぞ。」
「えっ、でも…お父さん
大学だけはちゃんと卒業しろって…」
「ああ。
あの時はな、そう思ってたが。
今は、考えが変わったよ。
こっちに帰って来てもいいんじゃないか?」
「でも…」
「お前さえやる気があるんだったら、いくつか仕事を紹介してやれるし
もし、アレだ…
お前がニューハーフの店とかで働きたいなら、諏訪とか西浦で探してもいいんだぞ。」
「…」
「そうよ、未来。
あんな事があって、お父さんも私も、あんたの事がすごく心配なのよ。
だから、正直な気持ちを言えば、もう大阪にはいてほしくないの。」
「お母さん…
ワタシも色々考えたんだけど、もう少し向こうで頑張ってみるよ。
やり残した事もあるしね。」
「やり残した事?」
「うん。
ワタシの心の中で消化出来てないのよ。
色んな事が…
それができないと、次に進めないと思うし…」
「未来…
だったら、くれぐれも無事にすごすのよ。
未来に何かあったら、私もお父さんも生きていけないんだから。」
「ごめんね、お母さん
お父さん
ニューハーフになんかなって二人を失望させたワタシを、そんな風に言ってくれて。
ワタシの心が納得できたら、そのときは必ずここに帰ってくるよ。
だから、少しの間、ワタシのわがままを許して。」
「わかった。
俺にとってはお前は依然として息子だ。
もちろん、女として生きる事は認めたが、小さい時から男同士ですごした日々を忘れる事はない。
そんなお前も二十歳を過ぎ、こうして一人前の大人になったんだ。
お前の生き方に俺達がとやかく言うわけにはいかない。
自分で納得出来るまで頑張ってこい。」
父は力強く、そして優しい口調で未来に言った。
未来は、涙を流し、両親に深々と頭を下げた。
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