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糸
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「あーあ、羨ましいなあ」
黒田は智を娶った和俊に嫉妬の目を向けていると
「あ、吉岡」
山村が、携帯を見つめながら智に向かって声をかけてきた。
「ん、どうしたの?」
「あの、俺さあ、結婚したんだよ
一昨年」
「えっ、ホント?
何で連絡くれなかったのよ」
「したよ。
でも、何の返信もなかったじゃねえかよ」
「あ、ごめん
ワタシが闇堕ちしてるときだったわ」
ここで、村瀬が口を挟んできた。
「なあ、吉岡。
コイツの嫁って誰だかわかる?」
「えっ、ワタシの知ってる人?」
「真木だよ
真木悠花」
「ウソ!
えーっ、アンタらそういう仲だったの!」
真木悠花は、中学のときのクラスメイトで、智とは一年と三年で同じクラスだった。
中学生のわりに大人びていて、可愛いというよりも綺麗という感じの女子だった。
「いや、学生のときは何もなかったんだけど、三年前に偶然再会してよ。」
「へえ、おめでとう。」
「あ、うん。
で、さっき嫁にメールしたんだよ。
吉岡が来てるって」
「えーっ」
「そしたら、今から来るって。」
「マジか!」
「吉岡がニューハーフになったってアイツには言ってないから」
山村は智を見てニヤリと笑って言った。
「あの、山村
俺もいるんだけど‥」
和俊が寂しげに言うと、山村はハッとした顔になり
「あ、後藤もいるって言うの忘れた。」
「いや、俺、存在感なかったし‥」
そのやり取りを聞いていた村瀬が、何かを思い出し、割り込んできた。
「あ、思い出したぞ!
後藤のあだ名
なんだったか、ずーっと考えてたんだけど」
「何?」
「2位じゃだめなんですか?
って呼ばれてた」
「あ、そうそう!
蓮舫だ!蓮舫」
「まあ、俺の存在価値は、トモと一緒のクラスになった瞬間に、何も無くなったんだ。
仕方ない。」
和俊は自嘲気味に言ってビールを飲んだ。
暫くすると、山村が携帯を取り出し
「着いたみたいだ。
ちょっと迎えに行ってくる」
と、言って席を立ち、店を出ていった。
黒田は智を娶った和俊に嫉妬の目を向けていると
「あ、吉岡」
山村が、携帯を見つめながら智に向かって声をかけてきた。
「ん、どうしたの?」
「あの、俺さあ、結婚したんだよ
一昨年」
「えっ、ホント?
何で連絡くれなかったのよ」
「したよ。
でも、何の返信もなかったじゃねえかよ」
「あ、ごめん
ワタシが闇堕ちしてるときだったわ」
ここで、村瀬が口を挟んできた。
「なあ、吉岡。
コイツの嫁って誰だかわかる?」
「えっ、ワタシの知ってる人?」
「真木だよ
真木悠花」
「ウソ!
えーっ、アンタらそういう仲だったの!」
真木悠花は、中学のときのクラスメイトで、智とは一年と三年で同じクラスだった。
中学生のわりに大人びていて、可愛いというよりも綺麗という感じの女子だった。
「いや、学生のときは何もなかったんだけど、三年前に偶然再会してよ。」
「へえ、おめでとう。」
「あ、うん。
で、さっき嫁にメールしたんだよ。
吉岡が来てるって」
「えーっ」
「そしたら、今から来るって。」
「マジか!」
「吉岡がニューハーフになったってアイツには言ってないから」
山村は智を見てニヤリと笑って言った。
「あの、山村
俺もいるんだけど‥」
和俊が寂しげに言うと、山村はハッとした顔になり
「あ、後藤もいるって言うの忘れた。」
「いや、俺、存在感なかったし‥」
そのやり取りを聞いていた村瀬が、何かを思い出し、割り込んできた。
「あ、思い出したぞ!
後藤のあだ名
なんだったか、ずーっと考えてたんだけど」
「何?」
「2位じゃだめなんですか?
って呼ばれてた」
「あ、そうそう!
蓮舫だ!蓮舫」
「まあ、俺の存在価値は、トモと一緒のクラスになった瞬間に、何も無くなったんだ。
仕方ない。」
和俊は自嘲気味に言ってビールを飲んだ。
暫くすると、山村が携帯を取り出し
「着いたみたいだ。
ちょっと迎えに行ってくる」
と、言って席を立ち、店を出ていった。
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