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先輩レスラーの意地
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「気が付いたか?」
山本の声に、美月はハッとして起き上がったが、頭と首に痛みが走り、顔を顰めた。
「大丈夫、美月」
山本の隣にはミサトもおり、自分を心配そうに見つめているが、ミサトも目と口元が内出血をし、大きく腫れ上がっていた。
「ワタシ…」
記憶がない美月は、思わず天を仰いだが、山本が
「玉砕したんだよ。
まあ、いいところもあったんだけどなあ。」
と、言って笑った。
そうか…
自分は負けてしまったのか…
美月は、辛い気持ちに襲われたが、同時にタッグマッチで、またミサトに迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思い
「ミサト、ごめんなさい
また足を引っ張っちゃって…」
と、深々と頭を下げ、項垂れてしまった。
「大丈夫。
ワタシもボコられたもん。
この顔見てよ。」
ミサトは、美月の手を握り、優しげな言葉で慰めた。
「やはり、まだまだ精進が必要だな。」
「はい。
コーチ
ワタシら、全然ダメでした。
自分ではいいところまで行ってると、勝手に勘違いして、調子に乗っていました。」
「美月
そうは言うが、要所要所ではいい動きしてたぞ。
まあ、メイン張らせるには、少し早かいがな。
なあ、如恵留、理亜夢」
山本は、少し離れたところで並んで座る滝澤兄弟に声をかけた。
二人共、首からタオルをかけ、肩で息をしていたが、二人揃って顔を上げると、小さく頷き、また顔を下に向けた。
山本の声に、美月はハッとして起き上がったが、頭と首に痛みが走り、顔を顰めた。
「大丈夫、美月」
山本の隣にはミサトもおり、自分を心配そうに見つめているが、ミサトも目と口元が内出血をし、大きく腫れ上がっていた。
「ワタシ…」
記憶がない美月は、思わず天を仰いだが、山本が
「玉砕したんだよ。
まあ、いいところもあったんだけどなあ。」
と、言って笑った。
そうか…
自分は負けてしまったのか…
美月は、辛い気持ちに襲われたが、同時にタッグマッチで、またミサトに迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思い
「ミサト、ごめんなさい
また足を引っ張っちゃって…」
と、深々と頭を下げ、項垂れてしまった。
「大丈夫。
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「やはり、まだまだ精進が必要だな。」
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