N -Revolution

フロイライン

文字の大きさ
2 / 190

提案

しおりを挟む
「さっき、新東京プロレスでテストを受けてらっしゃるのをお見かけしまして」


女性は、珀を見つめながら言った。


「あの、それが何か…」


「ワタシ、小さなプロレス団体を経営しておりまして。

もし、よければ少しお話を聞いていただきたいと…」


「えっ、そうなんですか…」


「大変失礼とは思いながら、磯崎さんとのやり取りを聞いていて…

あちらについては残念でしたが、ウチの団体は身長体重に対するレギュレーションも存在しませんし、あなたより小さなレスラーも何人もいます。」


「そうなんですか…」


プロレス団体で、女性の社長がいないでもなかったが、多分目の前にいるこの女性はらメジャー系ではなくインディーズ系の団体であることは珀にもすぐにわかった。

しかし、もうインディーズ系の団体しか受け皿はないと考えていた珀は、渡りに船とまでは言えなかったが、話くらい聞いても損ではないだろうと思った。

珀は、女性に話を聞く事を了承した。


「立ち話もアレなので、そこのお店にでも…」


女性は、駅前の喫茶店を指差して言った。



たまたまなのか、いつもなのか
店内に客は一人もおらず、二人は店の奥にある四人掛けの席に向かい合って座った。

コーヒーを二つ頼むと、女性は、早速自己紹介をした。

「ワタシ、友谷久美子と申します。」

と、言って名刺を差し出した。

珀は、ペコリと頭を下げ、その名刺を受け取った。

久美子が手渡した名刺には、「NPW株式会社
代表取締役社長 友谷久美子」と書かれていた。


「NPWなんて団体、聞いた事ないですよね?」

珀が名刺を見てピンと来ないの様子に、久美子は笑って言った。


「あ、すいません。
知識不足で。」


「いいのよ。当たり前のことだから」


「すいません…

あ、自分は、桐生珀と申します。」


「へえ、ハクっていう名前なんだ。
どんな字書くの?」


「琥珀のハクです。
王に白で」


「あー、なるほど。
いいお名前ね」


「いえ、そんな事は…」


「珀クン

本題に戻すんだけど、ウチの団体の事を簡単に説明させていただいてもいい?」


「あ、はい。」


久美子は微笑み、そして運ばれてきたコーヒーを一口飲むと、少し間を置いてから話し始めた。

「ウチはNPWという団体で、レスラーは現在練習生を含めて十名が所属しています。

主にサーベラスの前座で試合を組ませてもらっている事が多いんです。」

「サーベラスって…

女子プロですか?」

珀が不思議そうな顔をして質問すると、久美子は深く頷いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

坊主女子:スポーツ女子短編集[短編集]

S.H.L
青春
野球部以外の部活の女の子が坊主にする話をまとめました

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

秘密のキス

廣瀬純七
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...