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本気度
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「ここなのよ。」
タクシーを降りると、久美子は前方の建物を指差して言った。
「えっ、すごく立派ですね」
珀は、驚きの声を上げた。
NPWの道場は、さっき不合格にされた新東京プロレスと比べても、決して遜色がなかった。
「実はね、ここは以前JPWが使っていたものなの。
解散して空き家になってたのを、ワタシが買い取り、道場兼事務所として使っているの。」
「こんなにスゴイとは思いませんでした。」
「そんな事より中を見ていって。
もうみんな揃ってる筈だから」
久美子は珀の手を引いて道場の中に入っていった。
中に入ると、やはり新東京プロレスにも勝るとも劣らない設備が揃っており、中央のリングでは二名のレスラーが試合形式のスパーリングを行っていた。
激しいプロのぶつかり合いを目の当たりにして驚く珀だったが、それよりも、リング上で組み合っているレスラーが女子そのものであった事が、何よりも驚いた点だった。
二人共、髪も肩まであり、顔も可愛い。
(これがニューハーフプロレス…)
珀は、自分が思っていたものとの違いに、大いに動揺した。
「皆さん、おはようございます。」
久美子が大きな声で挨拶をすると、皆が一斉に動きを止めて、頭を下げた。
「おはようございます。社長
どうしたんですか?今日は」
リングでスパーリングをしていた二人のうちの一人が、久美子に質問をした。
「おはよう、ミカちゃん。
さっきね、新東京プロレスにお邪魔してた時に、たまたまお会いしてね。
ウチの道場を見てもらおうと、わざわざ来てもらったの。
紹介するわ。
桐生珀クン。」
「桐生と申します。
よろしくお願いします。」
珀は、慌てて深々と頭を下げた。
ミカはロープに腕をかけ、少し身を乗り出すようにして珀の方を見つめていたが
「よろしくね。
ワタシは佐倉ミカ
ここでレスラーとして活動しています。」
と、笑みを浮かべながら自己紹介をした。
「社長、桐生さんは、ウチらと同じ?」
ミカは、視線を珀から切り、久美子の方に向けた。
「それは、わからないけど、プロレスに対してはすごく真摯に向き合っている方よ。」
「へえ。
でも、可愛い顔してるから、ウチに入ってくれたら人気出るの間違いないんじゃない?
ねえ、サオリ」
ミカは、リング内にいた日野サオリに言った。
「はい。
自分もそう思います。
ベビーフェイスでやれるんじゃないですか」
サオリも珀を見つめながら言ったが、当の珀は、居心地の悪さを感じながら視線を逸らしたのだった。
タクシーを降りると、久美子は前方の建物を指差して言った。
「えっ、すごく立派ですね」
珀は、驚きの声を上げた。
NPWの道場は、さっき不合格にされた新東京プロレスと比べても、決して遜色がなかった。
「実はね、ここは以前JPWが使っていたものなの。
解散して空き家になってたのを、ワタシが買い取り、道場兼事務所として使っているの。」
「こんなにスゴイとは思いませんでした。」
「そんな事より中を見ていって。
もうみんな揃ってる筈だから」
久美子は珀の手を引いて道場の中に入っていった。
中に入ると、やはり新東京プロレスにも勝るとも劣らない設備が揃っており、中央のリングでは二名のレスラーが試合形式のスパーリングを行っていた。
激しいプロのぶつかり合いを目の当たりにして驚く珀だったが、それよりも、リング上で組み合っているレスラーが女子そのものであった事が、何よりも驚いた点だった。
二人共、髪も肩まであり、顔も可愛い。
(これがニューハーフプロレス…)
珀は、自分が思っていたものとの違いに、大いに動揺した。
「皆さん、おはようございます。」
久美子が大きな声で挨拶をすると、皆が一斉に動きを止めて、頭を下げた。
「おはようございます。社長
どうしたんですか?今日は」
リングでスパーリングをしていた二人のうちの一人が、久美子に質問をした。
「おはよう、ミカちゃん。
さっきね、新東京プロレスにお邪魔してた時に、たまたまお会いしてね。
ウチの道場を見てもらおうと、わざわざ来てもらったの。
紹介するわ。
桐生珀クン。」
「桐生と申します。
よろしくお願いします。」
珀は、慌てて深々と頭を下げた。
ミカはロープに腕をかけ、少し身を乗り出すようにして珀の方を見つめていたが
「よろしくね。
ワタシは佐倉ミカ
ここでレスラーとして活動しています。」
と、笑みを浮かべながら自己紹介をした。
「社長、桐生さんは、ウチらと同じ?」
ミカは、視線を珀から切り、久美子の方に向けた。
「それは、わからないけど、プロレスに対してはすごく真摯に向き合っている方よ。」
「へえ。
でも、可愛い顔してるから、ウチに入ってくれたら人気出るの間違いないんじゃない?
ねえ、サオリ」
ミカは、リング内にいた日野サオリに言った。
「はい。
自分もそう思います。
ベビーフェイスでやれるんじゃないですか」
サオリも珀を見つめながら言ったが、当の珀は、居心地の悪さを感じながら視線を逸らしたのだった。
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