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誇りと信頼
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「美郷…
間違ってたらすまない。」
「えっ…」
その場からすぐにでも立ち去りたい衝動に駆られていたミサトに、亘は敢えて落ち着いた口調で話しかけた。
「美郷
ひょっとして、お前の心は女子なんじゃないのか…」
「…」
いきなりの核心を突く亘の発言に、ミサトはびっくりして一切のリアクションが取れなくなってしまった。
「お前と一緒に住むようになってから、何となくそうなんじゃないかって思ってたんだ。
それが、今のお前のリアクションで間違いないって確信してしまった。」
ミサトは、亘の言葉を聞き、思わず、父の目を見た。
だが、ひた隠しにしてきた秘密がバレたにもかかわらず、亘の自分への眼差しは、驚くほど優しいものだった。
ミサトは、亘と血が繋がらない父子関係だからこそ、あまりシリアスにならずに済んだのではないかと、自分なりに分析した。
母が不在のこの状況下で、自分の事を我が子のように可愛がってくれるが、血が繋がらない亘と、二人だけの空間…
今ならカミングアウトできる
ミサトは、自分にそう言い聞かせると、カミングアウトする覚悟を決めたのだった。
「お父さん…
ごめんなさい…」
「どうした?
何も謝る事はないよ。
俺でよければ話くらいは聞かせてもらうぞ。」
「うん…
言われた通り…
小さい時から自分の性別っていうものに違和感があって…」
「そうか…」
「体は男なのに、気持ちは女子だった…
でも、やっぱりそれはおかしな事だと思ったから…
誰にも言えず、今まで…」
ミサトがそこまで語ると、亘は、ミサトの肩に手を置いた。
「もう言わなくていいよ。
苦しかったな。
よく一人で耐えてきた」
という言葉を投げかけた。
ミサトの胸に、亘の言葉は言葉では言い表せないほど沁み、もうそこからは我慢できなかった。
ミサトは、肩を震わせて泣き出し、亘は慈しみの表情で頭を撫でた。
ミサトは、この理解ある父に大いに感謝すると共に、心が解放されたような気がした。
間違ってたらすまない。」
「えっ…」
その場からすぐにでも立ち去りたい衝動に駆られていたミサトに、亘は敢えて落ち着いた口調で話しかけた。
「美郷
ひょっとして、お前の心は女子なんじゃないのか…」
「…」
いきなりの核心を突く亘の発言に、ミサトはびっくりして一切のリアクションが取れなくなってしまった。
「お前と一緒に住むようになってから、何となくそうなんじゃないかって思ってたんだ。
それが、今のお前のリアクションで間違いないって確信してしまった。」
ミサトは、亘の言葉を聞き、思わず、父の目を見た。
だが、ひた隠しにしてきた秘密がバレたにもかかわらず、亘の自分への眼差しは、驚くほど優しいものだった。
ミサトは、亘と血が繋がらない父子関係だからこそ、あまりシリアスにならずに済んだのではないかと、自分なりに分析した。
母が不在のこの状況下で、自分の事を我が子のように可愛がってくれるが、血が繋がらない亘と、二人だけの空間…
今ならカミングアウトできる
ミサトは、自分にそう言い聞かせると、カミングアウトする覚悟を決めたのだった。
「お父さん…
ごめんなさい…」
「どうした?
何も謝る事はないよ。
俺でよければ話くらいは聞かせてもらうぞ。」
「うん…
言われた通り…
小さい時から自分の性別っていうものに違和感があって…」
「そうか…」
「体は男なのに、気持ちは女子だった…
でも、やっぱりそれはおかしな事だと思ったから…
誰にも言えず、今まで…」
ミサトがそこまで語ると、亘は、ミサトの肩に手を置いた。
「もう言わなくていいよ。
苦しかったな。
よく一人で耐えてきた」
という言葉を投げかけた。
ミサトの胸に、亘の言葉は言葉では言い表せないほど沁み、もうそこからは我慢できなかった。
ミサトは、肩を震わせて泣き出し、亘は慈しみの表情で頭を撫でた。
ミサトは、この理解ある父に大いに感謝すると共に、心が解放されたような気がした。
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