どんぐり

フロイライン

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軋む

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「ヒロト…」


海里は、布団の中で苦しむヒロトを見て、愕然とした。

驚き、言葉を失ったのは。あまりにも痛そうにして体を丸め込んでいたからではない。

既にヒロトの体が女性化していたからだ。


以前もたしかにそのような変化を遂げていた事があったが、あの時のような中途半端な形ではなく、完全に女になってしまっているのだ。

横になった状態だからわかりにくいが、身長も多分15センチは縮んでいる。

体つきも華奢になり、まさに十代の女子といった感じだ。

服の上からではわかりづらいが、胸も相当大きく膨らんでいる。


「痛みが酷くなっているようだから、鎮痛剤を投与する。」


晃は、素早く注射の用意をし、ヒロトの腕に打った。


「よし、これで大丈夫だ。

よく頑張ったな、ヒロト。」


晃はそう言って励ましたが、ヒロトは呻き声を上げ、うずくまったまま、何も答えなかった。


「兄さん

ヒロトはどうなるの?

こんなに苦しんで…」


恵子は、我が子が苦しんでいるのを見てられないといった表情で、言ったが、晃は


「大丈夫。

骨格の変化はようやく止まったようだ。

痛みはもう消える。」


と、淡々とした口調で答えた。



続けて


「まだ喋れる状態ではない。

海里君

これが今の状態だ。
心配しなくとも明日には良くなる。」


と、海里の肩を持って言うと、帰ろうと促した。


海里は


「ヒロト、頑張れよ。

また来るから…」


と、心配そうに告げると、恵子に頭を下げて部屋を出ていった。







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感想 1

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みんなの感想(1件)

3586taka
2025.09.04 3586taka

めちゃくちゃ続きが気になりますね。
執筆大変だと思いますが、応援してます

2025.09.04 フロイライン

読んでいただき、ありがとうございます。
更新が遅くなり、申し訳ございません。

話によって更新の頻度に違いがありますが、途中でやめることはありませんので、今しばらくお待ち下さい。

解除

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