どんぐり

フロイライン

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mad scientist

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「ちわーっす」


いつものようにヒロトが高山晃の自宅兼研究室を訪れた。


「なんだ、ヒロト

今日は妙に早いじゃないか。」  


「今日で期末テストも終わりだからね。

叔父さんの方こそ相変わらずヒマそうだね。」


「バカ言っちゃいけない。

自分で言うのは少し憚るが、私は優秀な科学者だよ。
ただ、異端児すぎて、こうやって個人で気ままに研究を重ねる日々を送っているがね。」


「まあ、おかげで俺もこうして毎日のように遊びに来させてもらってるんだけど。」


「で、愛香ちゃんの状況はどうなんだ?」


「姉貴は…

あんまり良くないみたいだよ。
命にかかわるような状態ではないけど。

でも、海外で一人じゃ心細いだろうから、お母さんが付いてないとね。」


「まあ、恵子も娘の事が気になって仕方ないだろうしな、
側に付いていてやるのが一番だよ。

それにしても、ヒロトも大変だよな。

ずっと一人で留守番か。」


「まあ、受験生だし、しゃあないよ。

親父は、単身赴任だし…

少なくとも夏休みは、俺一人の暮らしが続くね。

でも、叔父さんが近くに住んでてよかったよ。」


「フッ

別に、何をしてやるでもないがな。」



「天才科学者なんでしょ?

勉強しなくても頭が良くなる薬とかないの?」


「お前ねえ

そんな都合のいいもんはないよ。
第一、日本の大学受験用の勉強なんて詰め込み型の意味のないものばかりじゃないか。

応用問題ですら、何も応用してないし。

フツーにやれば、フツーに通るだろう?」


「これだから、頭のいい人とは話したくないんだよ。」


「あ、そうか、ヒロトはもう一つ弱点があるんだったな。」


「そうなんだよね。

アレが、ホント…」


ヒロトはそう言うと、表情を曇らせた。



「そんなにヤリたいのか?」


「ヤリたい…

あんまり俺がしつこく言うもんだから、この前、カノジョにフラれちゃいました…」


「そりゃ災難だったな。

で、処理はどうしてんだ?」


「そんなの、一人でするしかないじゃん…」


「で、勉強に身が入らないってわけか。」


「うん。

そういうモードになると、勉強する気が全然無くなっちゃうんだよね。」


「まあ、気持ちはわからんでもないが。


あっ、そうだ」



「えっ、どうしたの?」


「頭は良くしてやれんが、性欲を抑えるくらいなら、出来るかもしれんぞ。」


「えっ、マジで!?」


「ああ。」


晃は、ニヤッと笑って言うと、ヒロトを見つめた。
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