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フロイライン

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Lesson41

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「優斗クン、ごめん

待った?」

駅に現れた香菜子は、ホームのベンチに座ってスマホをいじっていた優斗に、申し訳なさそうに声をかけた。


「ううん。
大丈夫。youtube見てた。」

優斗はワイヤレスイヤホンを耳から取ると、笑顔で立ち上がった。


「ご飯どうする?

どっかで食べてく?」


香菜子が時計を見ながら言うと、優斗は首を横に振った。

「スーパーで何か買って帰ろうよ。

早く香菜ちゃんと二人ですごしたいし。」


「えっ、いいの?」


「うん。そうしたい

香菜ちゃんは?」


「もちろん、私もよ。」

と、言って手を握った。

優斗も手を握り返し、二人は寄り添うようにして乗り換え駅に向かった。


昨日約束した通り、今日は優斗が香菜子の部屋に泊まりに来た。

だが、会社の連中に見られてはいけないと、香菜子ははやる気持ちを抑え、少し会社に残り、時間差をつけたのだった。

優斗もその辺のことは十分にわきまえており、会社の最寄り駅ではなく、乗り換え駅のホームのベンチで香菜子の到着を待っていた。



「着替え持ってきた?」


「もちろん。
だから、今日はリュックで来たんだよ。」

と、言って優斗は笑った。


乗り換え駅から十五分ほどで、夏菜子が住む家がある最寄駅に着く。

二人は、駅前のスーパーで食材を買い込むのだが、さすがに金曜の晩は一から作るのは億劫だということで、惣菜など出来合いのものを選ぶ事が多い。


「香菜ちゃん、見て見て。

お寿司半額だよ」


「あ、本当だね。

買っとこう」

香菜子は優斗から握り寿司のパックを受け取り、持っているカゴに入れた。


香菜子はついでに何日か分の食材をまとめて買い込むため、1万円近くになるのだが、気にする様子はない。

さすがに優斗が申し訳なく思い、折半にして欲しいと懇願しても、香菜子は頑なに受け取らなかった。


大きな買い物袋を一つずつ手にした二人は、ベッタリくっついて家路についた。

ここまで来ると、会社の人間に見られる心配は全くないので、香菜子は極端に距離を詰めて歩くのだった、

家に着くと、部屋着に着替え、二人で食事をするのだが、優斗はそれほど酒を飲まないので、缶ビールを香菜子の方が多めにもらって飲んだ。

食事が終わると、二人で少しゆっくりし、一緒にお風呂に入る。

これも欠かせぬルーティンとなっていった。
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