pretty preschool teacher

フロイライン

文字の大きさ
27 / 273

common

しおりを挟む
「ごめんね、度々付き合ってもらって。」


「いえ、ぜんぜん…」

駅前の居酒屋に入った彩と遥だったが、頼んだ飲み物と料理が揃うと、堰を切ったように彩が話し始めた。


「遥ちゃんに聞いて欲しくて…

あの、私のクラスに池端 海斗君て子がいるの、わかる?」


「あ、わかりますよ
なんか目がぱちっとしてて可愛い顔した男の子でしょ?」

「うん…」


「海斗くんがどうしたんですか」


「海斗君のおウチって、朝にお迎えに行った時、だいたいがお父さんが連れて来てるのよ。

すごく気さくな感じの人で、行くたびに少し会話を交わすようになったんだけど…
ほんの短い時間だし、数十秒くらいのね短い挨拶に毛が生えたくらいの会話…

そういう事ってあるよね?」


「ええ、ありますよ。

でも、それがどうかしたんですか?」


「この前の休みの時ね、偶然その海斗君のお父さんにバッタリ会ったの。
外出先で…」


「へえ、珍しいですね

外出先で?」


「ワタシは買い物する為で
向こうは仕事の帰りだったみたいで…

人の通りがすごく多くて、最初はわからなかったんだけど、向こうの方から声をかけられてね…

そこで、しばらく立ち話をしてたんだけど、向こうの方から、ちょっとお茶でもって言われて…」


「えっ、行ったんですか?」


遥がビックリして言うと、彩は元気なく頷いた。


「フツーだったら、そんな軽率な事は絶対にしないんだけど…

こんな事言ったら引かれるかもしれないけど、海斗君のお父さんて、私の好きな顔してるのよね…

実は…何となく良いなあ、なんて思ってたの。」


「そうなんですね…」


「よく行く珈琲店が近くにあるって言われて、そこに一緒に行ったの。

また海斗君のお父さんて、話が上手で面白くて…

ついつい私も楽しくなっちゃって…

色んな話をしたの。」


遥は何度も頷いて、彩の次の言葉を待った。


「じっくり話してみたら、性格とか趣味とか、話し方とか…全部私の心にハマったっていうか…」   


「好きになっちゃったんですか?」

恋愛経験ゼロの遥は、ストレートな表現で彩に質問した。


「うん…」


「…」


「もちろん、私からは何も言ってないよ

帰ろうってなったときに、向こうが連絡先の交換をしようって…

よかったら、また会ってお話しませんかって…」


「LINEの交換とか…しちゃったんですか?」


遥の問いに、彩は小さく頷いた。


「その後は、どうしてるんですか?

やり取りとか?」


「うん。

その日のうちに向こうからメールが来て…

今は結構な頻度でやり取りしてる…」


「そうなんですか…」

遥は、恋する乙女状態に陥っている彩を見つめながら、よからぬ方向に向かうのでは…と、思わずにはいられなかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

男の娘と暮らす

守 秀斗
BL
ある日、会社から帰ると男の娘がアパートの前に寝てた。そして、そのまま、一緒に暮らすことになってしまう。でも、俺はその趣味はないし、あっても関係ないんだよなあ。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...