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「ごめんね、度々付き合ってもらって。」
「いえ、ぜんぜん…」
駅前の居酒屋に入った彩と遥だったが、頼んだ飲み物と料理が揃うと、堰を切ったように彩が話し始めた。
「遥ちゃんに聞いて欲しくて…
あの、私のクラスに池端 海斗君て子がいるの、わかる?」
「あ、わかりますよ
なんか目がぱちっとしてて可愛い顔した男の子でしょ?」
「うん…」
「海斗くんがどうしたんですか」
「海斗君のおウチって、朝にお迎えに行った時、だいたいがお父さんが連れて来てるのよ。
すごく気さくな感じの人で、行くたびに少し会話を交わすようになったんだけど…
ほんの短い時間だし、数十秒くらいのね短い挨拶に毛が生えたくらいの会話…
そういう事ってあるよね?」
「ええ、ありますよ。
でも、それがどうかしたんですか?」
「この前の休みの時ね、偶然その海斗君のお父さんにバッタリ会ったの。
外出先で…」
「へえ、珍しいですね
外出先で?」
「ワタシは買い物する為で
向こうは仕事の帰りだったみたいで…
人の通りがすごく多くて、最初はわからなかったんだけど、向こうの方から声をかけられてね…
そこで、しばらく立ち話をしてたんだけど、向こうの方から、ちょっとお茶でもって言われて…」
「えっ、行ったんですか?」
遥がビックリして言うと、彩は元気なく頷いた。
「フツーだったら、そんな軽率な事は絶対にしないんだけど…
こんな事言ったら引かれるかもしれないけど、海斗君のお父さんて、私の好きな顔してるのよね…
実は…何となく良いなあ、なんて思ってたの。」
「そうなんですね…」
「よく行く珈琲店が近くにあるって言われて、そこに一緒に行ったの。
また海斗君のお父さんて、話が上手で面白くて…
ついつい私も楽しくなっちゃって…
色んな話をしたの。」
遥は何度も頷いて、彩の次の言葉を待った。
「じっくり話してみたら、性格とか趣味とか、話し方とか…全部私の心にハマったっていうか…」
「好きになっちゃったんですか?」
恋愛経験ゼロの遥は、ストレートな表現で彩に質問した。
「うん…」
「…」
「もちろん、私からは何も言ってないよ
帰ろうってなったときに、向こうが連絡先の交換をしようって…
よかったら、また会ってお話しませんかって…」
「LINEの交換とか…しちゃったんですか?」
遥の問いに、彩は小さく頷いた。
「その後は、どうしてるんですか?
やり取りとか?」
「うん。
その日のうちに向こうからメールが来て…
今は結構な頻度でやり取りしてる…」
「そうなんですか…」
遥は、恋する乙女状態に陥っている彩を見つめながら、よからぬ方向に向かうのでは…と、思わずにはいられなかった。
「いえ、ぜんぜん…」
駅前の居酒屋に入った彩と遥だったが、頼んだ飲み物と料理が揃うと、堰を切ったように彩が話し始めた。
「遥ちゃんに聞いて欲しくて…
あの、私のクラスに池端 海斗君て子がいるの、わかる?」
「あ、わかりますよ
なんか目がぱちっとしてて可愛い顔した男の子でしょ?」
「うん…」
「海斗くんがどうしたんですか」
「海斗君のおウチって、朝にお迎えに行った時、だいたいがお父さんが連れて来てるのよ。
すごく気さくな感じの人で、行くたびに少し会話を交わすようになったんだけど…
ほんの短い時間だし、数十秒くらいのね短い挨拶に毛が生えたくらいの会話…
そういう事ってあるよね?」
「ええ、ありますよ。
でも、それがどうかしたんですか?」
「この前の休みの時ね、偶然その海斗君のお父さんにバッタリ会ったの。
外出先で…」
「へえ、珍しいですね
外出先で?」
「ワタシは買い物する為で
向こうは仕事の帰りだったみたいで…
人の通りがすごく多くて、最初はわからなかったんだけど、向こうの方から声をかけられてね…
そこで、しばらく立ち話をしてたんだけど、向こうの方から、ちょっとお茶でもって言われて…」
「えっ、行ったんですか?」
遥がビックリして言うと、彩は元気なく頷いた。
「フツーだったら、そんな軽率な事は絶対にしないんだけど…
こんな事言ったら引かれるかもしれないけど、海斗君のお父さんて、私の好きな顔してるのよね…
実は…何となく良いなあ、なんて思ってたの。」
「そうなんですね…」
「よく行く珈琲店が近くにあるって言われて、そこに一緒に行ったの。
また海斗君のお父さんて、話が上手で面白くて…
ついつい私も楽しくなっちゃって…
色んな話をしたの。」
遥は何度も頷いて、彩の次の言葉を待った。
「じっくり話してみたら、性格とか趣味とか、話し方とか…全部私の心にハマったっていうか…」
「好きになっちゃったんですか?」
恋愛経験ゼロの遥は、ストレートな表現で彩に質問した。
「うん…」
「…」
「もちろん、私からは何も言ってないよ
帰ろうってなったときに、向こうが連絡先の交換をしようって…
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「LINEの交換とか…しちゃったんですか?」
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「その後は、どうしてるんですか?
やり取りとか?」
「うん。
その日のうちに向こうからメールが来て…
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「そうなんですか…」
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