pretty preschool teacher

フロイライン

文字の大きさ
111 / 273

B-seat again

しおりを挟む
「また、B席…」


遥は往復B席に不満を漏らした。


「ちゃんと事前にチケット渡してんだろうが。
今さら文句言うな。

ほら、キャリーケース」

凛太郎は、遥のキャリーケースを受け取り、荷物棚に上げた。

「二人とも荷物少ないね。」


「お前くらいだよ。
行きより増えてんじゃねえかよ。」


「だって、お土産とか買ったら増えるの当たり前じゃん。」

すかさず、大輝が

「俺は、買ってねえよ。」

と、言った。


「えっ、それはないわー
職場とかには?」


「しないしない

何でそんなことする必要あんだよ?
あり得んわ」



「大輝、そう言ってやんなって。
コイツ、職場のはどうでもよくて、本当はカレシに渡したくて買ってきてんだよ。」


「違うわよ!もう」


「でも、アレだなあ

遥、今回の恋は結構マジになってんのな?」



「今回ていうか、初めてだし」



「ああ、そうか。

ひょっとして、このまま結婚すんじゃね?」



「そう、簡単にはいかないよ。

ワタシばっか盛り上がってもダメだし、相手の気持ちとか、事情もあるだろうし。

それにワタシは、アレだし…」



「いや、まあそうなんだけど、その可能性があるんだなあって話だよ。

そうなると、お前と大輝の三人での暮らしも終わるわけじゃん。

お前が出てったら、俺と大輝が二人で住む事になるんだけど、あり得んよな?」


「うん、あり得ん。」


「だから、遥が出ていく時は、俺達三人の生活が終わるって事なんだよ。」


「えっ…

それは、なんか寂しいな」


「最初は東京の家賃が高いから、共同生活を始めたわけだし、本当だったら就職するタイミングで解消してなきゃいけなかったんだよ。

でも、お前が女になって、飯とかも作ってくれるし、なんか居心地が良いからついつい甘えてしまったってわけさ。」


「…」


「まあ、結婚する事になったら、早めに教えてくれよ。
俺らも引越しの準備始めなきゃいけないからな」


遥は、良太と簡単には結婚出来るとは思っていなかったが、もし、そうなった場合は、凛太郎と大輝との共同生活が終わってしまう…
そこまで考えが及んでいなかった。

急に寂しくなり、思わず泣きそうになってしまった。


「おいおい、泣いてんじゃねえのか」


凛太郎は遥の目が潤んでいるのを見逃さず、囃し立てた。


「もう…」


本格的に泣き出した遥は、ハンカチで目頭を押さえた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

男の娘と暮らす

守 秀斗
BL
ある日、会社から帰ると男の娘がアパートの前に寝てた。そして、そのまま、一緒に暮らすことになってしまう。でも、俺はその趣味はないし、あっても関係ないんだよなあ。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

処理中です...