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B-seat again
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「また、B席…」
遥は往復B席に不満を漏らした。
「ちゃんと事前にチケット渡してんだろうが。
今さら文句言うな。
ほら、キャリーケース」
凛太郎は、遥のキャリーケースを受け取り、荷物棚に上げた。
「二人とも荷物少ないね。」
「お前くらいだよ。
行きより増えてんじゃねえかよ。」
「だって、お土産とか買ったら増えるの当たり前じゃん。」
すかさず、大輝が
「俺は、買ってねえよ。」
と、言った。
「えっ、それはないわー
職場とかには?」
「しないしない
何でそんなことする必要あんだよ?
あり得んわ」
「大輝、そう言ってやんなって。
コイツ、職場のはどうでもよくて、本当はカレシに渡したくて買ってきてんだよ。」
「違うわよ!もう」
「でも、アレだなあ
遥、今回の恋は結構マジになってんのな?」
「今回ていうか、初めてだし」
「ああ、そうか。
ひょっとして、このまま結婚すんじゃね?」
「そう、簡単にはいかないよ。
ワタシばっか盛り上がってもダメだし、相手の気持ちとか、事情もあるだろうし。
それにワタシは、アレだし…」
「いや、まあそうなんだけど、その可能性があるんだなあって話だよ。
そうなると、お前と大輝の三人での暮らしも終わるわけじゃん。
お前が出てったら、俺と大輝が二人で住む事になるんだけど、あり得んよな?」
「うん、あり得ん。」
「だから、遥が出ていく時は、俺達三人の生活が終わるって事なんだよ。」
「えっ…
それは、なんか寂しいな」
「最初は東京の家賃が高いから、共同生活を始めたわけだし、本当だったら就職するタイミングで解消してなきゃいけなかったんだよ。
でも、お前が女になって、飯とかも作ってくれるし、なんか居心地が良いからついつい甘えてしまったってわけさ。」
「…」
「まあ、結婚する事になったら、早めに教えてくれよ。
俺らも引越しの準備始めなきゃいけないからな」
遥は、良太と簡単には結婚出来るとは思っていなかったが、もし、そうなった場合は、凛太郎と大輝との共同生活が終わってしまう…
そこまで考えが及んでいなかった。
急に寂しくなり、思わず泣きそうになってしまった。
「おいおい、泣いてんじゃねえのか」
凛太郎は遥の目が潤んでいるのを見逃さず、囃し立てた。
「もう…」
本格的に泣き出した遥は、ハンカチで目頭を押さえた。
遥は往復B席に不満を漏らした。
「ちゃんと事前にチケット渡してんだろうが。
今さら文句言うな。
ほら、キャリーケース」
凛太郎は、遥のキャリーケースを受け取り、荷物棚に上げた。
「二人とも荷物少ないね。」
「お前くらいだよ。
行きより増えてんじゃねえかよ。」
「だって、お土産とか買ったら増えるの当たり前じゃん。」
すかさず、大輝が
「俺は、買ってねえよ。」
と、言った。
「えっ、それはないわー
職場とかには?」
「しないしない
何でそんなことする必要あんだよ?
あり得んわ」
「大輝、そう言ってやんなって。
コイツ、職場のはどうでもよくて、本当はカレシに渡したくて買ってきてんだよ。」
「違うわよ!もう」
「でも、アレだなあ
遥、今回の恋は結構マジになってんのな?」
「今回ていうか、初めてだし」
「ああ、そうか。
ひょっとして、このまま結婚すんじゃね?」
「そう、簡単にはいかないよ。
ワタシばっか盛り上がってもダメだし、相手の気持ちとか、事情もあるだろうし。
それにワタシは、アレだし…」
「いや、まあそうなんだけど、その可能性があるんだなあって話だよ。
そうなると、お前と大輝の三人での暮らしも終わるわけじゃん。
お前が出てったら、俺と大輝が二人で住む事になるんだけど、あり得んよな?」
「うん、あり得ん。」
「だから、遥が出ていく時は、俺達三人の生活が終わるって事なんだよ。」
「えっ…
それは、なんか寂しいな」
「最初は東京の家賃が高いから、共同生活を始めたわけだし、本当だったら就職するタイミングで解消してなきゃいけなかったんだよ。
でも、お前が女になって、飯とかも作ってくれるし、なんか居心地が良いからついつい甘えてしまったってわけさ。」
「…」
「まあ、結婚する事になったら、早めに教えてくれよ。
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そこまで考えが及んでいなかった。
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「おいおい、泣いてんじゃねえのか」
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