pretty preschool teacher

動かざる事

「ってわけなの。

だから、ワタシ

幼稚園教諭を続ける事にしたの。」


遥は、家に帰ると、凛太郎と大輝に決めた事を説明した。


「よかったじゃん。

苦労してなった職業なんだし、出来る事なら続けられるのが一番だって俺らも思ってたから。

なあ？大輝」


「そうだな。
よかったな、遥」



「ありがとう、二人とも。

とりあえず頑張っていくことにするよ。」


「おう。」


「それとね、もう一つ相談あるんだけど。」


「ん？

どうした」


大輝が聞くと、遥は頷いた。


「実は、結婚するのが少し早まるかもしれないの。」


「えっ？」


「五月いっぱいでここを引き払ってって話をしてたと思うんだけど…
出来たら三月いっぱいで…」


「マジか？

三月つったら、もうすぐじゃねえか。」


「ごめんなさい、リンタ

まだ引っ越すところとか決めてないよね？」



「おう、全然決めてない。」


凛太郎は真っ直ぐな目でハッキリとした口調で言った。


「そうだよね…」



「いや、遥

そんなの気にすんなって。

別にお前が出てった分の家賃をリンタと出し合えば済む話なんだから。

だから、本当に気にしなくて大丈夫。」



「大輝…」



「まあ、遥が出てったら、さすがに俺らも尻に火がついて、真剣に探し出すよ。
住むとこを。」


凛太郎は、ニヤッと笑って言った。


「ごめんね

二人に迷惑ばっかかけてしまって…」


「何言ってんだよ

今までずっと、俺らの飯作ってくれたりしたの、遥じゃねえか。

これからの人生は、自分の幸せのために生きて欲しいよ。」


「…」


「おい、泣くなよ！」


凛太郎は、慌てて制止したが、いつものように大号泣する遥だった。