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天使と悪魔
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彩と話を終えた樋谷は、また頭を下げてその場を後にした。
彩は、暫し呆然として去り行く樋谷の後ろ姿を見つめていたが、すぐに気を取り直し、その場を離れた。
そして、晩になり、帰宅した夫の誠にその一部始終を語ったが…
「あのオバサンがそんな殊勝なことを言うかね。」
「私もそう思ったんだけど、自分じゃなくて他の人を招待してやってて言うだけだし…
それって、本人には何のメリットもないわけじゃない?
渇望している婚活の場に行けないんだから。」
「まあ、そりゃそうだけど。
なんか、ウラがあんじゃね?」
「ウラって言っても、別に何の得もないわけだし、ちゃんと反省しての事だと思うのね。」
「そうだな。
ようやく気付けたってことか。
まあ、彩も同僚を呼びたかったわけだし、それなら問題ないんじゃないか。
すぐに出席者に連絡しなよ。
俺も明日、式場に連絡してみるから。
三、四人の追加なら何とかなるだろ。」
「うん。
ありがとう、誠。」
彩は誠に抱きついた。
「ねえ、ちょっと良ちゃん!
真剣に見てよ。」
遥は、彩に対する想いを綴った祝辞の原稿を差し出し、良太に感想を求めていた。
「いいと思うよ。
うん。」
「えーっ!
テキトーすぎない?
どこが良くてどこが悪いか言ってよ。」
「いやいや、全部いいよ。
悪いとこなんてない、うん。
あの…遥
そろそろ寝ない?」
「もう、信じられない!」
遥は、頬っぺたを膨らませた。
彩は、暫し呆然として去り行く樋谷の後ろ姿を見つめていたが、すぐに気を取り直し、その場を離れた。
そして、晩になり、帰宅した夫の誠にその一部始終を語ったが…
「あのオバサンがそんな殊勝なことを言うかね。」
「私もそう思ったんだけど、自分じゃなくて他の人を招待してやってて言うだけだし…
それって、本人には何のメリットもないわけじゃない?
渇望している婚活の場に行けないんだから。」
「まあ、そりゃそうだけど。
なんか、ウラがあんじゃね?」
「ウラって言っても、別に何の得もないわけだし、ちゃんと反省しての事だと思うのね。」
「そうだな。
ようやく気付けたってことか。
まあ、彩も同僚を呼びたかったわけだし、それなら問題ないんじゃないか。
すぐに出席者に連絡しなよ。
俺も明日、式場に連絡してみるから。
三、四人の追加なら何とかなるだろ。」
「うん。
ありがとう、誠。」
彩は誠に抱きついた。
「ねえ、ちょっと良ちゃん!
真剣に見てよ。」
遥は、彩に対する想いを綴った祝辞の原稿を差し出し、良太に感想を求めていた。
「いいと思うよ。
うん。」
「えーっ!
テキトーすぎない?
どこが良くてどこが悪いか言ってよ。」
「いやいや、全部いいよ。
悪いとこなんてない、うん。
あの…遥
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「もう、信じられない!」
遥は、頬っぺたを膨らませた。
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