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フロイライン

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夫婦のルール

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「お待たせ。」


真が改札を出てきて、外で待つ彩に声をかけた。


「お疲れ様。」   


彩は満面の笑みで夫を見つめて言った。


「それじゃあ行こうか。」


誠が手を差し出すと、彩は満面の笑みを浮かべてその手を握った。


二人は手を繋いで人混みを歩き、目的の居酒屋に入っていった。


二人はビールを注文すると、料理のメニューを見ながら、夫婦トークを楽しんだ。

「彩は何時頃来たの?」


「ワタシ?

えっと、五時前かな。

化粧品で切らしたものがあったから、そこの百貨店に見に行ってたの。」


自分の脇に置いていた小さな紙袋を見せ、はにかんだ笑みを浮かべた。


「遥もさあ、ずっと家にいたんじゃ気も滅入るでしょ?

たまには外に出ないとね。」


「毎日、スーパーに行ったりして、ずっと家に閉じこもってるわけじゃないのよ、

安いお店を探して、ハシゴする時もあるしね。」


「それはわかってんだけど、今までずっと働いてたのに、急に専業主婦みたいなことやらせちゃって、なんか申し訳ないなって。」


「ううん。
幼稚園を辞めたのは、例の人の絡みがあったからだけど、専業主婦ってのにも憧れがあったの。

ご飯作って旦那さんの帰りを待つ生活っていうの?」


「それはすごく嬉しいんだけど、あんまりムリしちゃダメだよ。

だから、こうやって週に一回は外でご飯食べるのもいいかなあってね。」


「ありがとう、誠

でも、お金がもったいないし、ホントに私は大丈夫だから。」


「あんまり大きな声で言えないけど、安居酒屋だし。財布に優しい店だよ。」


と、誠が言ったところで、ビールが届いた。


誠は苦笑いを浮かべて、彩の方を見た。
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