pretty preschool teacher

フロイライン

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平井佳奈を呼び出して、脅迫まがいの頼みごとをした樋谷は、その足で例の男と会うために、待ち合わせ場所に訪れていた。


樋谷の背後でパッシングする車があり、振り返ると、あの車がそこにあった。


樋谷は一応周りを警戒しながら中に入った。



「お疲れっす」


男は愛想笑いを浮かべながら、助手席に乗り込んできた樋谷に声をかけた。


「どうも…


で、何なの?
用って」



「ツレない言い方だなあ。

VIPのお客様だから、仕事の進捗状況をお知らせしようと思ったのに。」


「その点については信頼してるから大丈夫よ。

予定通り進んでるのよね?」



「もちろん。

あなたの方も抜かりはないのかな?」


「ええ。

私が下ごしらえを失敗したら、元も子もないからね。」


「それはよかった。

こちらも、メインの仕事に来週取り掛かる手筈だよ。」


「来週?

そんなに早く?」


「ああ。

俺らの情報力をナメないでほしいな。

まあ、ご心配なく。

あなたは自分がやるべき事をきっちりこなせばいい。」



「そうね。


ところでさあ」



「ん?」



「あなたって、結構若い?」



「えっ、何かヘン?

俺」



「いや、実はめちゃくちゃ若いんじゃないのかなって。」




「若くない若くない。

十九だよ。」



「じゅ、十九!

アンタまだ十九なの?」


「そうだよ。

それが何か?」


「まだ子供じゃないの。

なのに、そんな悪い事してんだ。」



「子供じゃないよ。
立派な大人さ。

それに、別に悪い事してるって自覚はないよ。
人生が楽しけりゃそれでいいって奴らが集まって出来たのがウチのグループなんだよ。

それと人助けね。

純粋に困ってる人を助けたい。

あなたもそのうちの一人だから。」


男は、帽子をかぶってマスクをしているために、目の部分しか見る事ができなかったが、樋谷は、男が笑みを浮かべている事が、なんとなくわかった。
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