聖也と千尋の深い事情

フロイライン

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Jealous Guy

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土曜日の午前10時過ぎ
インターホンが鳴った。

モニターを見ると、千尋が立って笑ってる。


「はーい、開けます」

俺は解錠して、千尋が上に上がって来るのを待った。


さっき、モニターに映ってた千尋の姿は…
俺は少し思う事があったが、とにかく会えばわかる


チャイムが鳴った

俺は玄関に行き、ドアを開けた


千尋が笑みを浮かべて立っていた。

(…)

俺が持った違和感はこれか!

千尋は白のパーカーと細めのデニムというスタイルで俺の目の前に立ってたんだけど、その姿は千尋の顔つきと相まって、まるっきり女子に見えた。

別にスカートを履いてるわけでもないのに…


「どうしたの?」

俺が少しボーッと見て、突っ立てたから、千尋が不審がって声をかけてきた。


「あ、いや、おう

どうぞ」

俺はしどろもどろになって、千尋を家の中に招き入れた。


「お邪魔しまーす」

千尋は丁寧に挨拶し、靴を脱ぐと、この向きを逆にしてきっちりと揃えた。


「何もないとこだけど」


俺は何か気まずさを感じながら、自分の部屋に案内した。


「えっと、何か飲む?

コーラかお茶くらいしかないけど」


千尋は興味深げに俺の部屋をキョロキョロと見回しながら

「あ、それじゃあお茶で」

と、言った。


俺は頷き、台所に行ってコップを取り、冷蔵庫にあったお茶のペットボトルを注ぎ入れた。

お盆にも乗せず、直持ちで部屋に戻り、自分の机にお茶を置いた。


「ありがとう」


千尋は嬉しそうに俺に礼を言い、また部屋の中を見回すのを再開した。


「あ、せっかく来てもらったけど、別に何もないやろ?

ゲームでもする?」


この年代、非モテ、中二男子

友達が家に遊びに来て、する事といったらゲーム一択なんだ。


「ゲームかあ。

それよりも聖也の話が聞きたいし、ちょっと話しようよ」


「えっ、そんなんでええの?」


「ええよ」


そうか、千尋はゲームしないって言ってたなあ。

じゃあ俺の部屋でやる事は何もないって事か…
困ったなあ。


俺はゲーム接待を諦めて、千尋と何気なくてたわいもない話をする事になってしまった。

小学校の時とか、中一のときの話をしては、千尋は楽しそうに笑い、拙い俺のトークを盛り上げてくれた。

俺も段々と自信がつき、自分から話題を振り、積極的に話せるようになっていった。

そして、トークが一段落したところで、千尋が立ち上がり、俺の後ろにあった棚を指差して言った。

「これってアルバム?」


「ん?

ああ、そうやで。

生まれた時からの」


「見たい見たい」


「えっ、そんなん見たいんか?」


「うん」

屈託のない笑顔で言われると、何でもOKしてしまう。
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