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立志
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ワタシが知らない間に、父母が離婚してしまった。
前から、そんなに仲の良い夫婦ではなかったけど、離婚してしまうほどの険悪な感じでもなかった。
こんな事になってしまった遠因は、ワタシにあるのだと思う。
例の性転換事件が起き、タイにすっ飛んできたお母さんだったが、あれは本当に助かった。
じゃないと、ワタシは、気が変になってたかもしれない。
お母さんが付いていてくれたから、前向きな考えになれたし、今に至るまでのワタシの決断を、ずっと支えてくれてきた。
今回、離婚して、お母さんは岡山に帰ってきた。
ここからの人生は、是非幸せになってもらいたい。
子供としては、そう願わずにいられない。
次の日曜日、ワタシはお母さんの買い物に付き合っていた。
こっちに帰ってきて、必要なものを買い揃えなければいけないからだ。
「えっ、同窓会?」
ホームセンターで買い物をしながら話をしていたワタシ達だったが…
なんでも、もうすぐ高校の時の同窓会があるらしい。
「私、大学の時に東京に行っちゃって、そのままずっと向こうに住みっぱなしだったから、そういうものに全然出席出来てなくてね。
ようやく出席できることになったのよ。」
「同窓会かあ
ワタシは、ムリだなあ
この姿で出席するのは。」
「雫…
ごめんなさい。
あなたのことを考えないで、はしゃいじゃって。」
「何言ってんのよ。
今までずっと我慢してきたんじゃない。
これからよ。
お母さんの人生は。
ワタシもいつも思ってることだけど、せっかくの人生なんだし、楽しまないと損だよ。」
「そうね。
ありがとう、雫」
お母さんは、ニコッと笑って答えた。
前から、そんなに仲の良い夫婦ではなかったけど、離婚してしまうほどの険悪な感じでもなかった。
こんな事になってしまった遠因は、ワタシにあるのだと思う。
例の性転換事件が起き、タイにすっ飛んできたお母さんだったが、あれは本当に助かった。
じゃないと、ワタシは、気が変になってたかもしれない。
お母さんが付いていてくれたから、前向きな考えになれたし、今に至るまでのワタシの決断を、ずっと支えてくれてきた。
今回、離婚して、お母さんは岡山に帰ってきた。
ここからの人生は、是非幸せになってもらいたい。
子供としては、そう願わずにいられない。
次の日曜日、ワタシはお母さんの買い物に付き合っていた。
こっちに帰ってきて、必要なものを買い揃えなければいけないからだ。
「えっ、同窓会?」
ホームセンターで買い物をしながら話をしていたワタシ達だったが…
なんでも、もうすぐ高校の時の同窓会があるらしい。
「私、大学の時に東京に行っちゃって、そのままずっと向こうに住みっぱなしだったから、そういうものに全然出席出来てなくてね。
ようやく出席できることになったのよ。」
「同窓会かあ
ワタシは、ムリだなあ
この姿で出席するのは。」
「雫…
ごめんなさい。
あなたのことを考えないで、はしゃいじゃって。」
「何言ってんのよ。
今までずっと我慢してきたんじゃない。
これからよ。
お母さんの人生は。
ワタシもいつも思ってることだけど、せっかくの人生なんだし、楽しまないと損だよ。」
「そうね。
ありがとう、雫」
お母さんは、ニコッと笑って答えた。
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