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同じ轍
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志穂に対し、洸平は平然と嘘をつき、作り話をした。
志穂が信じたのかどうかはわからなかったが、彼女は、ひたすらベッドに突っ伏して、泣き続けるだけだった。
「しーちゃん、本当にごめん
自分がまさか、こんな事をしてしまうなんて
…」
「うぅっ…
でも…私…の…方が誘った…んだよ…ね」
「あ、それは…うん…」
洸平があらためて言うと、志穂は、また号泣した。
「しーちゃん、こんなときに言う話じゃないと思うんだけど、俺…
君を真剣に愛してる。
結婚して欲しいと思ってる。」
「…」
「君が自分を大切にしてて、結婚前にそういうことをしたくないって思う気持ちが強いってのは、わかってたんだ。
でも、酔い潰れていたとはいえ、君に迫られた俺は、我慢ができなくて…
本当にごめん。
こんな事しといて言える立場ではないけど、しーちゃんがこの思いを受け止めてくれるなら…
結婚すると決まった相手との事であれば、少しは君の気持ちもマシになるんじゃないかって。」
「コウちゃん…
こんな私をお嫁さんにしてくれるっていうの?」
「勿論さ。
そう思ってなければ、君を拒絶することが出来たと思うよ。」
「コウちゃん…」
志穂は、洸平に抱きつき、また大号泣した。
どうやら、洸平の嘘の話を信じたらしい。
洸平は、安堵の表情を浮かべると共に、少し不満そうな素振りも見せた。
安堵したのは、上手く騙せたため、恭子の時のようにヤクザを頼らなくて済んだこと。
不満なのは、志穂とヤレたのは、昨夜一晩だけで、この手法が今後志穂には使えなくなってしまったということだった。
安心すると、悪い虫が動き出すのが洸平の邪悪で非道なところで、自身が過去にやった事を全く反省する様子もなかった。
あるのは、逮捕されるのではないかという恐怖のみで、恭子への贖罪の意識は全くなかった。
志穂を信じ込ませる事が出来た洸平は、もう一回薬を盛っても大丈夫ではないかという気持ちにもなったが、辛うじて自制した。
このとき、まだ洸平は知らなかった。
自分への包囲網が確実に狭まってきているという事を…
志穂が信じたのかどうかはわからなかったが、彼女は、ひたすらベッドに突っ伏して、泣き続けるだけだった。
「しーちゃん、本当にごめん
自分がまさか、こんな事をしてしまうなんて
…」
「うぅっ…
でも…私…の…方が誘った…んだよ…ね」
「あ、それは…うん…」
洸平があらためて言うと、志穂は、また号泣した。
「しーちゃん、こんなときに言う話じゃないと思うんだけど、俺…
君を真剣に愛してる。
結婚して欲しいと思ってる。」
「…」
「君が自分を大切にしてて、結婚前にそういうことをしたくないって思う気持ちが強いってのは、わかってたんだ。
でも、酔い潰れていたとはいえ、君に迫られた俺は、我慢ができなくて…
本当にごめん。
こんな事しといて言える立場ではないけど、しーちゃんがこの思いを受け止めてくれるなら…
結婚すると決まった相手との事であれば、少しは君の気持ちもマシになるんじゃないかって。」
「コウちゃん…
こんな私をお嫁さんにしてくれるっていうの?」
「勿論さ。
そう思ってなければ、君を拒絶することが出来たと思うよ。」
「コウちゃん…」
志穂は、洸平に抱きつき、また大号泣した。
どうやら、洸平の嘘の話を信じたらしい。
洸平は、安堵の表情を浮かべると共に、少し不満そうな素振りも見せた。
安堵したのは、上手く騙せたため、恭子の時のようにヤクザを頼らなくて済んだこと。
不満なのは、志穂とヤレたのは、昨夜一晩だけで、この手法が今後志穂には使えなくなってしまったということだった。
安心すると、悪い虫が動き出すのが洸平の邪悪で非道なところで、自身が過去にやった事を全く反省する様子もなかった。
あるのは、逮捕されるのではないかという恐怖のみで、恭子への贖罪の意識は全くなかった。
志穂を信じ込ませる事が出来た洸平は、もう一回薬を盛っても大丈夫ではないかという気持ちにもなったが、辛うじて自制した。
このとき、まだ洸平は知らなかった。
自分への包囲網が確実に狭まってきているという事を…
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