泥々の川

フロイライン

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綻び

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「知っての通り、坊ちゃんから依頼を受け、処理を担当したのはウチの組です。

ウチが引き取ったとき、女は坊ちゃんに大量のシャブを打たれていて、かなり衰弱していましたが、元々器量も良くてなかなかの上玉でしたので、ウチの方でシャブの量をセーブしながら躾をして、なんとか客を取れるくらいのレベルに持っていきました。

念の為と言っては何ですが、整形手術をして、本人だとわからないようにしてから、売春宿に売ったんです。」


「そんな…

生かしておくのは危険すぎます。
僕はちゃんと処分して下さいと、梁川さんにお願いしたはずです!」


「坊ちゃん、我々がいくら悪い人間とはいえ、何の罪もないカタギの人間を死なせる事には、少なからず引っかかりを覚えるんですよ。

それに、長年のシャブのせいで、本人も自分が誰かもよくわからないくらいにオツムがイカれてましてね。

売春婦として、ちょうどいい感じに仕込む事が出来ました。

しかし、この四年でよく稼いでくれましたよ。」


鮫島がそう言うと、再び新宿署の村田が話し出した。


「このまま進んでくれたら、良かったんですが、元芸能人のオカマ…誰だっけ

そうそう、友谷久美子が佐野恭子と友達だったらしく、今になって捜索し始めたんですよ、探偵まで雇って」


「それは、僕も知っています。
テレビでソ連の超能力者に依頼したやつも見ました…」


「あんなもんは眉唾物だと、たかを括ってたんですが、佐野恭子を売春させていた春蘭ていう店の周りの風景をズバリ言い当てたんで、さすがにこちらもびっくりしましたよ。」


「…」


「その店に江藤という、友谷久美子が雇った探偵が訪ねてきましてね、佐野恭子と接触したんです。」


「えっ!」


「そして、すぐにウチの署に、駆け込んできて、事件の詳細を語って、彼女を救出するよう言ってきたんです。」


「そんな…」


洸平が顔面蒼白となって村田に言うと、隣に座っていた弘蔵が、洸平の肩に手を置いた。


「お前のやった愚かな行為で、これだけの大人に迷惑を被っているんだ。

お前、ちゃんと反省しているのか?」


「それは、はい…

もちろんしています。」


「だったら、ウチの会社の社員に対して、また変な事をしたって話は、一体何だ?」



「それは…」


「まあまあ、社長

今は先ず、佐野恭子の事を最優先で考えましょう。

とりあえずウチの署に駆け込んできた三人の話をよく聞き、あとは警察に任せるようにと念押しして、帰ってもらいました。」

村田がそう言うと、鮫島が再び話し始めた。
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