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紹介
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沙耶香と二階に上がり、部屋に荷物を置いていると、お母さんが帰ってきたようで、下で声がした。
ワタシは沙耶香の背中をトントンと叩き、下に降りる事を伝えた。
すると、沙耶香の表情がみるみる硬ばってくるのが手に取るようにわかった。
「そんな畏まるような親じゃないから、気楽にして」
ワタシは沙耶香にそう言ったが、沙耶香はガチガチのままだった。
二人で下に降りていき、お母さんと対面した。
「お母さん、ただいま」
「お帰り…
あれ、ユキ
あんた、ちょっと見ない間に雰囲気変わり過ぎてない?…」
お母さんは、先ずはワタシの容姿の変化に驚いたが、すぐに後ろの沙耶香の存在に気付き、視線をそっちに移した。
「紹介しとくわ、こちらは花岡沙耶香さん。」
沙耶香はまたビクッとして背筋がピンっと伸び、慌ててペコリと頭を下げ
「初めまして、花岡沙耶香と申します。
よろしくお願いします」
と、緊張のあまりか早口で自己紹介をした。
「初めまして、幸洋の母です。
よろしくお願いします。」
「妹の優菜です。
よろしくお願いします
沙耶香さん」
お母さんに続いて、調子乗りの優菜が割り込んできてニヤニヤしながらん挨拶をした。
「電話でも伝えたけど、沙耶香は高校の時の同級生で、今回は亡くなったお母さんの三回忌でこっちに戻ってきたの。
でも、もうこっちの方には家がなくて…
せっかくだから、ウチに来てもらったの。
いいでしょ?」
「それは勿論いいけど…
沙耶香さん、こんなヘンテコなニューハーフと一緒で恥ずかしくない?
それが逆に心配だわ」
「いえ、そんな事は全然
いつも大変お世話になってて」
沙耶香はブルブルと首を横に振ってお母さんの言葉を否定した。
「何がヘンテコよ。
後で言うつもりだったけど、この際だからここで報告しとくわ。
ワタシと沙耶香は今付き合ってて、恋人関係にあるの。」
そう伝えると
「ええええっ!!
ウソォっ!!」
と、優菜が過剰反応を示した。
「えっ、ユキ
付き合ってるって、そんな身なりで…」
お母さんも頭が混乱しているようだ。
「もう女装はやめたの。
これからちょっとずつだけど男に戻っていくわ。」
「でも、アンタ
去勢したって…」
「うーん…
それはちょっと早まった感があったけど、沙耶香もわかってくれてるし、将来的には結婚したいって思ってるの。」
「結婚…て…
それは本人同士が決める事だから私から言うことは何もないけど…
沙耶香さんも、それでいいんですか?」
お母さんは少し申し訳なさそうに沙耶香に聞いた。
「はい。
私も幸洋さんの事を好きで、真剣にお付き合いさせていただいております。」
沙耶香は大きな声ではなかったが、ハッキリとした口調で言った。
ワタシは沙耶香の背中をトントンと叩き、下に降りる事を伝えた。
すると、沙耶香の表情がみるみる硬ばってくるのが手に取るようにわかった。
「そんな畏まるような親じゃないから、気楽にして」
ワタシは沙耶香にそう言ったが、沙耶香はガチガチのままだった。
二人で下に降りていき、お母さんと対面した。
「お母さん、ただいま」
「お帰り…
あれ、ユキ
あんた、ちょっと見ない間に雰囲気変わり過ぎてない?…」
お母さんは、先ずはワタシの容姿の変化に驚いたが、すぐに後ろの沙耶香の存在に気付き、視線をそっちに移した。
「紹介しとくわ、こちらは花岡沙耶香さん。」
沙耶香はまたビクッとして背筋がピンっと伸び、慌ててペコリと頭を下げ
「初めまして、花岡沙耶香と申します。
よろしくお願いします」
と、緊張のあまりか早口で自己紹介をした。
「初めまして、幸洋の母です。
よろしくお願いします。」
「妹の優菜です。
よろしくお願いします
沙耶香さん」
お母さんに続いて、調子乗りの優菜が割り込んできてニヤニヤしながらん挨拶をした。
「電話でも伝えたけど、沙耶香は高校の時の同級生で、今回は亡くなったお母さんの三回忌でこっちに戻ってきたの。
でも、もうこっちの方には家がなくて…
せっかくだから、ウチに来てもらったの。
いいでしょ?」
「それは勿論いいけど…
沙耶香さん、こんなヘンテコなニューハーフと一緒で恥ずかしくない?
それが逆に心配だわ」
「いえ、そんな事は全然
いつも大変お世話になってて」
沙耶香はブルブルと首を横に振ってお母さんの言葉を否定した。
「何がヘンテコよ。
後で言うつもりだったけど、この際だからここで報告しとくわ。
ワタシと沙耶香は今付き合ってて、恋人関係にあるの。」
そう伝えると
「ええええっ!!
ウソォっ!!」
と、優菜が過剰反応を示した。
「えっ、ユキ
付き合ってるって、そんな身なりで…」
お母さんも頭が混乱しているようだ。
「もう女装はやめたの。
これからちょっとずつだけど男に戻っていくわ。」
「でも、アンタ
去勢したって…」
「うーん…
それはちょっと早まった感があったけど、沙耶香もわかってくれてるし、将来的には結婚したいって思ってるの。」
「結婚…て…
それは本人同士が決める事だから私から言うことは何もないけど…
沙耶香さんも、それでいいんですか?」
お母さんは少し申し訳なさそうに沙耶香に聞いた。
「はい。
私も幸洋さんの事を好きで、真剣にお付き合いさせていただいております。」
沙耶香は大きな声ではなかったが、ハッキリとした口調で言った。
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