ハカイジ

フロイライン

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安田の楽しみ

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安田は、携帯で誰かと話していたが、すぐに戻ってきて、レンに言った。


「レン、お前とやる前に、一つ褒美をやろう。」



「褒美?」


「ああ。

ワシのこの部屋に来た者は、皆に褒美を与えているのが常でなあ。」



「…」



「まあ、謙虚で欲のないお前は、何か欲しいものはあるか?
と、聞いても何もないと思い、ワシの方で勝手に用意してやった。」


安田がそう言った瞬間、部屋のドアがノックされた。


安田は、ガウンを羽織り、ドアの向こうに対し

「入れ」

と、言った。


レンは、裸のまま、ベッドの上で不安そうに、安田の姿を見つめるだけしか出来なかったが。



ドアを開けて入ってきたのは、いつもの看守の一人だった。



「会長、連れて参りました。

どうされますか?」



「どうされるも何も、早く連れて来い」


短気の安田がイラついた表情で言うと、部下の男は、ビクッとして、慌てて部屋を出ていった。



「使えん奴らよ。


レン、お前、看守の仕事をさせてやると言ったら、受けるかね?」


「えっ?」



「フッ…

ニューハーフの看守など、役になど立たんな。

やはり、お前は囚人がよく似合っている。」



そんな会話をしていると、また部屋のドアがノックされ、さっきの男が入ってきた。

そして

「連れて参りました。」

と、安田に報告した。



「中に入ってもらえ。」


安田がそう言うと、部下の男は返事をし、ドアを開けて、外に向かって何やら話をし、そして、何者かを招き入れた。


レンは、何が始まるのかがわからず、その光景を見つめていたが、すぐに


「!!」


目を見開き、固まってしまった。



中に入ってきたのは、若い女性だった。


それも、レンがよく知る…


元妻の愛果だった。
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