ハカイジ

フロイライン

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始まりの出会い

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「このお嬢さんが麻衣ちゃんに用があるそうよ。」


ルミがそう言うと、麻衣は、愛果に視線を移した。



「あ、あの

突然お邪魔して申し訳ございません。

私、堀田愛果と申します。

少しお話をお聞かせ願えればと思い、来させていただきました。」


「ワタシに?」


「はい。」


麻衣は、少し表情に戸惑いの色を見せながらも、すぐに頷き


「どうぞ、中へ。」


店の鍵を開けると、愛果を店内に案内した。


愛果が深々とお辞儀をすると、ルミが背中を叩き


「頑張ってね。」

と、笑顔で送り出した。


「ルミさん

ありがとうございます!」


愛果は、振り向いて、ここでも深々とお辞儀をすると、麻衣に付いて中に入っていった。


麻衣の店は、ルミの店に比べ、少し大きく、ボックス席もあった。

麻衣は、そこに愛果を案内すると


「ごめんなさいね。こんなものしかなくて。」

冷蔵庫に入っていたペットボトルのお茶をグラスに注いで、愛果の前に置くと、向かい側の席に腰掛けた。


「あの…
ワタシにお話というのは?」

麻衣がそう切り出すと、愛果は頷き、ここに来るに至った経緯を話し始めた。


「私の夫は、作ってしまった借金のせいで、慈愛夢グループにより、囚われの身となり、虐待を受けています。」


「えっ…」



「その事でお話をお聞きしに来たんです。

あなたは、桑原和人さんですね?」


愛果がそう言うと、麻衣は、一瞬固まってしまったが…

やがて、小さく頷いたのだった。

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