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悪魔の所業
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「レン、お前
まだ二十歳なのにバツイチなのか?」
「えっ…
なぜ、それを…」
安田は、驚くレンの表情を、観察するように見ながら話を続けた。
「ウチは金貸しだぞ。
しかも、お前には多額の金を貸し付けてるんだ。
全て調べ上げてある。」
「そうですか…」
「今夜はたっぷり時間がある。
お前の話が聞きたい。」
「ワタシの…ですか?」
「ああ。
こういうもんはな、相手のバックボーンがわかれば、一層気持ちが入るってもんだよ。
わかるかね?」
「はい…」
「結婚生活について聞かせてくれるか?
なんでそんなに早く結婚したんだ?
そして、何故に早く離婚したんだ?」
「それは…」
レンは、そう言いかけ、少し間を作ってしまった。
妻との交際、結婚、そして離婚と、ほんの少し前に起きた出来事について、頭の中を駆け巡っていたからだった。
平野蓮と堀田愛果は、高校時代の同級生であった。
顔が可愛く、クラスでも中心のグループにいた愛果と、あまり目立たないタイプのレンでは、接点というものが殆どなく、普段から会話を交わす仲でもなかった。
二人が仲良くなったきっかけは、アルバイト先が同じだったからだ。
地元から少し離れたところにあるコンビニでバイトをしていたレンだったが、その店に後から入ってきたのが愛果だった。
「あっ…」
「平野クン!」
さすがに、名前くらいは認識されていたかと、レンは、愛果に名前を呼ばれて、喜びを感じた。
「いつから?」
「えっ、バイト?
もう半年近くになるかな。」
「へえ、そうなんだ
色々教えてね。」
「うん。
俺にわかる事はなんでも」
「よかった。
初めてのバイトで心配だったんだけど、平野クンがいてくれて、ホント助かったわ。」
愛果は、屈託のない笑顔で、レンに言った。
レンは、女子とこんなにも喋った事がなかったので、一気に舞い上がってしまったが、悟られてはならないと、目を逸らして俯いた。
顔が真っ赤になっているという自覚を持ちながら。
こうして、二人は急速に仲良しになり、互いのことを話すようになっていった。
愛果は、父子家庭で、母親がいなかった。
レンは、母子家庭で、母と二人で生活をしていた。
共通点がいくつもある事がわかった二人は、バイトが終わると、一緒に帰ったり、どこかに寄って、何か食べて帰ったりするようになった。
そこで、互いの家の話などをし、相互の理解を含めていったのだった。
レンも愛果も、自分の家の話は学校ではほとんどする事がなかったので、こうして踏み込んだ話が出来ることに、幸せを感じるようになっていった。
まだ二十歳なのにバツイチなのか?」
「えっ…
なぜ、それを…」
安田は、驚くレンの表情を、観察するように見ながら話を続けた。
「ウチは金貸しだぞ。
しかも、お前には多額の金を貸し付けてるんだ。
全て調べ上げてある。」
「そうですか…」
「今夜はたっぷり時間がある。
お前の話が聞きたい。」
「ワタシの…ですか?」
「ああ。
こういうもんはな、相手のバックボーンがわかれば、一層気持ちが入るってもんだよ。
わかるかね?」
「はい…」
「結婚生活について聞かせてくれるか?
なんでそんなに早く結婚したんだ?
そして、何故に早く離婚したんだ?」
「それは…」
レンは、そう言いかけ、少し間を作ってしまった。
妻との交際、結婚、そして離婚と、ほんの少し前に起きた出来事について、頭の中を駆け巡っていたからだった。
平野蓮と堀田愛果は、高校時代の同級生であった。
顔が可愛く、クラスでも中心のグループにいた愛果と、あまり目立たないタイプのレンでは、接点というものが殆どなく、普段から会話を交わす仲でもなかった。
二人が仲良くなったきっかけは、アルバイト先が同じだったからだ。
地元から少し離れたところにあるコンビニでバイトをしていたレンだったが、その店に後から入ってきたのが愛果だった。
「あっ…」
「平野クン!」
さすがに、名前くらいは認識されていたかと、レンは、愛果に名前を呼ばれて、喜びを感じた。
「いつから?」
「えっ、バイト?
もう半年近くになるかな。」
「へえ、そうなんだ
色々教えてね。」
「うん。
俺にわかる事はなんでも」
「よかった。
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レンは、女子とこんなにも喋った事がなかったので、一気に舞い上がってしまったが、悟られてはならないと、目を逸らして俯いた。
顔が真っ赤になっているという自覚を持ちながら。
こうして、二人は急速に仲良しになり、互いのことを話すようになっていった。
愛果は、父子家庭で、母親がいなかった。
レンは、母子家庭で、母と二人で生活をしていた。
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