新 或る実験の記録

フロイライン

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入所日

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今日、ついに入所する事となった。
あと数ヶ月で高校卒業ってところだったんだけど仕方がない。
特例で卒業した事にしてくれるそうだけど。

支度をして出かける準備をする俺を見送る家族はいない。

親父は事業に失敗した後、遠くに住み込みで働きに出てる。

お母さんと妹の来夢は今アメリカにいる。

妹は先天的に心臓が悪く、今年5歳になるんだけど、このままいくと長くは生きられないという診断が下された。
心臓移植しか助かる方法がなく、海外でドナーから提供を受けるために寄付を募って渡米した。

ある程度お金は集まったんだけど、めちゃくちゃ金がかかるらしく全然足りていない。

けど、俺がプロジェクトに参加する事が決まったことで国から支援が受けられる事になったんだ。

役に立ててよかった、ホント。

まあ、心残りがあるといえば…


「乃亜!」

家にやって来た涼音は大泣きして俺にまた縋りついた。


「涼音、ごめんな…」

俺は涼音を抱きしめた。

涼音は陸上部でいつもショートカットだった。
引退してからは髪を伸ばし始めて、改めて見ると本当に美人だ。
ベースが良いんだろうな。

俺は自分が欲情していることに気付いた。
このような感情もプロジェクトに参加したら全て消失するんだろうな。

そんなことを考えてたら…

俺はへ涼音をベッドに押し倒していた。
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