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確率論
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「乃亜ちゃんも知っての通り、このプロジェクトは国の存亡を賭けてるって言っても過言じゃないのね。」
「それは、わかります。」
「だから、内外から沢山の批判にさらされながらも実験に踏み切ったからには何が何でも成功させなきゃいけないの。
それもタイムスケジュール通りにね。」
「はい…」
「乃亜ちゃんは、これから半年以内に国がピックアップした男性とお見合いを行い、お互いに気に入ればそのまま結婚する形になり、出産まで持っていく形になります。
元カノさんの場合、半年後だと、まだ男性に性転換後の慣らし運転中だから、とてもじゃないけどその段階まで達してないと思う。」
「そうですね…
やっぱりムリか…」
「でも、乃亜ちゃんには今回の件で、国も大きな借りが出来たと思うのね。
だから、ワタシも出来るかぎり、元カノさんとの事を推してみる。」
「ありがとうございます。」
「それにね
性転換者同士のカップルの孕妊性も調べてみたいというのもあるしね。」
「先生、是非よろしくお願いします。」
ワタシは一縷の望みに賭けたいと思い、先生に心からのお願いをした。
「さあ、着いたわよ。」
閑静な住宅街に先生のお家はあった。
「わあ、すごく大きなお家ですね」
「両親と同居してるのよ。」
「そうなんですね」
車から降りたワタシは、吉岡先生に案内されて門扉を開けて入った。
でも、気付いた事がある。
表札の名前が吉岡と高山と二つあった。
ワタシが不思議そうにしているのに気付いたのか、吉岡先生は
「高山は主人の姓なの。
仕事では吉岡を名乗っているんだけど、戸籍上はワタシも高山なの。」
先生はそう言って笑い、ドアを開けた。
「ただいま」
中に向かって声をかけると、ドタドタと音を立てて、奥から女の子が出てきた。
「おかえりーっ、ママ!」
可愛い顔してる
小学一年生くらいかなあ
吉岡先生に抱きついて離れようとしない。
あっ、そうか
吉岡先生って、ずっとセンターでワタシ達と寝泊まりしてるから、お家には全然帰れてないんだ。
「みいちゃん
お客様が来てくれてるのよ。ちゃんとご挨拶して。」
「このお姉ちゃん、だれ?」
ようやく、ワタシの存在に気づいてくれたようだ。
「いらっしゃい」
今度は奥から男性が現れた。
眼鏡をかけてて、何か冷たい目つきの人だ。
「乃亜ちゃん、主人です」
と、吉岡先生はワタシにその人を紹介してくれた。
「はじめまして、あなたが菅原乃亜ちゃんだね。
妻から話を聞いてますよ。」
と、ご主人はようやく笑みを浮かべた。
ワタシは慌てて頭を下げた。
「それは、わかります。」
「だから、内外から沢山の批判にさらされながらも実験に踏み切ったからには何が何でも成功させなきゃいけないの。
それもタイムスケジュール通りにね。」
「はい…」
「乃亜ちゃんは、これから半年以内に国がピックアップした男性とお見合いを行い、お互いに気に入ればそのまま結婚する形になり、出産まで持っていく形になります。
元カノさんの場合、半年後だと、まだ男性に性転換後の慣らし運転中だから、とてもじゃないけどその段階まで達してないと思う。」
「そうですね…
やっぱりムリか…」
「でも、乃亜ちゃんには今回の件で、国も大きな借りが出来たと思うのね。
だから、ワタシも出来るかぎり、元カノさんとの事を推してみる。」
「ありがとうございます。」
「それにね
性転換者同士のカップルの孕妊性も調べてみたいというのもあるしね。」
「先生、是非よろしくお願いします。」
ワタシは一縷の望みに賭けたいと思い、先生に心からのお願いをした。
「さあ、着いたわよ。」
閑静な住宅街に先生のお家はあった。
「わあ、すごく大きなお家ですね」
「両親と同居してるのよ。」
「そうなんですね」
車から降りたワタシは、吉岡先生に案内されて門扉を開けて入った。
でも、気付いた事がある。
表札の名前が吉岡と高山と二つあった。
ワタシが不思議そうにしているのに気付いたのか、吉岡先生は
「高山は主人の姓なの。
仕事では吉岡を名乗っているんだけど、戸籍上はワタシも高山なの。」
先生はそう言って笑い、ドアを開けた。
「ただいま」
中に向かって声をかけると、ドタドタと音を立てて、奥から女の子が出てきた。
「おかえりーっ、ママ!」
可愛い顔してる
小学一年生くらいかなあ
吉岡先生に抱きついて離れようとしない。
あっ、そうか
吉岡先生って、ずっとセンターでワタシ達と寝泊まりしてるから、お家には全然帰れてないんだ。
「みいちゃん
お客様が来てくれてるのよ。ちゃんとご挨拶して。」
「このお姉ちゃん、だれ?」
ようやく、ワタシの存在に気づいてくれたようだ。
「いらっしゃい」
今度は奥から男性が現れた。
眼鏡をかけてて、何か冷たい目つきの人だ。
「乃亜ちゃん、主人です」
と、吉岡先生はワタシにその人を紹介してくれた。
「はじめまして、あなたが菅原乃亜ちゃんだね。
妻から話を聞いてますよ。」
と、ご主人はようやく笑みを浮かべた。
ワタシは慌てて頭を下げた。
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