転移先は超過保護な人のもと

マナミ

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お披露日の会場の様子

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ワープ魔法で会場に移動した夏梅は、景色が一瞬で切り替わり心臓バクバクであるが、セバスチャンの教育のおかげで一切顔に出さず、笑顔で乗り切った。

すると何やら周りが騒がしい事に気が付いた。

(???)

顔には一切出さずに笑顔を浮かべながら、頭の中ははてなマークでいっぱいである。

(なんで皆こっち見てくるのかな…もしかしてやっぱり場違いな服なのかな…。でも皆問題ないって言ってくれたし…。ッあ!そっか!この世界の人と私見た目全然違うもの。そりゃ見られちゃうよね。でもまぁ見た目はどうにもならないし、割り切って笑顔で乗り切ろう!)

夏梅はこうして調子を取り戻したが、それが全然見当違いであることには全く気が付いていない。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

テラージside



(やはり見られているな…。夏梅が可愛いから見られているのであろうが。やはりもっと地味な格好にさせればよかったのだろうか。夏梅はこの視線の中キチンとセバスチャンから言われた事を守っているようだ。えらいえらい。流石は夏梅だ。初めてワープ魔法をかけられ見知らぬ場所に降り立ち、しかもこの視線の中なのによく笑顔を保てている。えらいぞ。…と、兄上がこっちを見てる。なになに…?ああ、夏梅の紹介をするんだな。分かった今すぐ連れていこう。)

陛下とテラージは何やら目線で会話したようだ。


「夏梅。兄上のもとに行くぞ。夏梅の紹介をしたいようだ。」

「ッはい!頑張ります!」

(夏梅は勘違いしているようだが、夏梅がおかしくて見られているわけではなくて、夏梅が可愛いから見られているんだがな…。まあそう勘違いしている方が外野を蹴散らしやすいし、このままにしておこう。)

こうして夏梅は勘違いをそのままにされ、気づかずに外堀が埋められるのであった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




夏梅とテラージは陛下に促され、陛下の前まで行く。

「では皆に紹介しよう。この度私とテラージの娘になった夏梅である。そして騎士団長マックレガーと伯爵セバスチャンが夏梅の夫となる。皆の者どうかよしなに頼むぞ。」




(……えええ⁉⁉セバスチャンさん伯爵だったのぉ⁉⁉……全っ然知らなかった…。今度からセバスチャン様とかセバスチャン伯爵とかって言わなきゃならないかな…。ッ!私セバスチャンさんにお世話してもらっている…。下着とか洗ってもらっているし…。うわわわっどうしようーーーー!)

内心感情の起伏が忙しい夏梅である。




「では紹介も終わったことだし、皆もどうかパーティーを楽しんでくれ。」

陛下がなんか言っていたが夏梅は内心パニック状態なので全く聞いてなかった。




陛下が夏梅のもとに来た事にも気付かない。




「…夏梅よ。パーティーはどうだい?楽しんでいるか?」

(ハッ⁉いけないいけない。パーティーに集中しなきゃ!)

「はい!とっても楽しいです!この度はこの様なパーティーを開いて下さり、ありがとうございます!」

「いんや、構わん構わん。夏梅ちゃんは余とテラージの娘であるからな、これくらい当然だよ。今日は楽しんでくれ。美味しいご飯もいっぱいあるぞ。」

(ご飯…!何があるんだろうなぁ気になるぅ!)

「はい!ありがとうございます!」

「よいよい。好きなもの食べてくれ。何が食べたい?」

夏梅は陛下に促され、料理が沢山置かれているスペースまで行く。

(うわぁぁ!美味しそうー!)

目の前には所狭しと並べられている料理があった。
飲み物やデザートも沢山ある。

どれも一口サイズでお皿に少しづつのせるタイプのようだ。
迷ったが、夏梅はハンバーグとパスタとサラダに決めた。

早速渡されたお皿にのせようとすると…

「余が取ってやろう。どれ、何が食べたい?」

陛下が夏梅のお皿を奪い、促す。

「ぁ…。ぇと、じゃあハンバーグとパスタとサラダをお願いします。」

「おお、あい分かった。」

陛下は早速言われた通りの料理を皿に盛る。

そして夏梅に給餌を始める。




「「「「⁉⁉⁉⁉⁉⁉」」」」



この世界では給餌行為は求愛行動と一緒である。


密かに二人の様子を窺っていた周囲は言葉に出さずとも内心驚愕していることだろう。
なんせ陛下は即位してから一度たりとも女性に求愛行為をしたことがないのだから。



(陛下が給餌…⁉)
(陛下はこの異世界人と子をなすつもりか⁉)
(じゃあ我が子は陛下の妃にはなれないの⁉)
(なんてこと…!すぐ皆に知らせなければ!)
(ぁあ…陛下の妃は我が子のものだったのに…)


こうして様々な反応を示す外野。


外野の反応をしたり顔で見つめる陛下。
陛下の思惑通りに事が運び、嬉しくてたまらない。



(しめしめ…出来るだけ沢山の者に言いふらしてくれよな。…これで夏梅は私のものだと皆も認知してくれたようだし、余にいらん女あてがう奴ももう現れんだろう。…ああそうさ、余は夏梅ちゃん以外興味はないし、愛しい女は夏梅ちゃんのみさ。これで男も蹴散らせれるといいがなぁ…。あそこに2名、あそこに5名、夏梅ちゃんを狙っている男がいる、警戒しなければ…。テラージも気付いたようだ。後でテラージと相談しよう。)







この時すぐ対策を取らなかった陛下は、この時のことを心底悔やむのであった。
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