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第4巻
第26話 冬の常連たち
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十二月。
バーを開けて一年半が経った。
この頃には、常連と呼べる客が十人ほどいた。
ユーリは毎週来た。アメリアは詰まる度に来た。ドラニは月に一度、近況報告に来た。セレナ妃は季節ごとに来た。農民夫婦は新年と夏の終わりに来た。
知らない顔も来た。悩みを抱えた若者。仕事に疲れた職人。迷子になって入ってきた旅人。
その一人一人に、グラスを出して、話を聞いた。
ルーカスはカウンターを磨きながら、思った。
東京のルーナが一巻から二巻にかけて、少しずつ常連の輪が広がっていったように——こちらのルーナも、同じように広がっていた。
場所が変わっても、仕事の形は同じだ。
深夜に開いていて、誰でも来られて、話を聞いて、渇望に応えるグラスを出す。
それが、ルーカスの仕事だった。
「変なものだ」
一人で言った。
今夜は自分でも笑えた。
また言ってしまった、と思った。
でも言いたかった。
この口癖が、自分の一部になっていた。
東京でもこの世界でも、同じ言葉を言っている。
それが、自分が自分であることの証明のような気がした。
バーを開けて一年半が経った。
この頃には、常連と呼べる客が十人ほどいた。
ユーリは毎週来た。アメリアは詰まる度に来た。ドラニは月に一度、近況報告に来た。セレナ妃は季節ごとに来た。農民夫婦は新年と夏の終わりに来た。
知らない顔も来た。悩みを抱えた若者。仕事に疲れた職人。迷子になって入ってきた旅人。
その一人一人に、グラスを出して、話を聞いた。
ルーカスはカウンターを磨きながら、思った。
東京のルーナが一巻から二巻にかけて、少しずつ常連の輪が広がっていったように——こちらのルーナも、同じように広がっていた。
場所が変わっても、仕事の形は同じだ。
深夜に開いていて、誰でも来られて、話を聞いて、渇望に応えるグラスを出す。
それが、ルーカスの仕事だった。
「変なものだ」
一人で言った。
今夜は自分でも笑えた。
また言ってしまった、と思った。
でも言いたかった。
この口癖が、自分の一部になっていた。
東京でもこの世界でも、同じ言葉を言っている。
それが、自分が自分であることの証明のような気がした。
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