『異界酒場 ルーナ』

みぎみみ

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第6巻

第25話 冬の決断

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十二月。

三度目の冬。

ルーカスは一人でカウンターに座って、これからのことを考えた。

今の形——東京とヴァルドを行き来する——が、続けられる間は続けたい。

でもいつか、どちらかに多くの時間を使うようになるかもしれない。

高橋夫妻が続けられる間は、東京のルーナは続く。アメリアがいる間は、転移の技術は守られる。

でも——人は変わる。環境は変わる。

その時に、どうするか。

「……今夜は、まだ決めない」

声に出した。

今夜は決めなくていい。

今夜は、今夜だけを生きればいい。

「変なものだ」

笑った。

この言葉が出る時は、たいてい考えすぎている時だ。

考えすぎから戻ってくる言葉として、この口癖が機能している。

「今夜も、よかった」

もう一つの言葉を言った。

今夜が良かったか——まだ終わっていないが。

でも、今夜は良い夜になりそうだ。

雪が降り始めた。
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