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第7話 (村瀬視点)
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俺、村瀬 友樹は失敗を繰り返す愚か者です殺してください。
俺は早速バスケ部に入部したことを後悔している。なぜなら完全に場違いだから。ここは陽キャの巣窟で、俺みたいな陰キャがいていい場所じゃない。
スポーツ大好き脳筋両親から突然変異で生まれた俺は、漫画アニメゲームが大好きで同類としか上手く話せない典型的陰キャなのに、「運動部に入れ」という親と兄の命令によって中学でバレー部に入った。
はい、まずこれが間違いです。一応脳筋両親のDNAは受け継いでいて運動神経は悪くない俺は謎の偏見とプライドがあり、運動部の中では比較的静かな子が集まる卓球部は避けたのだ。家族も「卓球部はギリ文化部」と言っていたし、うちの中学の卓球部は顧問もゆるいから特にその色が強かったのだ。
まぁ、中学デビューを狙っていなかったと言えば嘘になるが。
同年代の中では身長の高かった俺は、仮入部で体育館を訪れた際にバレー部からめちゃくちゃ勧誘されたのだ。ここに入れば俺も陽キャの仲間入り、あの大人気バレー漫画みたいに熱い青春が送れるかもと思ってしまったのだ。
そして孤立した。バレー部に入っただけでは俺のコミュニケーション能力は変わらないんだから当たり前だ。最初は話しかけてもらえたが、オタクな俺は陽キャの話についていけず互いに気まずくなるばかりなので次第に必要最低限しか話してもらえなくなった。そもそも陽キャに話しかけられると緊張するので俺も避けてしまったてたし。
そんな中学時代はクラスに趣味の合うオタク仲間がいたことが唯一の救いだった。
しかし高校に入学するとクラスでオタク仲間になれそうな人が見当たらない。どいつもこいつもキラキラして見える。これでは本当に孤独だ。
高校でも運動部に入れと命じられているが、今度こそは身の丈にあった部活に入ろう。
いやでも俺身長高いしバレー経験者だし、案外いけるんじゃね?パンピーが好むアニメだって履修済みだからきっと会話もできる。むしろクラスに仲間がいないんだから部活でカースト上昇を狙うしかないだろ。
そう考えて一応バレー部の練習場所に向かった。やはり経験者ということと身長で喜んでもらえたが、先輩やバレー部を見に来た他の1年生たちがみんなキラキラしていたのですぐに中学時代の繰り返しになる予感がした。
そうしてすごすごとバレー部のもとを立ち去ると、とても爽やかな好青年と目が合った。
「君1年生?よかったらバスケ部も見ていかない?」
「え、あ、はい…」
バスケ部なんて絶対無理だ陽キャ中の陽キャというイメージしかない。実際中学でもそうだったし、バスケ漫画はヤンキーのやつと様々な色のイケメンのやつしか知らない。アメリカの映画ではバスケ部って大体いじめっ子だし。
しかし俺にはこんな光属性からの言葉を断る勇気は無く、おどおどとバスケ部の練習場所に向かうのだった。
(ひぃーやっぱりみんな陽キャじゃないか。早く帰りたい)
先輩たちからの「もっと腰落とすといいよ」「上手いじゃん」などの言葉にキョドりながら1人ドリブル練習をしていると、次はペアでやってみようと恐ろしいことを言われる。
(さすがにそれは無理。みんなが動くのに紛れて出ていこう…)
そうして気配を殺して出口に向かっていると「一緒にやろ?」と突然声をかけられ飛び上がる。
「ごめんね驚かせちゃった?もし良かったらペアになってほしいんだけど」
「あ、はい。大丈夫です」
「よかった。あ、俺は佐野薫。よろしくね」
「村瀬友樹です。よろしくお願いします…」
なんだこいつ天の使いか?!眩しすぎてあの世に来てしまったのかと思った。リアルでこんなに美しい顔の人間見たことない。本当に人間なのか?
佐野君のあまりの眩しさに現実感が無く、それからの練習はあまり覚えていない。
「ありがとう楽しかった。村瀬はバスケ部入るの?」
「あ、どうしようかな…」
「俺はバスケ部入る予定だから、もし村瀬も入るならその時はよろしくね。仲良くしよ」
「あ、うん」
うわーまさか高校で初めて仲良くなれた人がこんなキラキラした綺麗な人だなんて…
「じゃあね」と小さく手を振り去っていく佐野君をぼーっと見つめていると、後ろから来たキリッとしたイケメンに一瞬鋭く睨まれて「ひっ…」と情けない声が出る。
しかし、佐野君がいるならバスケ部でもやっていけるかもな。
そう思ったのが二度目の間違い。
佐野君のそばにはあの怖いイケメンがずっと張り付いてるし、そもそも佐野君は人気すぎて近付けない。
佐野君の方から話しかけてくれることはあるが、その度に佐野君の背後から清水君が恐ろしい目で俺を見てくるのだ。
やっぱり陽キャの巣窟は俺がいていい場所じゃない…結局未だにクラスにも馴染めず教室の隅で1人飯だし。いや別に隅に追いやられてるわけじゃないぞ。最初から端の席なんだよ。
心の中でいただきますを唱えて弁当の蓋を開けると、目の前にある教室のドアから誰かが入ってきて俺の目の前で止まった。
「村瀬じゃん!1人で食ってんの?俺も一緒に食っていい?」
何かと思ったらこいつはバスケ部1年のド陽キャ川島じゃないか!
川島は俺の返事を聞く前に廊下を走っていき、弁当を持ってすぐに戻ってきた。そして隣の席の椅子を俺の正面に持ってきて腰を下ろし、机に弁当を広げる。
「いやー助かったー。いつも一緒に食ってたのに急に清水が佐野を連れてどっか行っちゃってさぁ。クラスの他の友だちはサッカー部で集まってるから話ついていけねーしさ」
「え、あ、そうなんだ…」
川島は一人でどんどん喋ってしまうのでそれに相槌を打つので精一杯だ。まぁ返事を期待する喋り方をされても上手く返せないから助かるが。
それからというもの、昼休みになると毎回川島がやって来るようになった。こんなド陽キャと話せるはずないと思っていたが、川島は俺のキョドりも全く気にしないし、次第に普通に話せるようになっていった。
まぁ、せっかくだからもう少しバスケ部を続けてみてもいいかな。
俺は早速バスケ部に入部したことを後悔している。なぜなら完全に場違いだから。ここは陽キャの巣窟で、俺みたいな陰キャがいていい場所じゃない。
スポーツ大好き脳筋両親から突然変異で生まれた俺は、漫画アニメゲームが大好きで同類としか上手く話せない典型的陰キャなのに、「運動部に入れ」という親と兄の命令によって中学でバレー部に入った。
はい、まずこれが間違いです。一応脳筋両親のDNAは受け継いでいて運動神経は悪くない俺は謎の偏見とプライドがあり、運動部の中では比較的静かな子が集まる卓球部は避けたのだ。家族も「卓球部はギリ文化部」と言っていたし、うちの中学の卓球部は顧問もゆるいから特にその色が強かったのだ。
まぁ、中学デビューを狙っていなかったと言えば嘘になるが。
同年代の中では身長の高かった俺は、仮入部で体育館を訪れた際にバレー部からめちゃくちゃ勧誘されたのだ。ここに入れば俺も陽キャの仲間入り、あの大人気バレー漫画みたいに熱い青春が送れるかもと思ってしまったのだ。
そして孤立した。バレー部に入っただけでは俺のコミュニケーション能力は変わらないんだから当たり前だ。最初は話しかけてもらえたが、オタクな俺は陽キャの話についていけず互いに気まずくなるばかりなので次第に必要最低限しか話してもらえなくなった。そもそも陽キャに話しかけられると緊張するので俺も避けてしまったてたし。
そんな中学時代はクラスに趣味の合うオタク仲間がいたことが唯一の救いだった。
しかし高校に入学するとクラスでオタク仲間になれそうな人が見当たらない。どいつもこいつもキラキラして見える。これでは本当に孤独だ。
高校でも運動部に入れと命じられているが、今度こそは身の丈にあった部活に入ろう。
いやでも俺身長高いしバレー経験者だし、案外いけるんじゃね?パンピーが好むアニメだって履修済みだからきっと会話もできる。むしろクラスに仲間がいないんだから部活でカースト上昇を狙うしかないだろ。
そう考えて一応バレー部の練習場所に向かった。やはり経験者ということと身長で喜んでもらえたが、先輩やバレー部を見に来た他の1年生たちがみんなキラキラしていたのですぐに中学時代の繰り返しになる予感がした。
そうしてすごすごとバレー部のもとを立ち去ると、とても爽やかな好青年と目が合った。
「君1年生?よかったらバスケ部も見ていかない?」
「え、あ、はい…」
バスケ部なんて絶対無理だ陽キャ中の陽キャというイメージしかない。実際中学でもそうだったし、バスケ漫画はヤンキーのやつと様々な色のイケメンのやつしか知らない。アメリカの映画ではバスケ部って大体いじめっ子だし。
しかし俺にはこんな光属性からの言葉を断る勇気は無く、おどおどとバスケ部の練習場所に向かうのだった。
(ひぃーやっぱりみんな陽キャじゃないか。早く帰りたい)
先輩たちからの「もっと腰落とすといいよ」「上手いじゃん」などの言葉にキョドりながら1人ドリブル練習をしていると、次はペアでやってみようと恐ろしいことを言われる。
(さすがにそれは無理。みんなが動くのに紛れて出ていこう…)
そうして気配を殺して出口に向かっていると「一緒にやろ?」と突然声をかけられ飛び上がる。
「ごめんね驚かせちゃった?もし良かったらペアになってほしいんだけど」
「あ、はい。大丈夫です」
「よかった。あ、俺は佐野薫。よろしくね」
「村瀬友樹です。よろしくお願いします…」
なんだこいつ天の使いか?!眩しすぎてあの世に来てしまったのかと思った。リアルでこんなに美しい顔の人間見たことない。本当に人間なのか?
佐野君のあまりの眩しさに現実感が無く、それからの練習はあまり覚えていない。
「ありがとう楽しかった。村瀬はバスケ部入るの?」
「あ、どうしようかな…」
「俺はバスケ部入る予定だから、もし村瀬も入るならその時はよろしくね。仲良くしよ」
「あ、うん」
うわーまさか高校で初めて仲良くなれた人がこんなキラキラした綺麗な人だなんて…
「じゃあね」と小さく手を振り去っていく佐野君をぼーっと見つめていると、後ろから来たキリッとしたイケメンに一瞬鋭く睨まれて「ひっ…」と情けない声が出る。
しかし、佐野君がいるならバスケ部でもやっていけるかもな。
そう思ったのが二度目の間違い。
佐野君のそばにはあの怖いイケメンがずっと張り付いてるし、そもそも佐野君は人気すぎて近付けない。
佐野君の方から話しかけてくれることはあるが、その度に佐野君の背後から清水君が恐ろしい目で俺を見てくるのだ。
やっぱり陽キャの巣窟は俺がいていい場所じゃない…結局未だにクラスにも馴染めず教室の隅で1人飯だし。いや別に隅に追いやられてるわけじゃないぞ。最初から端の席なんだよ。
心の中でいただきますを唱えて弁当の蓋を開けると、目の前にある教室のドアから誰かが入ってきて俺の目の前で止まった。
「村瀬じゃん!1人で食ってんの?俺も一緒に食っていい?」
何かと思ったらこいつはバスケ部1年のド陽キャ川島じゃないか!
川島は俺の返事を聞く前に廊下を走っていき、弁当を持ってすぐに戻ってきた。そして隣の席の椅子を俺の正面に持ってきて腰を下ろし、机に弁当を広げる。
「いやー助かったー。いつも一緒に食ってたのに急に清水が佐野を連れてどっか行っちゃってさぁ。クラスの他の友だちはサッカー部で集まってるから話ついていけねーしさ」
「え、あ、そうなんだ…」
川島は一人でどんどん喋ってしまうのでそれに相槌を打つので精一杯だ。まぁ返事を期待する喋り方をされても上手く返せないから助かるが。
それからというもの、昼休みになると毎回川島がやって来るようになった。こんなド陽キャと話せるはずないと思っていたが、川島は俺のキョドりも全く気にしないし、次第に普通に話せるようになっていった。
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