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フェルミンの第三勢力編
第27話 奥義の条件
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活動において何より功を奏したのは、ハチグサがやたらと演技の上手い男だったということだ。というのも、彼は盗賊へ堕ちる前は、劇団員を目指していたらしい。
しかし、その入団試験で審査員に必要以上にボロボロに批評され、真っ当に生きる事を辞めたのだという。だからと言って、真面目に生きる人間を邪魔する理由にはならないとは思うけど。
「いやはや、自分の経験なんて、どこで役にも立つのか分からンもんでござんすねェ」
「それはそうだが、その喋り方はなんだ?」
「あっしの好きだった俳優に、トラサンっちゅう人がおってですねェ。その人の真似でさァ」
「……まぁ、よく分からんが。お前が楽しそうで何よりだ」
そして、三日が経った頃。冒険者たちの中では、すっかりとゴクドーの存在が認知され、同じくして、シロウさんはロリコン勇者であるという噂も広がっていた。
「どうやら、彼らが派閥のリーダー同士だったみたいですよ。本当に、戦争が始まる一歩手前で食い止めたんですね」
「よかったっすね。でも、シロウさんはロリコン扱いですよ」
「しゃーねえよ。悪いな、モモコ。変な話になっちまって」
「……それは、全然いいんですよ。問題は、私がロリ扱いされてることです」
本気で怒ってるのが、もはや笑えてくるくらい意味がわからなかった。この子、自覚してなかったの?
「いや、だってモモコは完全にロリじゃ……」
瞬間、アオヤ君は彼女の表情から何かを察したように口を噤み、「てやんでぇ」と呟いてから目を逸らした。段々、彼女のツボを抑えてきたみたいだ。
「なにはともあれ、ゴクドーの存在はフェルミンを大きく変えました。これで、ようやく旅を再開する事が出来ますよ」
「そうっすね。なんか、早くバトルしたいっす」
「アオヤ君の口からそんな言葉が出るなんて、珍しいね」
そんな話をしながら街の外へ向かっていると、その途中でマリンちゃんとセバスさんに出会った。どうやら、俺たちを待っていたようだ。
「みなさん、本当にありがとうございました。リク様含めた貴族の方々は、現在対応に追われてお見送りに来れなかったようですので、代わりにわたくしがお礼をさせていただきます」
言って、セバスさんは深く頭を下げた。
「いいって、そんじゃな」
それだけを残し、シロウさんは門の外へ出て行く。そして、マリンちゃんはアオヤ君に近づくと、こしょこしょと呟いてから頬を赤く染めて、小さく手を振っていた。
「何言われたの?」
「よくわかんないっすけど、大きくなったら僕のお嫁さんになるらしいです」
「へぇ、よかったじゃん。なら、必ず生きて帰ってこないとね」
「まぁ、悪い気はしないっすけど、僕はもっと、大人な感じの方が好みなんすよ」
……今、特大の死亡フラグを無意識に回避しなかった?
「ただ、マリンには死んでほしくないっす。なので、この前よりは少しだけやる気になりましたよ」
「へぇ、そりゃいい話だな。館では、何があったんだ?」
「あ、それはですね~」
そして、アオヤ君の館の中で過ごした日の事を、興味津々に聞いていたシロウさんであった。この人、俺たちの恋愛事情に興味持ちすぎでしょ。
× × ×
「アオヤ、行けそうか?」
「行けなくはないんですけど、なんかさっきからずっとおかしいんすよ」
「おかしい?体の具合でも悪いのか?」
「いや、むしろ気分は絶好調なんですけど、なんか幻聴的なモノが聞こえるんですよね」
「幻聴か。そりゃ変だな」
次の街へ向かう途中、バトルがしたいというアオヤ君のリクエストに答えて、俺たちはダンジョンに来ていた。現在は、ボス部屋の手前。ここから見るに、敵は巨大なデビルカチョーみたいだ。
「はい。こう、ホーリーランスが話しかけてきてるっつーか」
「……あれ、なんか似たような事を、前にモモコちゃんが言ってなかったっけ」
「あぁ、それ多分、アオヤが奥義使えるようになったんですよ」
「えっ?マジ?」
ピコン、と。彼の頭の上にビックリマークが浮かんだような気がした。
「マジだよ。私も同じような感じだったし、一回やってみれば?」
「そうするわ。シロウさん、ちょっとカマしちゃっていいすか?」
「いいよ。俺が着いてくから、二人は離れておいてくれな」
「わ、分かりました」
言って、彼らはカチョーに迫ると、口上も聞かずに攻撃を始めた。
「あぁ、っべーっす!シロウさん!ちょ、こいつめっちゃボソボソ話しかけてくるんですけど!ゲイがどうとか言ってるんですけど!」
「ゲイって、あのゲイか?」
「分かんないっすよ!ちょっと、ホーリーランス!もう少しはっきり喋って!」
そんなやり取りを続けていると、いつの間にかアオヤ君を中心に、青い風が渦巻いていた。次第に、声がハッキリと聞こえてくるようになったのか、彼は落ち着きを取り戻して、ゆっくりと目を閉じた。
「ボルグ?……あぁ、それが君の本当の名前なんだ。技は……、へぇ、そうなんだ」
「あいつ、なんで宝具と普通に会話してるんですかね」
「わかんないよ。というか、モモコちゃん随分落ち着いてるね」
「だって、シロウさんがここに居ろって言ったから……」
まるで、夜の外出を父親に認めてもらえない子供のようだった。まぁ、実際認めて貰ってないし子供なんだけど。
なんてことを考えながら、時折、援護射撃を挟みつつアオヤ君の準備が整うまでの時間を稼ぐ。シロウさんは、直接的な命令をしなかったが、代わりにタイミングを示すように俺に目配せをしている。俺たちは、最低限の労力でカチョーを捌けるほどに成長していたようだ。
「シロウさん、おまたせしました!行けますよ~」
「おう、じゃあ頼むわ」
言って、迫っていた拳にホーリーセイバーの刃を叩きつけると、真っ二つに割れて体を避けた肉を掴み、その下を潜ってカチョーから離れた。
瞬間、アオヤ君はホーリーランスを二回転させて、地面につけていた先端付近を掴んだ。そして、グッと強く地面を踏みつけると、槍のある右半身をその場に残して思い切り振り被る。青い風が、槍を包む。ホーリーランスに巻き付いているバンテージが旗のように強く揺らめくと、真空を纏ってその手を離れた!
「セイクリッド……ストライクッ!!」
インパクトから、数舜だけ遅れて聞こえて来た雷のような炸裂音。放たれた槍は、一直線にカチョーを貫き、どてっぱらにぽっかりと穴をあけた。コルク栓を抜いた瓶の口のように、綺麗な丸い形は、ダンジョンの奥にまで長く続いている。まるで、そこには最初から何も無かったみたいだ。
「し、シロウさん!」
「やったな、アオヤ。こいつは、お前が本気で守りたいと思う人間が出来たから、使えるようになったんだ」
「やったぁ~!」
跳ねて喜ぶ隣で、カチョーは自分の死にも気づいていない。まさに、神速の一撃。それに、技もちゃんと聖なる力っぽいのがグッド。
「でも、ホーリーランスはどこまで行っちゃったんですかね」
言って、四人で穴の向こうをのぞき込む。背後からカチョーが襲ってきていたが、俺たちに攻撃する直前で、ドサッと地面に倒れた。
「……あ、かなり向こうだけど、穴の奥に刺さってるよ」
「へぇ、よく見えますね。私なら入れるし、ちょっと取ってきましょうか?」
「待て待て、こんな穴に入ったら、呼吸できなくて死んじまうよ。真上まで言って、掘り当てよう」
「分っかりましたよ~」
そして、俺たちはダンジョンを後にした。ようやく、勇者パーティらしい戦力が整ってきたと言えるんじゃないか?
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「あっしの好きだった俳優に、トラサンっちゅう人がおってですねェ。その人の真似でさァ」
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そして、三日が経った頃。冒険者たちの中では、すっかりとゴクドーの存在が認知され、同じくして、シロウさんはロリコン勇者であるという噂も広がっていた。
「どうやら、彼らが派閥のリーダー同士だったみたいですよ。本当に、戦争が始まる一歩手前で食い止めたんですね」
「よかったっすね。でも、シロウさんはロリコン扱いですよ」
「しゃーねえよ。悪いな、モモコ。変な話になっちまって」
「……それは、全然いいんですよ。問題は、私がロリ扱いされてることです」
本気で怒ってるのが、もはや笑えてくるくらい意味がわからなかった。この子、自覚してなかったの?
「いや、だってモモコは完全にロリじゃ……」
瞬間、アオヤ君は彼女の表情から何かを察したように口を噤み、「てやんでぇ」と呟いてから目を逸らした。段々、彼女のツボを抑えてきたみたいだ。
「なにはともあれ、ゴクドーの存在はフェルミンを大きく変えました。これで、ようやく旅を再開する事が出来ますよ」
「そうっすね。なんか、早くバトルしたいっす」
「アオヤ君の口からそんな言葉が出るなんて、珍しいね」
そんな話をしながら街の外へ向かっていると、その途中でマリンちゃんとセバスさんに出会った。どうやら、俺たちを待っていたようだ。
「みなさん、本当にありがとうございました。リク様含めた貴族の方々は、現在対応に追われてお見送りに来れなかったようですので、代わりにわたくしがお礼をさせていただきます」
言って、セバスさんは深く頭を下げた。
「いいって、そんじゃな」
それだけを残し、シロウさんは門の外へ出て行く。そして、マリンちゃんはアオヤ君に近づくと、こしょこしょと呟いてから頬を赤く染めて、小さく手を振っていた。
「何言われたの?」
「よくわかんないっすけど、大きくなったら僕のお嫁さんになるらしいです」
「へぇ、よかったじゃん。なら、必ず生きて帰ってこないとね」
「まぁ、悪い気はしないっすけど、僕はもっと、大人な感じの方が好みなんすよ」
……今、特大の死亡フラグを無意識に回避しなかった?
「ただ、マリンには死んでほしくないっす。なので、この前よりは少しだけやる気になりましたよ」
「へぇ、そりゃいい話だな。館では、何があったんだ?」
「あ、それはですね~」
そして、アオヤ君の館の中で過ごした日の事を、興味津々に聞いていたシロウさんであった。この人、俺たちの恋愛事情に興味持ちすぎでしょ。
× × ×
「アオヤ、行けそうか?」
「行けなくはないんですけど、なんかさっきからずっとおかしいんすよ」
「おかしい?体の具合でも悪いのか?」
「いや、むしろ気分は絶好調なんですけど、なんか幻聴的なモノが聞こえるんですよね」
「幻聴か。そりゃ変だな」
次の街へ向かう途中、バトルがしたいというアオヤ君のリクエストに答えて、俺たちはダンジョンに来ていた。現在は、ボス部屋の手前。ここから見るに、敵は巨大なデビルカチョーみたいだ。
「はい。こう、ホーリーランスが話しかけてきてるっつーか」
「……あれ、なんか似たような事を、前にモモコちゃんが言ってなかったっけ」
「あぁ、それ多分、アオヤが奥義使えるようになったんですよ」
「えっ?マジ?」
ピコン、と。彼の頭の上にビックリマークが浮かんだような気がした。
「マジだよ。私も同じような感じだったし、一回やってみれば?」
「そうするわ。シロウさん、ちょっとカマしちゃっていいすか?」
「いいよ。俺が着いてくから、二人は離れておいてくれな」
「わ、分かりました」
言って、彼らはカチョーに迫ると、口上も聞かずに攻撃を始めた。
「あぁ、っべーっす!シロウさん!ちょ、こいつめっちゃボソボソ話しかけてくるんですけど!ゲイがどうとか言ってるんですけど!」
「ゲイって、あのゲイか?」
「分かんないっすよ!ちょっと、ホーリーランス!もう少しはっきり喋って!」
そんなやり取りを続けていると、いつの間にかアオヤ君を中心に、青い風が渦巻いていた。次第に、声がハッキリと聞こえてくるようになったのか、彼は落ち着きを取り戻して、ゆっくりと目を閉じた。
「ボルグ?……あぁ、それが君の本当の名前なんだ。技は……、へぇ、そうなんだ」
「あいつ、なんで宝具と普通に会話してるんですかね」
「わかんないよ。というか、モモコちゃん随分落ち着いてるね」
「だって、シロウさんがここに居ろって言ったから……」
まるで、夜の外出を父親に認めてもらえない子供のようだった。まぁ、実際認めて貰ってないし子供なんだけど。
なんてことを考えながら、時折、援護射撃を挟みつつアオヤ君の準備が整うまでの時間を稼ぐ。シロウさんは、直接的な命令をしなかったが、代わりにタイミングを示すように俺に目配せをしている。俺たちは、最低限の労力でカチョーを捌けるほどに成長していたようだ。
「シロウさん、おまたせしました!行けますよ~」
「おう、じゃあ頼むわ」
言って、迫っていた拳にホーリーセイバーの刃を叩きつけると、真っ二つに割れて体を避けた肉を掴み、その下を潜ってカチョーから離れた。
瞬間、アオヤ君はホーリーランスを二回転させて、地面につけていた先端付近を掴んだ。そして、グッと強く地面を踏みつけると、槍のある右半身をその場に残して思い切り振り被る。青い風が、槍を包む。ホーリーランスに巻き付いているバンテージが旗のように強く揺らめくと、真空を纏ってその手を離れた!
「セイクリッド……ストライクッ!!」
インパクトから、数舜だけ遅れて聞こえて来た雷のような炸裂音。放たれた槍は、一直線にカチョーを貫き、どてっぱらにぽっかりと穴をあけた。コルク栓を抜いた瓶の口のように、綺麗な丸い形は、ダンジョンの奥にまで長く続いている。まるで、そこには最初から何も無かったみたいだ。
「し、シロウさん!」
「やったな、アオヤ。こいつは、お前が本気で守りたいと思う人間が出来たから、使えるようになったんだ」
「やったぁ~!」
跳ねて喜ぶ隣で、カチョーは自分の死にも気づいていない。まさに、神速の一撃。それに、技もちゃんと聖なる力っぽいのがグッド。
「でも、ホーリーランスはどこまで行っちゃったんですかね」
言って、四人で穴の向こうをのぞき込む。背後からカチョーが襲ってきていたが、俺たちに攻撃する直前で、ドサッと地面に倒れた。
「……あ、かなり向こうだけど、穴の奥に刺さってるよ」
「へぇ、よく見えますね。私なら入れるし、ちょっと取ってきましょうか?」
「待て待て、こんな穴に入ったら、呼吸できなくて死んじまうよ。真上まで言って、掘り当てよう」
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