57 / 71
追放した回復術師が、ハーレムを連れて「ざまぁ」と言いに来た。編
第53話 地獄への招待状
しおりを挟む
咆哮と同時に駆け出した二人を見て、わずかに後ろを走るアオヤ君にウェルブレイブでバブをかける。すると、シロウさんが剣を振りかざした瞬間にアオヤ君は加速して、剣が振り下ろされるよりも先にラゾニエスの肘の向こうへ駆け抜けた。
「甘いッ!」
背中に生えている手を地面に叩きつけて、その衝撃波でアオヤ君を吹き飛ばそうと試みる。しかし、それを読んでいたシロウさんがフェザブロクで自身の防御力を底上げして、スライディングで波とアオヤ君の間に滑り込んだ。
その隙間を縫って、矢を放つ。スペルアローという魔力を込めるスキルで威力を高め、更に爆薬で加速した矢は一直線に飛んでいく。ヤツはそれを払って防ぐ。軌道はそらされたが、それでも矢はこめかみの辺りを貫いた。
「モモコちゃん、準備だ」
「はい!」
桃色の炎が、ホーリーロッドの先端に集まる。それを探知したのか、ラゾニエスは反対側の手で大岩を掴み取り、モモコちゃんに向かって投げつけた。なるほど、見た目通りかなり器用だ。おまけに冷静で、しっかりと戦場の全体を見ている。隙を突くのは、かなり難しいな。
「大丈夫、そのまま」
瞬間的にアオヤ君へのバフを解き、俺自身をフェザブレイブで強化して、爆発矢を放った後に再度前衛の二人を見る。砕けた岩の破片が飛び散り、刹那的に俺とモモコちゃんに、ラゾニエスを隠す壁が出来上がった。
「スキル、ホワイトミラージュ。ウォォォラッ!!」
……そういう事ですね。
戦斧の強烈な一撃をアッパースイングで打ち上げて、アオヤ君が俺たちの体ほどもある巨大な腕をホーリーランスで突き刺す。ダメージは通っているが、武器を落とすほどではない。
「アオヤ!逆だ!」
防いだ瞬間に、逆方向から力の塊のような拳がアオヤ君に目掛けて飛んでくる。サイドステップは、僅かに間に合わない。肩をかすめて体を吹き飛ばし、100メートル以上離れた壁にめり込んだ。
「回復します!モモコちゃん、シロウさんのフォローを!」
指差したのは、天井だ。そこへ向けてモモコちゃんがヴェルフレアを放つと、衝撃の後に岩が降り注ぐ。当然、それはダメージを与えるための行動ではなく目眩ましだ。
「そんな小細工、このラゾニエスには通用せんぞォッ!!」
ラゾニエスは逆に飛び上がり、空中で岩を掴み取ると、まだ動けないアオヤ君に向かって岩を振りかぶる。
だが、それは読んでる。
「ヌルいぜ」
落ちてきた岩を駆け上がってラゾニエスのところまで行くと、シロウさんは顔面に向かってソードオフを2発撃ち込んで、さらにホーリーセイバーで腕の一本を切り落とした。
しかし、ほとんどダメージはなかったようだ。ヤツは拳2つを固めて握り頭上に振りかざすと、シロウさんに思い切り叩きつけた。マズイ、あのまま地面に直撃したら、体が弾け飛ぶ!
「アオヤ君、頼む!」
「心配いらねっすよ。スキル、エアブロク」
回復したアオヤ君は、ブロクのその先にある新しいスキル、エアブロクを唱えてシロウさんの体に風の抵抗力を与えた。斬撃には弱い反面、重たい一撃には絶大な効果を発揮するそれは、全てとは言わずとも、衝撃を受け止めてシロウさんの命を繋いだ。
「グッドだ。もう2発、ブチ込むぜ」
落下してくるラゾニエスの肩と足に1発ずつ、爆薬入りの弾丸を打ち込む。弾丸は、体内で止まるように設計された特別製だ。
「何を企んでいる。こんなもの、ダメージは……」
瞬間、ラゾニエスは何故か体に力を込めた。
「こっちの方が一手早いッ!モモコちゃん!」
「スキル、ヘヴフレア!ウオオォォォオオ!!」
巨大な桃色の火球を、着地による一瞬の降着を逃さない。着弾した瞬間、体内の弾丸もろとも燃え盛り、聖なる炎がラゾニエスの体を包む。そして、10秒ほど経った頃に、アオヤ君が呟いた。
「やったっすか?」
その数瞬の後、爆炎の中から巨大な戦斧がアオヤ君目掛けて振り下ろされた。マズイ!気が緩んだ隙を狙われた!
「死なせねぇんだよ」
シロウさんはすぐにホーリーセイバーを構えて、アオヤ君の前に立ち塞がる。だが、バフの無い状態であの巨大なパワーを受けきれるハズも無かった。
折れない武器ごと押し込まれて、踏ん張る足と腰が内側から破裂し、しかしそれでもアオヤ君が離脱する時間を稼いでから、大量の血を噴き出しながら岩盤に埋め込まれてしまった。
あいつ、炎の中で耐えていたのか。しかし、何故生きて……。
「ボルスロイは、硬さでいえば我よりも上だった。ヤツを砕くなら、体内からだろう。それに、弾丸の形が魔王様が作り出したモノとは違った。貴様らが意味の無い事をしないのは、我々全員が知っている事だ」
それに気がついて、弾丸を体外に排出したのか。なんてヤツだ。
「……やるじゃねえか、コノヤロウ」
なんとか回復を掛けたが、穴から這い出して来たシロウさんはもう満身創痍だ。そこに向かって再び拳を数個構えると、ラゾニエスは全てを叩き込む。
「キータ!モモコ!」
掛け声とともに、モモコちゃんがヘヴフレアを唱える。爆炎の影に隠れて、アオヤ君が俺のところへ戻ってきた。シロウさんが、炎を免れた拳に刃を突き立てて防ぎ、しかし打ち漏らした一撃が横薙ぎに体を捉える。
「ゴッフ……」
……間違いなく、意識がトんでいる。しかし、猛攻は留まることを知らず、無意識に拳を掴んで受け止めたシロウさんに向かって、怒涛のラッシュを見舞った。
でも、落ち着け。俺は、既に託されている。だから、例え誰の命であっても、ここにあるものを差別してはいけないんだ。
「行くよ、アオヤ君」
「……はい」
焦る気持ちを抑えて、慎重に弓を構える。しかし、いつもとは違う。足でガッチリと、横に強固に構えて、両手で弦を限界以上に引き絞る。本来弓ではあり得ない構えだ。
……扉のところに、クロウの姿が見える。天才には、この技がどう見えるだろうか。
「アオヤ君、走れッ!」
放ったのは、アオヤ君がセットしたホーリーランスだ。大口径に改造を施した弓から射出されたそれが、空を切る低くて太い音を鳴らして目標に向かう。
「セイクリッド……」
ダッシュしながら唱えるアオヤ君に、矢が追いついた。
「ストライクッッ!!ドルァァァァアア!!」
爆薬で加速したそれを空中で掴むと、アオヤ君は最高火力である奥義の勢いをさらに上乗せして、身に付けている衣服を衝撃で千切りながら身を空中で捻り、折り返して一直線に投げつけた!
「そんな攻撃が……」
「へっへっ……。ホワイトミラージュ、忘れてねえか?」
ラゾニエスが見ているのとは真逆の方向から、本物のホーリーランスが飛来する。シロウさんが唱えた瞬間からずっと、お前の後ろにいたッ!
「食らいやがれ、クソッたれ!!」
アオヤ君の叫びが、鮮明に轟く。そして。
「バカ、な……。まおう……さま……」
亜高速を超えた本物の光の槍は、シロウさんの顔面スレスレを通ってラゾニエスの胸に直撃。貫いてぼ真っ白な光を灯すと、シロウさんを掴む手を残して、上半身の全てを完全に消滅させた。
「シロウさん、大丈夫ですか?」
体を手から引き剥がして、ポーションを飲ませながら回復を施す。
「……あ、安心しろ。元気、いっぱいだ」
「嘘つかないでくださいよ。僕も手伝います」
「私も……」
3人で代わる代わるに回してようやく回復を終えたが、どうやら臓器のいくつかが欠損したようだ。立ち上がれるけど、苦しそうに呻いている。
「また病院に行かねぇと。クッソ、痛いの嫌いなんだよ」
「その怪我よりは痛くないから、ちゃんと行って下さいね」
言ったあと、2人に看病を任せて部屋の最奥へと向かう。するとそこには、各ダンジョンの活動報告をまとめた備忘録や、魔王からの指令、もとい世界征服企画の議事録。そして。
「ここに、地獄の入口があるのか」
とうとう、その場所が記された地図を手に入れる事ができた。
「シロウさん、見つけましたよ」
戻って、第一声。俺は、シロウさんに地図を渡した。2人も、それを覗いている。
「おぉ、どれどれ。……これ、マジか?」
「マジみたいですよ。どうやら、そういう運命みたいです」
「……だな。しゃーねぇ、里帰りと行こうか」
立ち上がって、部屋の外へ向かっていく。扉の前にはクロウたちが立っていたが、俺たちは何も言わずに、そこを通り過ぎようとしたのだった。
「甘いッ!」
背中に生えている手を地面に叩きつけて、その衝撃波でアオヤ君を吹き飛ばそうと試みる。しかし、それを読んでいたシロウさんがフェザブロクで自身の防御力を底上げして、スライディングで波とアオヤ君の間に滑り込んだ。
その隙間を縫って、矢を放つ。スペルアローという魔力を込めるスキルで威力を高め、更に爆薬で加速した矢は一直線に飛んでいく。ヤツはそれを払って防ぐ。軌道はそらされたが、それでも矢はこめかみの辺りを貫いた。
「モモコちゃん、準備だ」
「はい!」
桃色の炎が、ホーリーロッドの先端に集まる。それを探知したのか、ラゾニエスは反対側の手で大岩を掴み取り、モモコちゃんに向かって投げつけた。なるほど、見た目通りかなり器用だ。おまけに冷静で、しっかりと戦場の全体を見ている。隙を突くのは、かなり難しいな。
「大丈夫、そのまま」
瞬間的にアオヤ君へのバフを解き、俺自身をフェザブレイブで強化して、爆発矢を放った後に再度前衛の二人を見る。砕けた岩の破片が飛び散り、刹那的に俺とモモコちゃんに、ラゾニエスを隠す壁が出来上がった。
「スキル、ホワイトミラージュ。ウォォォラッ!!」
……そういう事ですね。
戦斧の強烈な一撃をアッパースイングで打ち上げて、アオヤ君が俺たちの体ほどもある巨大な腕をホーリーランスで突き刺す。ダメージは通っているが、武器を落とすほどではない。
「アオヤ!逆だ!」
防いだ瞬間に、逆方向から力の塊のような拳がアオヤ君に目掛けて飛んでくる。サイドステップは、僅かに間に合わない。肩をかすめて体を吹き飛ばし、100メートル以上離れた壁にめり込んだ。
「回復します!モモコちゃん、シロウさんのフォローを!」
指差したのは、天井だ。そこへ向けてモモコちゃんがヴェルフレアを放つと、衝撃の後に岩が降り注ぐ。当然、それはダメージを与えるための行動ではなく目眩ましだ。
「そんな小細工、このラゾニエスには通用せんぞォッ!!」
ラゾニエスは逆に飛び上がり、空中で岩を掴み取ると、まだ動けないアオヤ君に向かって岩を振りかぶる。
だが、それは読んでる。
「ヌルいぜ」
落ちてきた岩を駆け上がってラゾニエスのところまで行くと、シロウさんは顔面に向かってソードオフを2発撃ち込んで、さらにホーリーセイバーで腕の一本を切り落とした。
しかし、ほとんどダメージはなかったようだ。ヤツは拳2つを固めて握り頭上に振りかざすと、シロウさんに思い切り叩きつけた。マズイ、あのまま地面に直撃したら、体が弾け飛ぶ!
「アオヤ君、頼む!」
「心配いらねっすよ。スキル、エアブロク」
回復したアオヤ君は、ブロクのその先にある新しいスキル、エアブロクを唱えてシロウさんの体に風の抵抗力を与えた。斬撃には弱い反面、重たい一撃には絶大な効果を発揮するそれは、全てとは言わずとも、衝撃を受け止めてシロウさんの命を繋いだ。
「グッドだ。もう2発、ブチ込むぜ」
落下してくるラゾニエスの肩と足に1発ずつ、爆薬入りの弾丸を打ち込む。弾丸は、体内で止まるように設計された特別製だ。
「何を企んでいる。こんなもの、ダメージは……」
瞬間、ラゾニエスは何故か体に力を込めた。
「こっちの方が一手早いッ!モモコちゃん!」
「スキル、ヘヴフレア!ウオオォォォオオ!!」
巨大な桃色の火球を、着地による一瞬の降着を逃さない。着弾した瞬間、体内の弾丸もろとも燃え盛り、聖なる炎がラゾニエスの体を包む。そして、10秒ほど経った頃に、アオヤ君が呟いた。
「やったっすか?」
その数瞬の後、爆炎の中から巨大な戦斧がアオヤ君目掛けて振り下ろされた。マズイ!気が緩んだ隙を狙われた!
「死なせねぇんだよ」
シロウさんはすぐにホーリーセイバーを構えて、アオヤ君の前に立ち塞がる。だが、バフの無い状態であの巨大なパワーを受けきれるハズも無かった。
折れない武器ごと押し込まれて、踏ん張る足と腰が内側から破裂し、しかしそれでもアオヤ君が離脱する時間を稼いでから、大量の血を噴き出しながら岩盤に埋め込まれてしまった。
あいつ、炎の中で耐えていたのか。しかし、何故生きて……。
「ボルスロイは、硬さでいえば我よりも上だった。ヤツを砕くなら、体内からだろう。それに、弾丸の形が魔王様が作り出したモノとは違った。貴様らが意味の無い事をしないのは、我々全員が知っている事だ」
それに気がついて、弾丸を体外に排出したのか。なんてヤツだ。
「……やるじゃねえか、コノヤロウ」
なんとか回復を掛けたが、穴から這い出して来たシロウさんはもう満身創痍だ。そこに向かって再び拳を数個構えると、ラゾニエスは全てを叩き込む。
「キータ!モモコ!」
掛け声とともに、モモコちゃんがヘヴフレアを唱える。爆炎の影に隠れて、アオヤ君が俺のところへ戻ってきた。シロウさんが、炎を免れた拳に刃を突き立てて防ぎ、しかし打ち漏らした一撃が横薙ぎに体を捉える。
「ゴッフ……」
……間違いなく、意識がトんでいる。しかし、猛攻は留まることを知らず、無意識に拳を掴んで受け止めたシロウさんに向かって、怒涛のラッシュを見舞った。
でも、落ち着け。俺は、既に託されている。だから、例え誰の命であっても、ここにあるものを差別してはいけないんだ。
「行くよ、アオヤ君」
「……はい」
焦る気持ちを抑えて、慎重に弓を構える。しかし、いつもとは違う。足でガッチリと、横に強固に構えて、両手で弦を限界以上に引き絞る。本来弓ではあり得ない構えだ。
……扉のところに、クロウの姿が見える。天才には、この技がどう見えるだろうか。
「アオヤ君、走れッ!」
放ったのは、アオヤ君がセットしたホーリーランスだ。大口径に改造を施した弓から射出されたそれが、空を切る低くて太い音を鳴らして目標に向かう。
「セイクリッド……」
ダッシュしながら唱えるアオヤ君に、矢が追いついた。
「ストライクッッ!!ドルァァァァアア!!」
爆薬で加速したそれを空中で掴むと、アオヤ君は最高火力である奥義の勢いをさらに上乗せして、身に付けている衣服を衝撃で千切りながら身を空中で捻り、折り返して一直線に投げつけた!
「そんな攻撃が……」
「へっへっ……。ホワイトミラージュ、忘れてねえか?」
ラゾニエスが見ているのとは真逆の方向から、本物のホーリーランスが飛来する。シロウさんが唱えた瞬間からずっと、お前の後ろにいたッ!
「食らいやがれ、クソッたれ!!」
アオヤ君の叫びが、鮮明に轟く。そして。
「バカ、な……。まおう……さま……」
亜高速を超えた本物の光の槍は、シロウさんの顔面スレスレを通ってラゾニエスの胸に直撃。貫いてぼ真っ白な光を灯すと、シロウさんを掴む手を残して、上半身の全てを完全に消滅させた。
「シロウさん、大丈夫ですか?」
体を手から引き剥がして、ポーションを飲ませながら回復を施す。
「……あ、安心しろ。元気、いっぱいだ」
「嘘つかないでくださいよ。僕も手伝います」
「私も……」
3人で代わる代わるに回してようやく回復を終えたが、どうやら臓器のいくつかが欠損したようだ。立ち上がれるけど、苦しそうに呻いている。
「また病院に行かねぇと。クッソ、痛いの嫌いなんだよ」
「その怪我よりは痛くないから、ちゃんと行って下さいね」
言ったあと、2人に看病を任せて部屋の最奥へと向かう。するとそこには、各ダンジョンの活動報告をまとめた備忘録や、魔王からの指令、もとい世界征服企画の議事録。そして。
「ここに、地獄の入口があるのか」
とうとう、その場所が記された地図を手に入れる事ができた。
「シロウさん、見つけましたよ」
戻って、第一声。俺は、シロウさんに地図を渡した。2人も、それを覗いている。
「おぉ、どれどれ。……これ、マジか?」
「マジみたいですよ。どうやら、そういう運命みたいです」
「……だな。しゃーねぇ、里帰りと行こうか」
立ち上がって、部屋の外へ向かっていく。扉の前にはクロウたちが立っていたが、俺たちは何も言わずに、そこを通り過ぎようとしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
無属性魔法使いの下剋上~現代日本の知識を持つ魔導書と契約したら、俺だけが使える「科学魔法」で学園の英雄に成り上がりました~
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は今日から、俺の主(マスター)だ」――魔力を持たない“無能”と蔑まれる落ちこぼれ貴族、ユキナリ。彼が手にした一冊の古びた魔導書。そこに宿っていたのは、異世界日本の知識を持つ生意気な魂、カイだった!
「俺の知識とお前の魔力があれば、最強だって夢じゃない」
主従契約から始まる、二人の秘密の特訓。科学的知識で魔法の常識を覆し、落ちこぼれが天才たちに成り上がる! 無自覚に甘い主従関係と、胸がすくような下剋上劇が今、幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる