59 / 71
慰めの墓標編
第55話 見世物闘技場の4番(シロウ視点)
しおりを挟む
「いいか?誰とも目を合わせるなよ」
「い、言われても合わせないっすよ」
「シロウさぁん……」
ウェイストの雰囲気は、はっきり言って最悪だった。
別に、建物が禍々しいとか、露骨に嫌がらせをされたとか、そういうワケではない。ただ、街を歩く人たちの、なんの感情も見えない目が、通り過ぎる俺たちを捉えて離さないのだ。
じっと舐めるように見られて、考えてもいない負の思想を植え付けられているような。そんな、生まれてはじめて覚える居心地の悪い感覚。正直、これまでに戦ってきた悪魔や魔物のどれよりも恐ろしい。
ここに来る前に、ギルドの職員がどうして「廃屋の暗い裏側にある、ちょっと大きい岩の下みたいな場所」と言ったのかがわかった。あの人は、ここの住人たちを毒虫に例えたんだ。
きっと、シロウさんから希望と根性と男気を抜き取ったら、この人たちみたいになるんだと思う。本当に、何をされるかが分からない。
「それにしても、人が少ないっすね。ここ、大通りなんですよね?」
「もういや。泊まる場所も、隣の街にしましょうよ」
シロウさんの両脇にしがみつくアオヤ君とモモコちゃんは、なんとか彼を説得しようと試みるが、しかし隣街までは3日以上かかってしまう。そんな非効率な事は出来ない。
「まぁ、お前らより強いヤツなんてそうそういねえから。安心しとけ」
「そういう話じゃないっすよね……」
まったく、一ヶ月前のクロウたちと話していた二人はどこへ行ってしまったのか。あの時は、超かっこよかったのに。
「とりあえずさ、地獄の入り口を探す前に、一つだけ行きたいところがあるんだ。どこか、そのへんで待ってるか?」
「置いていかないでくださいよ!」
重なった声を聞いて、シロウさんは笑った。
しかし、聞いていた通り、もう奴隷商人やドラッグの売人はいない。街を移ったか、既に死んだか。恐らく、後者だ。
進むに連れて、どんよりと霧の深くなっていく。そして、とうとう足元すら見えなくなってきた頃、俺たちは目的地へと辿り着いた。
「……ここ、なんですか?」
「墓場だ。ここには来るなって言われてたんだが、まぁ死んじまって10年以上経ってるし、そろそろ時効だろ」
……そうか。ここに、眠っているのか。
「まぁ、お前たちにもそれなりに縁のある人間っつーか。俺を、暗い場所から引き上げてくれた人の墓なんだよ。これ」
「えっ?いったい、誰のことを言ってるんですか?」
「勇者だ」
そう言って、シロウさんは一つの墓標の前で止まる。一番端っこの、苔が生い茂った小さくて見すぼらしい墓だ。
「これが、勇者の墓ですか?」
「あぁ。2代前のな。グリントって男だった」
墓標に跪くと、彼は鞄の中からタオルを取り出して、それで綺麗に墓石を拭いていく。すべてが取り払われて現れた文字は、「勇者グリント、ここに眠る」と。たったそれだけのモノだった。
「どうして、その勇者の墓がここにあるっすか?」
「まぁ、家のない人だったからな。俺と妻のレラが、ここに立てたんだ」
当然、それを聞いても二人は要領を得ない様子で顔を見合わせるだけだ。
「……シロウさん」
「わかってるよ、キータ。アオヤもモモコも、本当によく成長してくれた。いつの間にか、俺が一番格下になるくらいになっちまって。中々、感慨深いモンがある。本当に嬉しいんだ」
深呼吸。一瞬だけ、止まったのがわかった。
「だから、お前たちにも、話しておかなきゃいけねぇ。もう、俺がいなくても安心出来るからさ」
聞いて、喉の奥がツンとなったのは、まだ俺が覚悟を決めていないからなんだろうか。
× × ×
「クッヒヒ。……ケハハハハハハ!!オラ、早く闘えよ!」
「おい、4番!テメーにいくら掛けてると思ってんだよ!早くぶっ殺せ!」
「早くしねぇと、俺らがテメーを殺すぞクソガキ!」
目の前には、巨大なガーゴイル。さっきまでそこで一緒に戦っていた162番と170番を食い散らかして、下卑た目を俺に向けている。周囲は壁と金網に囲まれていて、その上には大勢の観客が座っている。逃げ道なんて、昔からここにはない。
俺は、見世物闘技場の4番。多分、年齢は9歳。物心ついた時からここにいて、自分が誰から生まれて、いつからいるのかなんて教えられたことがねぇから正しいことは知らねぇが。まぁ、そんなことはどうでもいいわな。俺がそう思ってりゃ、それが真実だ。
「生き残る。必ず、俺が……」
呟いて、フラアウェクを唱えてから、体よりもデカい剣でガーゴイルの足元に斬りかかる。しかし、その一撃はあっさりと躱されて、かわりに翼の風圧を受けて体を吹き飛ばされた。
「ゴェ……ッ!」
壁に直撃して、どうやら肋骨が2.3本砕けたらしい。口からは血が出て、目眩までしてきやがる。
「はっはっは!なんだその声は!オラ、痛がるフリしても魔物は見逃しちゃくれねぇぞ!?」
だが、ここで死ぬわけにはいかねぇ。俺よりも幼い162番と170番が、命を使って最後まで生かしてくれたんだ。ここで負けたら、アイツらは犬死にだ。
「だから、負けらんねぇ、んだ……。オラ、かかって、こいよ……」
言って、剣を構える。そして、食事を終えた瞬間に、ガーゴイルは俺に向かって飛び出す。上空から急降下して、カギ爪で俺を引き裂くつもりなんだろう。
「一本くらい、くれてやる」
ガーゴイルの爪が、腕に食い込む。力を入れて、腕を引き裂こうとする。筋肉が断裂して、爪が骨に届いたのが分かった。だが、俺はよく知っている。生物は、食事と性行為の瞬間に、もっとも油断することを。
「クタ……バレ……」
爪を更に食い込ませるように踏み込んで、間合いを詰めた瞬間に剣を突き上げる。そして、ガーゴイルの頭を貫く手応えを感じてから、振り切るように体を捻って、顔面を真っ二つに斬り裂いてやった。
「グギャアアアア!!」
続けざまにスキルを唱えて、今度は腹を滅多刺しにする。何度も何度も突き刺して、血が吹き出して、内蔵が飛び散って俺の顔に張り付いても、ブッ倒れるまで何度も。
やがて、弱点が俺の身長よりも低いところまで降りてきた。だから、その真っ二つになった顔の上から手を突っ込んで、喉の奥をグッチャグチャにかき回してやる。痙攣して、俺に再び掴みかかってきたが、それでも俺は攻撃をやめなかった。
しかし、いつの間にかその肉に、温度がなくなっていることに気がついた。心臓が止まって、血が流れなくなったのだろう。
「……やったぜ。162番、170番」
そして、俺は開かれた扉へ向かう。腕は、何とかくっついていた。
「い、言われても合わせないっすよ」
「シロウさぁん……」
ウェイストの雰囲気は、はっきり言って最悪だった。
別に、建物が禍々しいとか、露骨に嫌がらせをされたとか、そういうワケではない。ただ、街を歩く人たちの、なんの感情も見えない目が、通り過ぎる俺たちを捉えて離さないのだ。
じっと舐めるように見られて、考えてもいない負の思想を植え付けられているような。そんな、生まれてはじめて覚える居心地の悪い感覚。正直、これまでに戦ってきた悪魔や魔物のどれよりも恐ろしい。
ここに来る前に、ギルドの職員がどうして「廃屋の暗い裏側にある、ちょっと大きい岩の下みたいな場所」と言ったのかがわかった。あの人は、ここの住人たちを毒虫に例えたんだ。
きっと、シロウさんから希望と根性と男気を抜き取ったら、この人たちみたいになるんだと思う。本当に、何をされるかが分からない。
「それにしても、人が少ないっすね。ここ、大通りなんですよね?」
「もういや。泊まる場所も、隣の街にしましょうよ」
シロウさんの両脇にしがみつくアオヤ君とモモコちゃんは、なんとか彼を説得しようと試みるが、しかし隣街までは3日以上かかってしまう。そんな非効率な事は出来ない。
「まぁ、お前らより強いヤツなんてそうそういねえから。安心しとけ」
「そういう話じゃないっすよね……」
まったく、一ヶ月前のクロウたちと話していた二人はどこへ行ってしまったのか。あの時は、超かっこよかったのに。
「とりあえずさ、地獄の入り口を探す前に、一つだけ行きたいところがあるんだ。どこか、そのへんで待ってるか?」
「置いていかないでくださいよ!」
重なった声を聞いて、シロウさんは笑った。
しかし、聞いていた通り、もう奴隷商人やドラッグの売人はいない。街を移ったか、既に死んだか。恐らく、後者だ。
進むに連れて、どんよりと霧の深くなっていく。そして、とうとう足元すら見えなくなってきた頃、俺たちは目的地へと辿り着いた。
「……ここ、なんですか?」
「墓場だ。ここには来るなって言われてたんだが、まぁ死んじまって10年以上経ってるし、そろそろ時効だろ」
……そうか。ここに、眠っているのか。
「まぁ、お前たちにもそれなりに縁のある人間っつーか。俺を、暗い場所から引き上げてくれた人の墓なんだよ。これ」
「えっ?いったい、誰のことを言ってるんですか?」
「勇者だ」
そう言って、シロウさんは一つの墓標の前で止まる。一番端っこの、苔が生い茂った小さくて見すぼらしい墓だ。
「これが、勇者の墓ですか?」
「あぁ。2代前のな。グリントって男だった」
墓標に跪くと、彼は鞄の中からタオルを取り出して、それで綺麗に墓石を拭いていく。すべてが取り払われて現れた文字は、「勇者グリント、ここに眠る」と。たったそれだけのモノだった。
「どうして、その勇者の墓がここにあるっすか?」
「まぁ、家のない人だったからな。俺と妻のレラが、ここに立てたんだ」
当然、それを聞いても二人は要領を得ない様子で顔を見合わせるだけだ。
「……シロウさん」
「わかってるよ、キータ。アオヤもモモコも、本当によく成長してくれた。いつの間にか、俺が一番格下になるくらいになっちまって。中々、感慨深いモンがある。本当に嬉しいんだ」
深呼吸。一瞬だけ、止まったのがわかった。
「だから、お前たちにも、話しておかなきゃいけねぇ。もう、俺がいなくても安心出来るからさ」
聞いて、喉の奥がツンとなったのは、まだ俺が覚悟を決めていないからなんだろうか。
× × ×
「クッヒヒ。……ケハハハハハハ!!オラ、早く闘えよ!」
「おい、4番!テメーにいくら掛けてると思ってんだよ!早くぶっ殺せ!」
「早くしねぇと、俺らがテメーを殺すぞクソガキ!」
目の前には、巨大なガーゴイル。さっきまでそこで一緒に戦っていた162番と170番を食い散らかして、下卑た目を俺に向けている。周囲は壁と金網に囲まれていて、その上には大勢の観客が座っている。逃げ道なんて、昔からここにはない。
俺は、見世物闘技場の4番。多分、年齢は9歳。物心ついた時からここにいて、自分が誰から生まれて、いつからいるのかなんて教えられたことがねぇから正しいことは知らねぇが。まぁ、そんなことはどうでもいいわな。俺がそう思ってりゃ、それが真実だ。
「生き残る。必ず、俺が……」
呟いて、フラアウェクを唱えてから、体よりもデカい剣でガーゴイルの足元に斬りかかる。しかし、その一撃はあっさりと躱されて、かわりに翼の風圧を受けて体を吹き飛ばされた。
「ゴェ……ッ!」
壁に直撃して、どうやら肋骨が2.3本砕けたらしい。口からは血が出て、目眩までしてきやがる。
「はっはっは!なんだその声は!オラ、痛がるフリしても魔物は見逃しちゃくれねぇぞ!?」
だが、ここで死ぬわけにはいかねぇ。俺よりも幼い162番と170番が、命を使って最後まで生かしてくれたんだ。ここで負けたら、アイツらは犬死にだ。
「だから、負けらんねぇ、んだ……。オラ、かかって、こいよ……」
言って、剣を構える。そして、食事を終えた瞬間に、ガーゴイルは俺に向かって飛び出す。上空から急降下して、カギ爪で俺を引き裂くつもりなんだろう。
「一本くらい、くれてやる」
ガーゴイルの爪が、腕に食い込む。力を入れて、腕を引き裂こうとする。筋肉が断裂して、爪が骨に届いたのが分かった。だが、俺はよく知っている。生物は、食事と性行為の瞬間に、もっとも油断することを。
「クタ……バレ……」
爪を更に食い込ませるように踏み込んで、間合いを詰めた瞬間に剣を突き上げる。そして、ガーゴイルの頭を貫く手応えを感じてから、振り切るように体を捻って、顔面を真っ二つに斬り裂いてやった。
「グギャアアアア!!」
続けざまにスキルを唱えて、今度は腹を滅多刺しにする。何度も何度も突き刺して、血が吹き出して、内蔵が飛び散って俺の顔に張り付いても、ブッ倒れるまで何度も。
やがて、弱点が俺の身長よりも低いところまで降りてきた。だから、その真っ二つになった顔の上から手を突っ込んで、喉の奥をグッチャグチャにかき回してやる。痙攣して、俺に再び掴みかかってきたが、それでも俺は攻撃をやめなかった。
しかし、いつの間にかその肉に、温度がなくなっていることに気がついた。心臓が止まって、血が流れなくなったのだろう。
「……やったぜ。162番、170番」
そして、俺は開かれた扉へ向かう。腕は、何とかくっついていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
無属性魔法使いの下剋上~現代日本の知識を持つ魔導書と契約したら、俺だけが使える「科学魔法」で学園の英雄に成り上がりました~
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は今日から、俺の主(マスター)だ」――魔力を持たない“無能”と蔑まれる落ちこぼれ貴族、ユキナリ。彼が手にした一冊の古びた魔導書。そこに宿っていたのは、異世界日本の知識を持つ生意気な魂、カイだった!
「俺の知識とお前の魔力があれば、最強だって夢じゃない」
主従契約から始まる、二人の秘密の特訓。科学的知識で魔法の常識を覆し、落ちこぼれが天才たちに成り上がる! 無自覚に甘い主従関係と、胸がすくような下剋上劇が今、幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる