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③本編↓未工事(すごいえちえち)背後注意でお楽しみください。
歌って聞かせて! 前編
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食後のお茶を楽しむ時間…。
明日は休日…、心もリラックスしてる…。
「ぷは…」
由海広は適温の玄米茶を啜って和む。
「えーとえーと…あ、あった!」
「お、見つかった?」
ソファー横で仕事鞄を漁っていた燃夏くんは
ご機嫌に一枚のチケットを取り出した。
「はい、じゃ~ん。」
「おおっ?カラオケ?」
見たことある。近くのカラオケ屋さんだ。
チケットの内容は
『三時間無料カラオケ歌い放題!
別途飲み物料金がかかります
二名様からご利用可能』
…と書かれていた。
「この前取引先の人がくれたんです。」
「そうなんだ…、ん?モカくん?」
見つかって安心しているモカくんは
気づいてないけど、これって…?
「チケットの期限、今日までだよ?」
「え!ほんとっ!?」
驚いたモカくんはチケットを凝視する。
そして、残念そうな顔になる…。
「なんだぁ…。今日までなんだ…。」
しょんぼりとチケットを眺めてる。
…行きたいのかな?
「…今から行くかい?」
「え!…いいんですかっ?」
提案すると、
ぱっと顔を上げたモカくんは
瞳をキラキラ輝かせる。
彼は時々すごく遠慮がちになる…。
もっとおじさんに甘えていいのになぁ。
「もちろん。明日休みだし、
久しぶりにモカくんの歌聞きたいなぁ。」
「やった…!それじゃ、準備しますねっ」
「んっ、」
額に軽くキスをしたモカくんは
軽やかな足取りで上着を取りに行く。
…かわいいな。
熱くなった額を撫でて、
冷めないうちに玄米茶を飲み干した。
コップを台所に置いて水に浸けておいて、
上着と車のキーを取りに行く。
「私が運転するよ~?」
「わーい、海さんの運転ですね!」
チャラチャラと鍵を持って行って、
玄関で待ちわびている彼の方へ歩く。
テンション上がってるのかな?
なんでも興奮して喜ぶモカくんかわいい。
「…行きましょ?
楽しい時間になるといいですねっ。」
「んっ!楽しもうね。」
お互いニコニコと笑顔を交わしながら
家の鍵を閉めて、車へ向かう…。
その笑顔の意味は、
お互い違っていたかもしれない。
「おぉ~、着いたよ~。」
「ここですねー。」
車のナビゲーションに誘導してもらい、
カラオケ屋さんに到着した。
よく見ると漫画喫茶と合併してる。
近頃のお店はこうなってるんだなぁ…。
最近出来たお店だったかな?
きらびやかで綺麗な外装が目を引く。
「んん、よし…。」
「お疲れ様でーすっ。」
慎重に駐車をして、シートベルトを外す。
モカくんは跳ねる体を押さえつけるので
必死のようだ。
全身で楽しみにしているのが分かる。
かわいすぎるんだけど。
「入り口どこだろ?」
「こっちじゃないですか?」
初めて入る店に手こずりながら入店する。
受付は若くて笑顔の女性だった。
「会員証の作成をお願いします。」
「えと、あ、えーと、あ、あっと…」
「こっちですよ。」
まごついているとモカくんが
手際よく誘導してくれる。
「あ、え、あの…ごめん…」
緊張で鼓動と手汗がすごい…。
アンケートに記入しながら指が震える。
モカくんに頼ってばかりで情けないな…。
戸惑いながらも新品のカードを二つ作る。
「あの、…、あ、」
「はい?」
「ぅあ…っ、…!ん、んんっ。
無料、券使わせて…下さぃ……」
「はい、確認させて頂きます。
…、タイプはどちらになされますか?」
チケットを受け取り、確認した
店員さんはてきぱきと処理を進める。
追い付かない私は言われたことの意味を
理解することさえ時間が掛かる。
「あ、えーと…その…」
「こっちでお願いします。」
「……。」
モカくんが穏やかな声で対応する。
じりじりと引っ込んで順調に手続きが済む。
「………。」
「頑張りましたね、海さん。」
「……!」
カラオケ室に向かいながら
モカくんが小声で囁いた。
惨めでいっぱいな気持ちが、
ふわっと軽くなる。
「…うん。」
小さく微笑み返して、カラオケ部屋に入る。
つづきます→
明日は休日…、心もリラックスしてる…。
「ぷは…」
由海広は適温の玄米茶を啜って和む。
「えーとえーと…あ、あった!」
「お、見つかった?」
ソファー横で仕事鞄を漁っていた燃夏くんは
ご機嫌に一枚のチケットを取り出した。
「はい、じゃ~ん。」
「おおっ?カラオケ?」
見たことある。近くのカラオケ屋さんだ。
チケットの内容は
『三時間無料カラオケ歌い放題!
別途飲み物料金がかかります
二名様からご利用可能』
…と書かれていた。
「この前取引先の人がくれたんです。」
「そうなんだ…、ん?モカくん?」
見つかって安心しているモカくんは
気づいてないけど、これって…?
「チケットの期限、今日までだよ?」
「え!ほんとっ!?」
驚いたモカくんはチケットを凝視する。
そして、残念そうな顔になる…。
「なんだぁ…。今日までなんだ…。」
しょんぼりとチケットを眺めてる。
…行きたいのかな?
「…今から行くかい?」
「え!…いいんですかっ?」
提案すると、
ぱっと顔を上げたモカくんは
瞳をキラキラ輝かせる。
彼は時々すごく遠慮がちになる…。
もっとおじさんに甘えていいのになぁ。
「もちろん。明日休みだし、
久しぶりにモカくんの歌聞きたいなぁ。」
「やった…!それじゃ、準備しますねっ」
「んっ、」
額に軽くキスをしたモカくんは
軽やかな足取りで上着を取りに行く。
…かわいいな。
熱くなった額を撫でて、
冷めないうちに玄米茶を飲み干した。
コップを台所に置いて水に浸けておいて、
上着と車のキーを取りに行く。
「私が運転するよ~?」
「わーい、海さんの運転ですね!」
チャラチャラと鍵を持って行って、
玄関で待ちわびている彼の方へ歩く。
テンション上がってるのかな?
なんでも興奮して喜ぶモカくんかわいい。
「…行きましょ?
楽しい時間になるといいですねっ。」
「んっ!楽しもうね。」
お互いニコニコと笑顔を交わしながら
家の鍵を閉めて、車へ向かう…。
その笑顔の意味は、
お互い違っていたかもしれない。
「おぉ~、着いたよ~。」
「ここですねー。」
車のナビゲーションに誘導してもらい、
カラオケ屋さんに到着した。
よく見ると漫画喫茶と合併してる。
近頃のお店はこうなってるんだなぁ…。
最近出来たお店だったかな?
きらびやかで綺麗な外装が目を引く。
「んん、よし…。」
「お疲れ様でーすっ。」
慎重に駐車をして、シートベルトを外す。
モカくんは跳ねる体を押さえつけるので
必死のようだ。
全身で楽しみにしているのが分かる。
かわいすぎるんだけど。
「入り口どこだろ?」
「こっちじゃないですか?」
初めて入る店に手こずりながら入店する。
受付は若くて笑顔の女性だった。
「会員証の作成をお願いします。」
「えと、あ、えーと、あ、あっと…」
「こっちですよ。」
まごついているとモカくんが
手際よく誘導してくれる。
「あ、え、あの…ごめん…」
緊張で鼓動と手汗がすごい…。
アンケートに記入しながら指が震える。
モカくんに頼ってばかりで情けないな…。
戸惑いながらも新品のカードを二つ作る。
「あの、…、あ、」
「はい?」
「ぅあ…っ、…!ん、んんっ。
無料、券使わせて…下さぃ……」
「はい、確認させて頂きます。
…、タイプはどちらになされますか?」
チケットを受け取り、確認した
店員さんはてきぱきと処理を進める。
追い付かない私は言われたことの意味を
理解することさえ時間が掛かる。
「あ、えーと…その…」
「こっちでお願いします。」
「……。」
モカくんが穏やかな声で対応する。
じりじりと引っ込んで順調に手続きが済む。
「………。」
「頑張りましたね、海さん。」
「……!」
カラオケ室に向かいながら
モカくんが小声で囁いた。
惨めでいっぱいな気持ちが、
ふわっと軽くなる。
「…うん。」
小さく微笑み返して、カラオケ部屋に入る。
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