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シルバ・アリウム、剣聖と成る
二十三話
しおりを挟む「―――しかし、ミオは私の身分を知ってもあまり変わりませんね、
他の職員や村の人は畏まってしまうのに」
「いやいや、とても驚きましたし最初は気を遣いましたよ、
ですけど……シルヴィア・ライトとしての貴方も今の貴方も同じです、
自然と振る舞い方も戻ります」
「その心遣いに救われていますよ、これからもよろしくお願いしますね」
フタバ伯爵が武装制圧で村を訪れ、私は正体を明かして場を収めた。
死亡したと思っていた王女がまさか生きているとは思わず、始めは困惑していた村の職員や住民達も王女に敬意を表した。
だが、役人としての生き方も満更でもなかったシルバは、王女としての距離感を取られてしまい悩んでいたが、ミオは変わらずシルバと接してくれた。
故に彼女は感謝する、王女としても同僚としてでもなく、一人の友人として。
「ミオ、私は近々この領地の後任となるシュバルツ侯爵の城に行こうかと思います、
この事をどう思いますか?貴方の素直な意見を聞きたいです」
「どう、ですか……、国の指針にわたくし如きが何か言えるはずもありませんが、
個人的には不安です、シルバ王女がここに来てから未だこの村を離れた事は
ありません、ので……離れたら最後、もう二度と戻らないのではと不安になります」
「あら、意外と可愛らしい事を言ってくれますね、少し嬉しいです」
「もぉー……、素直な意見って言ったんですからからかわないでください、
―――それに、不安な理由はもう一つあります」
「もう一つ?」
「はい、それは至極単純です、役所の仕事が回らなくなります、
いいですか?確かにシルバ王女がこの村に来てくださって様々な方面で村は
発展しています、しかしッッ!!住人の要望書から隣国、隣村、取引先の商人から来る
仕事の依頼は増えてばかりッ!!人手が足りないのですッッ!!」
それについては自分自身でも申し訳ないと思っている。
村の事業が順調に運んだのは良かったが、それらを執り行う人材が不足気味となっており個人の作業量が過剰となっている。
幸いミオが優秀であるため村自体の運営は事足りているが、交易取引や隣国との商業取引が私とヒースさんに依存している現状はよろしくない。
当面の課題でもある人材確保をミオも危惧しており、それについて言及する。
「流石ミオ、やはりこの問題に気付いておりましたか……、
実は予定しているシュバルツ侯爵への会合、それはこの問題の解決も兼ねています」
「……と、いうと?」
「会合は秘密裏に、私とヒースさんだけで赴く予定です、その会談で取り付ける
内容の一つに、城及び街の商業関連の人材確保を約束させます」
「―――これは、とても重要な話なのでは?」
「もちろんですっ!だから今、ミオに話していますっ」
「……信頼され過ぎるのも考え物ですね、重要な機密なんて知りたくなかったですよぉ」
「まぁまぁ、そんな事言わずにこれからも励んでくださいね」
悪戯な笑みをミオに向けると、彼女は困った顔で笑顔を向けてくれる。
とても心地の良い気分に浸り、この関係性をありがたく思いながら歩を進めていると、感じ慣れた魔力の気配が近付く。
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