天下無双の剣聖王姫 ~辺境の村に追放された王女は剣聖と成る~

作間 直矢 

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シルバ・アリウム、剣聖と成る

激闘の果てに 3

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 「……どうした、シュバルツ?そのまま守りに徹しているつもりか?」

 「図に乗るなよ、ここからが白騎士たる私の領分だ」


 刹那、光壁が霧散してシュバルツの身を包む。
 それは徐々に模られ、煌びやかで優美、そして白騎士と呼ばれる所以の鎧が構成される。

 全身を護るは高純度の魔力で編まれたフルプレート式の武具甲冑。
 だが、重さは羽のように、白騎士は縦横無尽に駆けられる。

 今ここに、アリウム騎士の一人の秀才にして白騎士が、真の姿を現した。


 『こ、これはぁぁぁ……!?シュバルツ様が秘術として隠していた魔法ッッ!?
  白騎士と呼ばれる所以の固有魔法だぁぁぁ!!!』


 ―――名を、天蓋の鎧。


 それはあらゆる物理干渉を和らげ、魔力による攻撃ですら無効化する。
 まさに、鉄壁を誇る彼に相応しい固有の魔法であった。


 「―――終わりだ、ヒース」


 舞うは甲冑、駆るは聖剣。

 ここに、白騎士は神聖を以てかつての死神と相対する。


 「っが………!?」

 「超えられると思うなよッ!!ヒースッ!!!」

 「ぐっ……づぁッ……!!」


 鎧を纏った白騎士を止める事は出来ず、決定打を打ち込まれない様に立ち回るが要所で打撃を浴びせられる。

 その姿は蹂躙。

 圧倒的な力を前に、黒は白によって塗りつぶされて削り消える。


 「お前の間違いをッ!!ここで、―――正すッ!!」


 なんとか持ちこたえていたものの、ヒースは体勢を崩して重打をくらう。

 豪快に吹き飛ばされて場内の壁に激突すると、がっくりと首を垂れて意識を飛ばす。
 もはや、この勝負の決着は着き、観客は静かにシュバルツへと視線を移した。


 『………き、決まったぁぁぁ!?拮抗していたと思われた戦いは、
  アリウム騎士が我らの白騎士、シュバルツ・レイ様の勝利で―――』


 その宣言を、止める姫がいた。


 「ヒーーーーースっ!!!!!負けないでーーーー!!!!!!」


 実況の声を否定するように、シルバの声援が大きく響く。
 人目も、立場も、そして剣士としての吟味も無視して彼女は伝える。


 ―――ただ“勝って”と。


 近い未来、剣聖と謳われる姫の側近が弱い訳が無い。
 そんな想いと、身勝手ながらもそう思わずにいられない感情がシルバを叫ばせる。


 「―――……」


 薄れゆく意識のなか、彼は思考する。

 この戦いは、シュバルツとの因縁を決める為に執り行われた。
 故に自分がここで負けるのであれば、己の生き方も在り方も間違いだったと、そう認めるしかないのだ。

 ―――だが、どうだろうか。

 これまでの自分を否定すれば、シルバ王女との出会いから彼女に対する気持ちまで否定されるようで、それだけは、許せなかった。

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