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剣を司る者
六話
しおりを挟む「まさか、アタシが遅れを取るとはな……」
「―――いいえ、私が女神様に勝ったものは何一つありませんでした、
ですが……人との繋がり、その想いが勝負を分かちました」
「っふ……アタシが切り伏せたもので、アタシを切るか……
実に皮肉で、因果応報な結末だな……まぁ、それも悪くないか」
諦めて目を閉じ、彼女は刃に手を付け自身の首に押し付ける。
が、シルバはそれを良しとしなかった。
「何の真似だ」
「私は女神様も救うと言いました、ここがどんな世界であれ、
剣で切る選択肢はあり得ません、だから、見て貰いたいのです」
「見る……?何をだ?長い歴史を眺めてきたアタシに、
何かを見届けろなど可笑しな話だと―――」
「それでも、この国の行く末を見て貰いたいのです、
私が導き、救った世界を見直してからでも、
やはり世界が退屈かどうか判断して頂きたい」
「―――お前は、シルバは……本当に優しい奴だなぁ……」
けらけらと、初めて見せた彼女の笑顔はなんとも不器用だった。
久しく忘れていた表情を、シルバは取り戻して彼女は告げた。
「わかった、わかったよ……お前がおばあちゃんになるぐらいは待ってやる、
それまでは、そうだな……また閉ざされた封印の中で、お前の精神から
世界を眺めて退屈を凌ぐとするよ、それなら文句ないだろう?」
「―――っ!!女神様っ……!!」
「ほら、じきにこの世界も終わる、
その力も死ぬぐらいまでには貸し与えよう、
……あとは見せておくれよ、シルバが創る面白い世を」
「っ……はいッ!!!お任せください!!!」
ガラスと化した風景が砕ける。
二人の戦闘で維持できなくなった精神世界は、脆くも崩れた。
女神は、シルバに寄りかかって眠りにつく。
悪友の如き振る舞いでもたれ掛かり、疲れてそのまま瞼を閉じた。
『頑張れよ、シルバ』
「はい、おやすみなさい、女神様」
世界と共に女神も崩れ、抱き締めていた感触も無くなる。
そして、辺りが白い光に埋め尽くされると、意識が覚醒する―――。
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