賊を狩り続ける冒険者~近代技術で魔法を凌駕する~

作間 直矢 

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1話 賊狩りと少女

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 「……爆薬が拠点に運ばれたのも、敵の情報を引き出せたのも、
  お前の行動あっての事だ、改めて感謝している……アリウム」

 「ぇ、えっと……っ!!あ!!はい!!こちらこそです!!!」

 「よし、行動を開始する、ここから離れて裏側へ回れ」

 「はいッ!!」


 スナイパークロス本体の横に付いているリロード用のレバー。
 
 それをポンプアクションで弦を張ると、その弩は本来の武器の用途を超えた発射音を鳴り響かせて、開戦の合図を轟かせる。


 ―――ドガァァッン!!!


 大砲と聞き間違える程の重点音で遠距離から射撃する。
 
 弦による力だけではなく、発射時に爆薬を用いた凄まじい撃ち出しは、もはやクロスボウの域を超えた破壊的な兵器と化していた。

 そして、着弾するは爆薬の詰まった樽。

 大量の酒樽の中に紛れていた爆薬は、そうと知らず群がっていた盗賊達を巻き込んで爆発し、一気に十二人を巻き込んで、爆死させた。

 賊を殺し続けてきた狂人の戦が、今切って落とされた。


 『なんだってんだッ!!??どこから襲撃がッ!?』

 『村人の連中かッ……?いったいどんな奴がやりやがったッ!!』


 狼狽する盗賊達は臨戦態勢となって周囲を見回す。

 ―――ドゥォォン!!

 しかし、遠方から聞こえる重点音が彼らに死を告げる。


 『っぎ……!!』


 スナイパークロスの大口径ボルトが脳天を直撃し、賊は即死。
 続けて狙いを定めてリロードし、トリガーを引き絞る。

 ドォンッ!!ドォォン!!

 ここを好機と見るや否や、隙だらけの賊から削いでゆく。

 敵勢力の各個撃破を基本とする戦術は、地味ながらも効果的な成果を上げて廃村を血に染める。


 「あそこだッ!!!狙撃手がいるぞッ!?」


 しかし、六人ほど撃ち殺したタイミングで居場所を悟られ、盗賊達は連携を取り始めた。


 「ゴミ共が」


 見つかった騎士はスナイパークロスから手を放し、二丁の弩に持ち変える。

 ―――右手には連射型を、左手に散弾型を。

 爆発によって焼け広がり始める廃村は地獄と化し、そこに自ら向かって殺しにいく。


 「テメぇッ……!!どこの人間だッ!!村の奴かッ!?」

 「……」

 「くそがっ!!絶対にぶち殺してやるぞッ!!お前ら囲めッ!!」


 機敏な動きで縦横無尽に間合いを詰められ、視界に映った賊を捉えることは難しい。
 近接戦闘の手段を持たない彼にとって、距離を縮められる事は死を意味する。
 
 故に、この勝負は奇襲による決着が重要であったが、狙撃による奇襲と爆薬の罠だけでは敵勢力を削ぎきれなかった。

 ガチャ……。

 それでも、あらゆる可能性を考えながらも敵陣を突破する。
 これは自暴自棄でも、無謀の類でもない、勝てる見込みがあるからこその選択。

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