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2話 山賊討伐の代償
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しおりを挟む二日後、山賊退治の準備を進めるアルバートは工房で必要な武器を荷車に積み込む。
その量は多く、組み立て式の金属質の部品を何個も運んでいた。
「あ、あの……アルバートさん」
「なんだ」
「今回のクエスト、本当に私達二人だけで問題ないんでしょうか…」
「何も問題は無い、その為に今準備を進めている」
黙々と作業をする彼の姿は、嘘を言っている訳でもなく不安を感じさせない。
だが、賊との戦闘経験が豊富であるアルバートとはいえ、大規模な組織相手にどう戦うのかは疑問であり、アリウムは今回の戦術が気になっていた。
「アリウム、これを運んでおいてくれ」
「はいっ……わかりました」
「……慎重に運んでくれ、それが誤爆すればここ一帯が吹き飛ぶぞ」
「―――へ」
思わず力が抜けそうになるが、手のひらに加えた力を入れ直す。
持ち上げた木箱の重みが急に圧し掛かったように思え、中身が何なのか聞いてしまった。
「あの、この箱の中身ってなんでしょうか?」
「……それは特殊製法の火薬が詰まった砲撃用の弾丸だ」
「砲撃、次の戦いでそんなものを……」
「サクラには作戦立案について既に説明しているが、アリウムにも軽く話しておく」
「はいっ…!」
「俺がしようとしていることは戦いではない、超遠距離からの殲滅だ」
「この前の狙撃とは違うのですか?」
「相手の規模が違う、それに合わせた威力が必要になる」
「けど、それじゃまるで魔法みたいな攻撃では……」
遠距離から大規模な範囲を焼き払う様な威力であれば、それはもう私の知る現代科学の域を超えていた。
そもそも、例え魔法であっても同程度の威力の魔法を扱える魔術師は少なく、それを可能としてしまえば彼の存在は魔術師を凌駕する。
ふと、私は率直な疑問をぶつけた。
「アルバートさんは……元々兵器技術者と聞きました、
これだけ強力な武器を開発できるなら、冒険者でなくても良いのでは?」
「それでは、自らの手で賊共を殺せない」
「だから冒険者を選んだのですか?」
「ああ」
冷たい返答。
それ以上の問答は不要で、この日はずっと戦いの準備に終始した。
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