賊を狩り続ける冒険者~近代技術で魔法を凌駕する~

作間 直矢 

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3話 挑発と挑戦

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 ギルドでの騒動から工房に帰る二人。

 何も言わず、ただ涙を拭いて隣に寄り添うアリウム。
 彼女は気丈に振る舞い、何事もなく工房へ戻った。


 「あ、おかえりアリウムちゃん~お腹ぺこぺこだよ~」


 溶接作業中であった彼女は、特殊なゴーグルを付けながら振り返った。

 賊退治で工房を数日空けていた為か、研究に没頭する彼女は片付けという概念を知らぬ様に、工房を荒らしに荒らしていた。


 「あぁー!!シキさんなんですかこれ!!作業場が散らかってるじゃないですか!?」

 「にゃはは~……ごめんよ、つい集中したら、ね?」

 「もー……とりあえずここは片付けますから、そっちお願いします」

 「はいよ~」


 ガサゴソとゴミをまとめ、シキは苦笑いで反省する。

 それを遠目で見ていたアルバートは、作業台を見てシキに声を掛けた。


 「―――シキ、完成したのか」

 「あ、見っけっちゃった?にゃはは~!!
  まだ試作品だけど武器のコンセプトを体現した物になったよ」

 「試し撃ちはしたか」

 「んにゃ、まだしてないし動作確認はアルバートくんにお願いしたかった」


 そっと、完成した武器に触れて感触を確かめる。
 彼は試作品となるその武器をじっくりと観察し、細かな場所まで確認した。

 それは、翡翠色の鉱石で造られた美しいライフル型の銃。

 魔法が中心となる世界で、現代の科学で編み出した最先端の遠距離武器である。


 「アルバートさん、それは……」

 「銃と呼ばれる遠距離武器だ、海を渡った島で発達した武器らしいが、
  その設計を基にシキと開発してこれを作った」

 「も~めっちゃ楽しかった!!魔法鉱石と銃を組み合わせた新規格の武器!!
  最初に設計思想を教えて貰った時はドキドキしたよ!」

 「どう使うんですか?その武器は?」

 「丁度いい、威力を確かめるから見ておけ」

 「わ、わかりました」


 弾丸を三発装填し、銃のスライド部分を動かし準備する。


 「どう?弾の装填に違和感ない?」

 「課題であった取り回しの悪さが気になるな」

 「ありゃ~やっぱりそこは仕方ないよね……
  弾を半永久魔力結晶にすれば解決するけど、
  それだと予算がいくらあっても足りないからね~」

 「汎用性が高く、市場に出回っている安価な鉱石での開発だ、
  その効果を見るための確認でもある」


 いくつかの工具、設計図、その他の資料を持ち出して外へ出る。

 向かうは工房の裏側。

 敷地内となる土地には拓けた場所があり、そこは標的用に作られた鉄くずが破壊された痕跡が多々見受けられ、荒れていた。


 「あの……ここって」

 「ここで火薬や武器の実験をしている、
  最近は使っていないが、必要な時は管理を頼む」


 これほどの努力と試行をかけていたからこそ、彼の力は異質であり強靭。

 他の力とは違う本質に触れ、アリウムはこれから行う新武器の性能が怖くなった。

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